長年ARENAっていうメーラーを使ってきましたが、最近挙動がメチャクチャ重くて苦労していました。いろいろやってみたんですけどね……再インストール、メールボックスの削除や圧縮、キャッシュのクリア、初期設定の削除とか。
起動も重ければメールリストを開くのも重いという……。5分かかって開いたりしていましたし。それから、これほど迷惑メールが横行する前に開発が終わってしまった古いソフトなので、どうしてもスパム対策は手間がかかりましたし。振り分けでは限界がありました。
どうしてもトラブルを回避できないみたいなので、Apple純正の「Mail.app」に乗り換え*1。
いろいろ調べてみたらARENAの着メロ機能みたいなことも*2できるようなので。ARENAを使っていて一番好きだった機能がこれって人、あんまり居ないだろうなあ。MIDI作曲ソフトとQuickTime Proで作ってみることにします。せっかく着メロを作っていたので、ATMLを目で読んで、手動で打ち込んで楽譜を起こしてみたいです。この機会に新しい音を創ってもいいですしね。
ところで、メールソフトの移行となると、今までのメールの取り扱いと、アドレス帳の乗り換えが問題になります。
ARENAからMail.appの場合、以下のサイトが参考になります。
http://face.page.ne.jp/web/soft/a2mail/
振り分けルールだけは移行できないっぽいので、手動で作り直しましょう。
それから、私が使っている1dk.jpみたいに、POP before SMTPの送信認証の場合、SMTPサーバは設定しなくてもいいのかも……。いろいろやってみましたが、設定「なし」で通った時には拍子抜けしました。その代わり、メールをチェックしてから送信するクセをつけた方がいいでしょうね。
実に快適になりました。音やルール、フォルダは少しずつ作っていくことにします。
それから、システム標準メールアプリケーションソフトの設定はMail自身の設定にあるので忘れないようにしておきたいものです。
追記 Mail.appの着メロ作成について
いくつか作成上の注意点がありましたのでまとめておきます。
- 当方の環境
- 方法
- MIDIファイルなどで曲を作り、AIFFファイルに変換する。
- ウチではMac OS 9で起動してSinger Song Writerで作曲、QuickTime ProかRolandのVSCでAIFFにして使っていますが、いまならGarageBandの方が便利かもしれませんね。
- AIFFファイルを波形編集ソフトで開き、ある程度増幅*5し、最後の音の消え方をフェイドアウトする。*6
- ウチではPeak Express 4でやっています。録音ができなかったりして微妙に不便。同じような機能限定版なら昔のPeak LEの方が使い勝手がいいという……。
- Mail.appを起動する前に、AIFFファイルだけ*7を「ホーム:ライブラリ(Library):サウンド(Sounds)」に置く。
- Mail.appのルールを設定し、サウンドを鳴らす。
- MIDIファイルなどで曲を作り、AIFFファイルに変換する。
- 注意)音源はMP3にしない、AIFFにする。
- まず、midiでは認識すらしません。ハードの問題なのかどうか分かりませんが、mp3で書き出したら、ルールの設定でのサウンド選択時には問題なかったのですが、ルールを適用して実際に鳴らした時に混信したラジオみたいな雑音*8が鳴ってしまいました。「システムアラートは鳴るが、一部のアプリケーションから音がでない (Mac OS X 10.3, 10.4)」はチェックしたんですけど。AIFFで作成し、拡張子を「.aiff」と4文字付け*9、ファイルデフォルトアプリケーション*10をQuickTime Playerにしておくときれいに認識し、また、ほかのAppleアプリケーションで警告音として使えるみたいです。
なお、着メロの音量は、「システム環境設定」の「サウンド」で調節できます。通常、思っていたより小さく鳴る*11傾向があるので、AIFFの波形は大きめに増幅して正解のようです。
ARENAとMail、使い勝手はどっちが上?
コトのついでに。
メールアプリケーションとして目指す方向性が良く似ていた、と、思われるこの2つのソフト。
ARENAは基本的にFinderライクなメーラーですし、Mailはもちろんのこと。
今回のような障害がなかったとして、どちらが使いやすいか……?
mail.appは一日使っただけの初心者ですが、思いつくままに書いておきます。
- ARENAの長所。
- テーマセット(見た目)を変えられる。
- 着メロ機能など、フォルダごとに細かく動作を決められる。このフォルダではこの宛先、と、自動的に先に入力してくれていたのは便利だった。コレ以外にもカスタマイズの強さはMacメーラーとしては随一だと思う。
- Postpet、Pop before SMTP、APOP対応などの高度に技術的な仕組み。
- ユーザを多数設定可能。
- ケータイメールへの対応(メールごとに改行する/しないが柔軟に)
- ラベル機能。
- AppleScript対応。
- いまだにMac OS 9の最終版を配布中(要ライセンスナンバー)。
- ARENAの難点。
- Mailの長所
- OS標準ソフトなので、フリーだし動作が安定している。
- 高度な検索性。Mac OS X 10.4でのSpotlight。
- HTML、RTF対応。
- 画面表示が見やすい気がする。全体的に明るいというか。
- 迷惑メールフィルタ、メールの突っ返し機能が分かりやすいし、使える。
- アドレスブックの対応。
- 操作ボタンのカスタマイズ性。
- ルールによる高度な動作。
- AppleScript対応。
- 同じ話題に付いてレスの応酬になった時に便利な「スレッド表示」システム。
- Mailの難点
- 着メロはARENAに比べて作りにくい。他のソフトで作ったAIFFファイルをコピーするが、技術的にはやや高度。
- フォルダごとにカスタマイズするのではなく、あくまでルールでおこなう。そのため、細かいことだができない操作がある。
- 送信ファイルの振り分けは手動で行う必要がある。
- Windowsの添付ファイルが文字化ける(これはWindowsなどの古いメーラーが悪いのだが)。
- Pop before SMTP非対応。手動で。
カスタマイズのARENA、堅牢で先進技術対応のMail、ですかね?
まあ、乗り換えざるを得ない状況ですが……。今でも開発していたら、かなりいいソフトになっていたのではないかとも思えます。
ARENA Projectの皆さん、今更ながらいいソフトをどうもありがとうございました。本当に長く使わせて頂きました。
*1:実はコレでメールソフトは通算7本目。大学時代のEUDORA-Jに始まり、Postpet 2001、Postino Classic Postino Palma、Outlook、ARENA……。現在では開発終了のソフトも多く、ちょっとさびしくなりますね。しかも気に入ったソフトに限ってもうやってないんですよね。
*2:好きなサウンドファイルを作っておいて、ルールでメール着信音を条件ごとに設定可能。
*3:Mac OS 9で起動しないと使えません。Classic非対応。
*4:Mac OS 9で起動しないと使えません。Classic非対応。
*5:今回は400%くらいに。波形を見て判断して下さい。音が割れない程度。
*6:特にMIDIが元の音の場合、最後の音の消え方がブツッと切れていて味気ないことがあるので。
*7:他の余計なファイルやフォルダは邪魔になるだけ、トラブルの元です!
*8:「ざーっ!」っていうあの音。ものすごく驚きました。
*9:.aifではうまく行かないかも。
*10:「情報を見る」の「このアプリケーションで開く」のこと。
*11:ルールの設定画面では、実際上はファイルを直接開いてQuicktimeで鳴らしているようですが、実際にルールが適用されて鳴る時にはシステム環境設定の影響を受けるらしいです。ですから、実際のルールで鳴らす時には、設定した時の印象よりも小さく聞こえることが多いようです。今回のMP3が鳴らないトラブルも、おそらくこの仕様から、システム環境設定でうまく読み込めないために、雑音が鳴ってしまったのではないでしょうか?