熱狂の日2007

東京国際フォーラムで「熱狂の日」を見てきました。丸一日でかなりの曲数の生演奏を聴き、お腹いっぱいです。
会場には5箇所の有料コンサートホールと、無料公演があるのですが。いつでもどこかでオーケストラなどが演奏しているというスケジューリングで、何時のどの公演を聴くかさんざん迷いました。以下、私の聴いてきた物です。

有料演奏会

  • 公演番号:241
  • 公演番号:412
  • 公演番号:414
  • 公演番号:446
    • バルトーク:「2台のピアノと打楽器のためのソナタ Sz.110」
    • ストラヴインスキー:バレエ音楽「結婚」
      • バルトークのこの作品は、音響を考えて楽器の配置まで決まっている精密な作品。現代曲のわけの分からなさって妙に脳に沁みることがありますがこの曲もそうでした。バレエ音楽「結婚」は、本番でトラブルが。出演者の合唱団のみなさんが使う衣装が手違いとかでロンドン空港で荷物が止まっていて届かず、このイベントのTシャツでの演奏になりました。海外の方が招聘されるとこういうこともあるんですね。曲自体は4台のピアノを縦長・横一列に並べてオーケストラ的に働いての迫力で面白かった。ただ、歌詞を聴いて(パンフに和訳はありましたが)意味が分からなかったのはこういう曲では厳しいところです。しょうがないですが。
  • 公演番号:416
    • ラヴェル:「亡き王女のためのバヴァーヌ」
    • ラヴェルバレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲
    • ラヴェル:「ボレロ
      • 演奏会の個人的締め、という感じで、夜間公演にはこのプログラムを選んでみました。特に、「ボレロ」の生演奏はかなり久しぶりに聴きましたから。ちなみにこの曲のCDをパソコンに取り込み、音の波形を分析するときれいな「く」の字型になるのですよ。たいていの曲では途中に盛り上がりがあったり静かになったりで山を描くのですが、この曲はクレッシェンドが良く分かるのです。曲の設計がよほどいいんでしょうね。さて、演奏ですが、自分が思っていたよりもずっとずっとピアニシモなスネアドラムで始まりまして、非常に「生唾ゴックン」な感じでスタート。おなじみの旋律を眼や耳で追いながら、改めて同じ旋律を様々な楽器で繰り返すこの曲の奥深さに驚いた次第。そして、トロンボーンソロはかなり高い音で始まるので生半可な舞台度胸ではこなしきれないと思うのですが、すっかり聞き惚れました。

映画

会場ではクラシック音楽をテーマにした映画も見られました。
今は亡き手塚治虫先生が監督した実験アニメーション作品には、クラシック音楽を活かした物が何本かあるそうです。「しずく」「展覧会の絵」「人魚」「森の伝説」を大きなスクリーンとまともな音響でちゃんと見られる機会って、今となってはそうそうないと思います。本当に興奮しました。
特に、昔から見たかったのは「展覧会の絵」で、何かで読みましたが初公開か何かの時はプロの交響楽団の生演奏をバックにしたとのことです。それは是非見たかったなあ……。詳しくは書きませんが、あの曲をこういう話にするの!? と、驚きっぱなしでした。
今のアニメーションは技術的には相当進歩していますが、アイデアや驚きの面でこの頃の作品と比べてどうなんでしょうか。技術に溺れて大事なことを忘れていないでしょうか?

その他

楽器店のブースでピアノの調律体験をしてきました。Bb音をやらせて頂きました。
ハンドルを回して2つの音の響き合いを確かめて合わせて行く作業は、トロンボーンのチューニングよりも難しかったですね。でも数分でなんとかそこそこ合わせられて良かったです。

関連Webサイト

  • 熱狂の日2007」公式サイト
  • 「文字絵研究所」
    • http://mojieken.cocolog-wbs.com/ld/
      • 会場でポストカードやシールをお土産として売られていた、有名作曲家の綴りで似顔絵を描く「文字絵」のサイト。シンプルで面白いです。ちなみにウチのダイアリーの似顔絵も、立派な文字絵なんですよね。そういう意味では(使っている文字は私の名前からのではないですけど)。