「POST-」(女道xxxとサラダボールのコラボレーション公演)を観てきました

女道xxxサラダボール『POST-』」を観てきました。寒い冬に熱い演劇。公演が明日(7日)までだから、観てこられて良かったな。
今回は地下劇場での公演です。
小劇場って目の前で展開されるから、怖くもあり、面白くもあります。なかなか見に来られないんですけど……いろいろなところでこういうのをやっているのは知ってるけど。自分自身、演劇ファンというよりはどっちかって言うと「ガラスの仮面」+「赤の神紋」ファンなので……趣味が偏っているかもしれない!
ま、それはさておき。
「POST-」は1幕ものの短編演劇の間にチェーホフの「かもめ」の名シーンを挟む、ちょっと変わった手法で演じられています。1粒で何度もおいしい?
その分、役者さんは気持ちを切り替えるのが大変かもしれないなあとも。客席としては舞台の味がクルクル変わるのが楽しかったりする。
ただ、お客さんがまったく「かもめ」を知らないとちょっと分からないところもあるかもしれないなあ。青空文庫作家別作品リスト:チェーホフ アントンではまだ入力中みたいですし……。かもめ (チェーホフ) - Wikipediaでもいいかな、とりあえずのところは。
ちなみに私自身は「かもめ」を読んだことがなかったりしますが、昔、赤石路代さんの漫画「アンダースタディ」を古本屋さんで買って読んだから、あらすじくらいは知っていたりします。なんか、ハムレットとかも高校の文化祭の演劇でハムレットをやるハメになった演劇青年の話(「くたばれハムレット」)をやったから知っているとか、そんなんばっかりだなー、私ってば。四大悲劇とかも間接読みかもしれない。「サロメ」を知ったのも赤石さんの「プライベート・アクトレス」でだったりするし。


で、話を戻そう。現代の日常の中でちょっと変わったことがあるかもしれない(藤子・F・不二雄さんみたいだな)短編と「かもめ」が連続して出てくるのは、なんともいえずユニークでした。愛と情熱と不思議な現代が交錯しているみたいで。さっきまでカラオケにいたのに今はロシア。
でも、現代って実はこうじゃないかな。
さっきまで****していたのに、いまは@@@@なことをしなくちゃいけない。これ、現代人の生活そのもののような気がする。
そういうのが日常になっていると、だんだん????になってきて。
ひとつのことをひたすらやるのだって、本当は大変なのにね。人間はどこまで器用にならなくっちゃいけないのかな?


器用という訳じゃないんだけど、この演劇は最後の最後には言葉を超えて伝えようとしてきます。こればかりはナマで観ないと分からないだろうなあ。映像ではちょっと無理っぽい。


演劇でないと伝えられない熱、そういうのがあるんだなあ。音楽やっていると、休符も音符だってよく言われるんですけど、そんなことを思ったりしました。


それにしても、役者さんって壊れるときは遠慮なく壊れるし、それを観ていてカタルシスがあったりするし、あとでよくよく考えてみると結構怖いことをやっているんだけど、その時は怖いというより残酷にも面白く思ってしまえたりする。それでいいんだと思う。
そういう意味で、いろいろ疲れることが多かった今週の締めくくりに、いいものを体感させていただいたと思います。
やっぱり、行って良かったな。

女道xxx」のお二人さん、「サラダボール」の皆さん、ありがとうございました。