- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/11/22
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私も、興味深く読ませていただきました。私は、都内のある大学で、学生に対するパソコンサポートを仕事にしています。また、私自身、大学4年生の夏休みに、学芸員資格課程「博物館実習II」を浜松市楽器博物館で受講してきた経験があります。こういう若いときに、現場を経験するのって非常に大切なことなんですよね。
「学生が成功経験を持ち帰る」(記事本文より)ことを目標としたそうですが、これはインターンシップや教育実習・博物館実習等において、非常に重要なことだと思います。私もほんの1スペースではあるものの常設展の展示替えを実習させていただいて、どこに気をつければ安全で見やすい展示が出来るのかをまざまざと知ることとなりました。はてなさんの場合は、実際のサービスとして提供されるある部分を、学生さんたちが作ったようです。これはすばらしいことですし、企業としても英断であるでしょう。それだけのことをしっかりと教える体制を、通常の業務を進めながら整えるのは難しいのではないでしょうか。
さて、選抜された10名の学生さんたち。自己紹介の場ではそれぞれの得意分野を紹介したようです。
大学では、彼らは友人たちの上を行く実力者だったでしょう(何を隠そう、私自身もそういう立場で、情報の授業課題では自分のをやらないで他人の手伝いばかりしていました)。ですから、まったく違う分野が得意、苦手なことが出来る人に出会ったのも重要だと思います。これは非常にうらやましいなあ……。新しいものは、新しいヒトとの出会いから生まれるので……。
そして、「なぜそうするのか」をはっきりさせて開発をする、というスタイルを講義でたたきこまれ、毎日しっかり学んだようです。また、あのはてなランチ*1も体験したり。すっかりはてなスタッフじゃないですか……。
で、午後は前日の課題成績の発表から……。相対評価ではなく、絶対評価ですばらしかったものが発表されます。これは、私が9月まで通っていた(株)宣伝会議・コピーライター養成講座の「金の鉛筆賞」に通じるものがありますね。*2具体的で乗り越えられそうなちょっとした目標が毎日あるというのは、やる気を引き出してくれると思います。そして、それは教える側や、周りで見ている側にも伝わるものです。このころは新はてなブックマークの開発にいそしんでいたでしょうから、きっとはてなスタッフの皆さんにもいい起爆剤になったのではないでしょうか。
後半の技術的な話については、誌面に譲りたいと思います。
全体として伝わったことは、実際にはてなで使っている技術についてしっかりと教え、そして学生さん個々の個性を自由に発揮して、それぞれにすぐれたものを生み出す後押しをするような感じだった、ということです。
これは重要なことですね。IT(情報技術)の知識はそれぞれに持っているので、あと必要なことをしっかりと伝えて基盤を固めてから、それぞれがやりたいと思っているものをやらせてみて、方向性を修正する。非常に幸せな教育環境だなあと。それも、最終的にはてなのサービスに使われたりするので、緊張感も充実感もあったのではないかと想像します。
自分の「博物館実習II」のときも、実際の展示を行う以外に、各自で自由にミニ展示の企画や制作をし、一日だけですが来館者に見ていただくという課題がありました。調べるための資料は、浜松市楽器博物館所蔵資料を自由に使ってよく、また、実際の楽器(展示品)をたっぷりと見つめて発想を広げることができました。
学生に対してこういう教育を行うことも、企業として重要だと思います。きっとそのなかから、未来のよい担い手が現れるでしょう。
現在、大学生でIT業界を目指しているヒト、また、ITに限らず創造性や専門性の強い業界を目指しているヒトは、ぜひ誌面を読んでみるといいと思います。
きっと、なにか発見があると思いますよ。