ジョットと虹色

企画展を見る為、損保ジャパン東郷青児美術館へ行ってきました。

ジョット・ディ・ボンドーネ作《聖母子》 1295年頃……。展示作品はそれぞれに魅力的でしたが、やはり、最後に残り時間を費やしてでも見たくなったのが、最初の方にあるこの作品。
713年前には、この絵の前でミサが普通に行われていたんだなあ……と思うと、ちょっとタイムマシンに乗った気分になれました。なんというか……浮き上がってくる何かがある。技法的にどう工夫されていたとかは展示キャプションに詳しく色々書かれていましたが、それ以上に、目の前に立つ人間に問いかけてくる何かがある。
それは、「キミたちはそれでいいのかい?」という、人間に内省するように求める問いかけなのかもしれません。
この絵の前で、実際のミサを行ったら、それはそれでおごそかでありますし、ひとつの鑑賞法として面白いかもしれないなあ、と、ふと思いました。宗教画を扱う絵画展で、その絵画を「使って」その宗教の儀式を行う展覧会ってあまり聞いた事がないのですが、いろいろ問題はあるかもしれませんが、新しい絵の見方を提案できそうな気がいたします。


宗教画は苦手な人も多いとは思いますが、優れた作品は見る人間に何かを問いかけるために描かれている……と思うと、宗教的な知識がそれほどはなくても、それぞれに鑑賞できると思うのです。もちろん、どんな場面を描いたとか、この神様は何の神様で……みたいな知識は多少あるべきとは思うのですけれど、それくらいは展示キャプションにたいてい書いてあるようですし。


ジョットの《聖母子》は、お二人とも非常に厳しい表情をしていました。この絵は今の世界をどう見ているのでしょうね。表情以上に厳しく見つめているのかも……?


この展覧会の後、虹色の薔薇がもらえるイベントに参加してきました。



本当に花びらそれぞれに色が違う……。何かで聞いた事があるけれど、本当に虹色の薔薇です。
スタッフの方によると、オランダからの輸入品で入手困難とのこと。
イベントはANAクラウンプラザホテル大阪(大阪市北区)の開業を祝したもので、画面の前で踊る(いや、本当は手を振る程度でも良かったらしいんですが)と、その軌跡が虹色のようなさまざまな花のラインに合成されるものでした。なかなか面白かったです。