やっぱり、スウィングすっぞ〜!

渋谷・シネクイントで映画「スウィングガールズ」を見てきました。
これで2回目となります。
前回の感想はこちら


まず、要チェックなのが山手線の渋谷駅、品川方面ホームにある、フジテレビの出してるドリンクスポット。この映画のグッズも一部扱いがあります。(デカデカと壁に「スウィングガールズ」と書かれています)舞台となった高校の校章などを販売中。あのねずみのマスコットはまだ扱いがないそうです。はっきりとはしませんが、近日入荷らしい。でもあれ、楽器のベルに取り付けられる形じゃないんですよねえ。トロンボーンに取り付けて吹いてみたいなあ。……作るか??


さて、今日は大学時代の友人と見てきましたが……。やはり愉しい映画だったという点で一致。
この作品は音楽を一緒にやったことがある仲間と見るのが一番お勧めかもしれないですね。
席は前の方でしたが、画面全体が見渡せる位置であるなら、比較的前の方の中央席がお勧めかもしれません。演奏のシーンが、その場にいて聞いているような愉しさを味わえるように感じます。


最後の演奏会シーンは何度見ても泣けます。愉しいシーンだけど、なんだか泣けてくる。
これは、今、自分でも良く分からない理由で、大学卒業して以来4年間以上吹奏楽から離れていることが大きいかもしれません。トロンボーンをやりたがっているのは、自分でも良く分かっているのですが……。楽器の感覚が欲しくなる時があるし(とくに腕と唇の辺りとか)夢に演奏シーンは出てくるし、映画の試写会以来、信号待ちの音楽のジャズ版やシング・シング・シングは脳内に聴こえてくるし……。今日会った友人にも、(大学オケ時代のクラ吹きKさんとバイオリンのIさん)楽器やれば? どっか入ればいいじゃんって。自分でも今吹奏楽活動を中止している理由が、正直、良く分からないんです。


ものごとは、やればできるのかもしれない。
実は、映画のパンフレットを読んでいたら、今回の撮影スケジュールは以下のようであったことが判明。

  • 2003年1月
    • オーディション
  • 5月
    • 楽器の練習開始
  • 7月25日
    • 撮影開始、山形ロケ。
  • 8月
    • ラストの演奏会のシーン(演奏シーンのみ夏に撮影)5日間で撮了。
  • 9月
    • 夏のロケ終了
  • 2004年2月
    • 山形ロケ、冬のシーン。

驚くべきことに、あの演奏会のシーンは楽器歴3か月で撮影しています! っていうのは、関口香織役・本仮屋ユイカさん(ファーストトロンボーン)がリコーダーしか吹けなかった、のをはじめとして、金管木管の楽器歴がほとんどない面々で。アンド・ア・ボーイこと、中村拓雄役・平岡裕太さんなどは、ギターは得意だけどピアノを弾いたことはほとんどなかったらしいです。ですが、映画の演奏音は、すべて彼女らと彼がやってるわけで……。


撮影期間中、撮影の無い10月から1月も、練習は毎日あったそうです。ほとんど高校の吹奏楽部のノリで。冬のシーン(多分、電車の中での演奏シーンだと思う)での演奏準備のために。
斉藤良江役・貫地谷しほり(ファーストトランペット)さんも、クラリネット経験はあってもトランペットは初めてらしい。木管から金管への転向は、リードを鳴らす木管から自分から鳴らしに行く金管へってことで、クセが全然違うから、大変だったと思うのですが。演奏会のシーン、ハイBb決めてましたねえ。3か月でトランペットの全音域マスターしたわけで……。


楽器を握る左手に豆が出来、唇が腫れたころのことを思い出しました。
楽器は、最初の3か月が一番伸びるんですよね。その一番の伸びを、目の前で見せられるんですから、この映画の最後のシーンは泣けてしまうのかもしれない。


中学の吹奏楽部時代。もっとも気に入った楽器は、関口さんのにも負けないくらいオンボロのテナートロンボーン。楽器屋さんに鑑定してもらってもメーカーすら判然とせず、しかも頭部管(ベル部)とスライド部でメーカーが違うのを無理矢理組み合わせたんじゃないか? とまで言われてしまった謎の楽器。楽器室の片隅に眠っていたのですが、ヤマハのカスタムよりも『軽くて明るくて柔らかい』いい音がしたので、中三のころはそれを使い通しました。テナーバスじゃないので、スライド使いで手の届かない7ポジションを無理矢理使うなどの苦労もありましたが……。ハイノートが鳴りやすくて、軽音楽にもってこいの楽器だった。


そういえば、こないだ、スウィングガールズのライブを見に来たとき、(9/18のこと。日記に記録なし)渋谷パルコパート2の『リーバイスストア』で、この映画で使っている中古楽器3点を見ました。今、店内に展示されているんですよね。
以下、展示の楽器について。

  • トロンボーン
    • 楽器はHUTTLの530っていうモデル。(知らないぞ)Uはウムラウト('')がつく。
    • マウスピースは56S。メーカー名は裏側で読めず。(この番号のマウスピースは、多分シルキー。参考=http://www.shires.co.jp/sub3-3-1.htm
    • セロハンテープで無理矢理止めている部分がある。(チューニング管と楽器メーカーのエンブレムとの接合部分)


  • トランペット
    • 楽器はヤマハ YTR 235っていうモデル。(中古価格は29800円くらいらしい。参考=http://www.mito.ne.jp/~kyu/tyukogakki.html
    • マウスピースはBachのもの。ただし、モデル番号は展示の裏側なので分からない。
    • 映画で見る程、ボロボロな印象は受けなかった。
    • 1番ピストンはナットで補修している。


  • テナーサックス
    • 楽器の製造元、モデル名については全く分からない。どこに刻まれているのかすら分からなかった。
    • 作中、壊してしまう一番下のキイには、ハンダ付けの痕があった。
    • マウスピースをはめ込むコルク部分のみ新しくなっている。

この展示については、渋谷シネクイントのホームページで確認して下さい。26日の日曜日まで行っているようです。


なお、9/18のスウィングガールズの渋谷パルコライブは、人が沢山あふれんばかりに来ていて、道路の向こう側から見つめていました。撮影禁止のため写真はありません。通りの向こうから見ざるを得なかったですが、「あと打ち」拍手で盛り上がりました。2曲しか無かったと思います。これが残念でしたね。でも、演奏は確かなものでした。『シング・シング・シング』のハイBbは、鳴り切らなかったですが……。それを補って余りある演奏でした。
それにしても、最後部で、デジタルビデオやiBookで撮影していたのはなんだったのかなあ?
当日の様子はこちらから。


さて、この映画は、音響が良くて、できるだけ混雑している映画館で見るのが、もっとも愉しいと思います。
ある程度人がいる時に見た方が、リアクションの連帯感があって愉しいと思います。その方が演奏会っぽいから。
期間中にあと1回は見ておきたい。本当にいい映画の一つだと思います。

追記
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface.php/50c548dc3173aee487cee4e9c64b7666
2004/08/25、矢口監督と豊島由佳梨さんの試写会舞台挨拶レポート。