なんでもいいからアプリケーションの本をともかく読破してほしい!

プロフィールに書いてありますが、私のシゴトは大学生その他のPC初心者サポートです。お金は大学で稼がせて頂いていますが、友人その他には夕食おごりとか何かをもらうとか時々無償とかでサポーターをやっています……。あと、人力検索はてなも。最近出没していませんが。
初心者に共通するITの悩みは、やりたい事(目的)とするべき事(手段)をつなぐ糸が見えていないこと。
やった事が無いのですから当然ですが。


で、まあ、大学生のサポーター歴もそれなりにあるわけですが、年々インスタントに答えを求める学生さんが増えてきたような気がします。
率直に言って、簡単に答えを教えたくはありません。こっちとしては。
質問を聞けば、こっちはそれなりに経験があるから、どこをどうすればいいかっていう、道筋、逆算が結構見えるんですよ。
でも、その逆算を学生自身にやってもらいたい。
どう引っ張って行けば、学生自身がその逆算をできるようになるか、本当に苦心しています。これは私のようなサポートスタッフだけではなく、大学の先生方も同じ悩みを抱えておられるでしょうね。


自分自身の経験を書くと、まあこれは最初から興味があったから、というのは強いと思うのですが。
Photoshop 3とかの頃にMacを始めて、授業だけでは分からない(当時の先生の話し声が非常に聴き取りづらかったのもありますけど……個人的にはかなり面白い方でしたが……)ことが沢山出てきてしまい、古本屋でPhotoshop 3の本を買ったり、漢字Talk 7.5の本をMacとは関係がない教科の先生からなぜか頂いたりして。


まず、丸一冊、全ページ(200ページ程度でしょうか?)を読み切りました。もちろん全部を脳みそに暗記的に叩き込めるわけがないのですが、ひと通りを読み終えると何となく全体像が掴めて来るんですよね。
それからアプリケーションを改めて触ってみたら、「感触」が全然違っていました。
存在の意味が分からなかった物が、道具に成っている感覚。あれは本当にスゴいもので。*1
まあ、大学の先生以外に教われる相手もいなかったし、先生だって常駐しているわけではないから、自力で何とかせざるを得なかったという事情も大きいですが。今ほどインターネットが発達してはいなかったし。


もっとも、これはまだまだ機能がシンプルだった漢字Talk時代だからこそ、通用したお話なのかも知れません。
今の複雑化したアプリケーションを、すべて初学者が把握しようとする事の方が間違っているのかもしれません。
現在の大学での初歩IT教育で難しいのはまさにこの点で、機能がシンプルだった昔からバージョンを追ってきた人間なら苦労しないことでも、いきなり多機能な道具を渡されたら分からない、迷う、という事ですね。


それでも私は、今の段階でパソコン経験が少ない方には、是非、自分がしなくてはならないアプリケーションの本を一冊買い、途中が分からなくてもいいから、ともかくページをめくって「読破」する事を強くオススメしたいと思っています。
パソコンというのは、Macintoshにしろ、Windowsにしろ、基本的にはある種のルールに従って出来ています。このルールのような物は、ともかく触って、自分の作品を作って、ともかく「独力で仕上げて」みて、やっと何となく分かって来る物だと思います。その辺は自転車に乗れるように成るとか、泳げるように成るとか、そういうのに似ている気もします。
そうやると、全体を俯瞰する目、論理的な思考能力がだんだん身に付いて来るものです。


根性論というわけではありませんが。あまりにも自分で考えていない質問を受ける事が多い物で……。
読みやすい本も豊富に出ている現在、ともかく一冊読みこなして欲しい。一本の作品を仕上げてみて欲しい。読み(作り)終わったら、大いに自分をほめるつもりで。
誰もほめてくれないなら、不肖、私めがほめさせて頂きますから。
お疲れさま! よくやったね!

*1:ちなみに、そのPhotoshop 3の本は当時はライター集団だったエクスメディアが、ソフトバンクから出版していたモノクロの本です。今ではアプリケーションの本はCD付属(あるいはネットで教材提供)やカラーで当たり前ですが、当時はそんな物はありませんでした。