必須だという思いこみを捨てて自由になること

トロンボーンのスライドの高速移動によるスラーを練習していたら、左手側の支柱に巻いた皮のプロテクターのせいで、音がぐらついて安定しないことに初めて気がついた。

高校生以来、練習でも本番でも一度もはずしたことはなかったが、あまりにもスライド移行間音が気になるから、思い切って取り外した。

すると、左手は疲れやすくなるが、安定度が格段に向上した。
しかし、長時間の練習に左手が耐えるには、むき出しの金属柱をじかに握るより、なにか欲しい。
そこで、手近な綿のリボンを巻き付けたらぴったりで多少はましになった。


今まで必須だと思っていたことは、新しい角度から見たら不要、むしろ阻害物にさえなりかねないことがある。
物事がうまく行かないときは、必須だと思いこんでいる物をも、思い切って捨てて、細部から全体までを見直してみる英断が必要だ。