放課後の吹奏楽団

放課後ウインド・オーケストラ 1 (ジャンプコミックス)

放課後ウインド・オーケストラ 1 (ジャンプコミックス)

放課後ウインド・オーケストラ 2 (ジャンプコミックス)

放課後ウインド・オーケストラ 2 (ジャンプコミックス)

たまたま本屋で見かけて……これは買いだ、と。タイトル買いです。
吹奏楽ウインドオーケストラ、とちゃんと分かってらっしゃる。ブラスバンド金管合奏団)じゃないんだな。あの名称は木管楽器の立場がないです。木管楽器は大変なんだぞ〜。
物語とキャラクターについては「http://jumpsq.shueisha.co.jp/contents/houkago/index.html」に詳しいです。
実際、読んでみたらおもしろかったですよ。吹奏楽を知らないヒトにも、やっている(いた)ヒトにもオススメの作品です。吹奏楽どころか部活というもの全体に興味がなかった少年が、廃部になっていた高校吹奏楽部の1年生部長として再建を目指すという……しかもパートはトランペット。彼は目立たないのが信条なのに、目立つことが仕事だというあのパートをどうこなしていくのかも読みどころ。
吹奏楽って、やる上でいろいろ問題が起こってくるのですが、その解決方法は自分たちで考えてやっていくから楽しいのですよ。そのことをしっかり教えてくれます。


それにしても、コミックス2巻目で吹奏楽コンクールの是非について論争されていますが……。作中で描かれているように、実際の吹奏楽コンクールでは演奏に12分以上*1かかってしまったらどんなに名演奏でも失格になるのですよ。その演奏時間には、課題曲→自由曲の曲間時間も含まれます。ですから、特に打楽器の変更や管楽器の持ち替えで席を移動するときは注意が必要です。さらに、曲間に楽譜をめくる時間も演奏時間に入るのです。*2
このルールのため、たまに全国大会でも失格になる場合があります。
では、コンクールに参加したことや、その演奏自体には意味がなかったのか? というテーマを真正面から考えた本書第2巻は圧巻でした。この前年のコンクールでのタイムオーバー失格がきっかけで吹奏楽部自体が廃部になってしまっていたのです。それくらい非常に重いテーマなのです。漫画の中の話とはいえ、この展開は現実問題としてないわけではないと思いますし。


それにしても、手が長いからってトロンボーンをやってる岩崎君。うらやましいぞ。いまだに私は第7ポジションどころか第6ポジションもあやしく、F管フル活用+スライドに紐をつけて何とかこなしてます。でも、曲中で7ポジションはいまだに使えない……あー、ユーフォニアムの人っていいなあ。4つバルブを押さえられれば全部の音が出るなんて!(といって、ユーフォに転向する気はないんですが。性格的にトロンボーンの方が好きだし)


昔はバンドピープル誌上に、吹奏楽をテーマとした小説や漫画がないことを嘆くお便りが掲載されていたものですが。時代は変わったなあ! ともあれ、続刊が楽しみです。

*1:全国大会を目指す部門では制限時間は12分ですが、地方大会のみの部門では異なる場合もあります。

*2:このため、私の出身中学ではコンクールの楽譜は暗譜が原則になっていました。楽譜をめくる時間がもったいないので(お守り代わりに譜面台に楽譜はありましたけど、自由曲・課題曲のどちらか自信がない曲の楽譜だけ置いていたのです)。