オバマさんの就任演説CD

生声CD付き [対訳] オバマ大統領就任演説

生声CD付き [対訳] オバマ大統領就任演説

あの歴史的(と評された)な就任演説から、まだ10日しか経過していないのに、もう、CD化されて対訳つきで販売中です。
自信に満ちた声で全世界に語りかけ、行動して結果を出すお仕事の滑り出し。好スタートを切ったと感じました。なにしろ、書店員さんにうかがったら、入れても入れてもすぐ売れるのだそうですよ、オバマ新大統領関連書籍って。海を越えた国の出版界をも騒がせていることなど、ご本人はたぶんご存じないでしょうねえ……。


まあ、だいたい、それどころじゃないですし。
何しろ、この急激な金融危機は米国発。
それから、中東でややこしい事態になったり、大量破壊兵器などなかったのに……な、事態になってるのも米国発。
それから、京都議定書など地球環境の問題も、最大のキーポイントであろうこの国が……まだ、なんですよねえ。
睡眠中も仕事してるくらいの勢いで何とかしないといけないし(想像するだけで大変そうだけど)。また、きっとなんとかできる方だとみんなが思ったからこそ、選ばれたわけで。
市民レベルでひとりひとりがやるべきことはきちんとやるけれど、やはり、良いトップがいなければやれることもやれないから。


この演説のCDを聞きながら、『仮設実験授業』提唱者の板倉聖宣先生の名言を思い出しました。「どっちに転んでもシメた!」っていう。
今、危機に陥っているとみんなが言いますが、本当に危機なだけなのでしょうか?
私は前職を退職してから1年間ニートしていましたが、その間に自分自身を見つめ直したり、できていなかったさまざまなことをやったり、休養を取ったりしていました。精神的には非常につらかったし、働いていない自分に対して誇りの持てないのは大変だったけれど、あの時期があったからこそ今の自分が生きているということは自信を持って言えます。
同じようなことが、今の世界にも言えるのではないでしょうか。
つまり、今までの基準で動いていこうとしたらうまく行かないから、新しいものを作り出すための変節の時期なのではないか……ということです。今ある材料、分かっている真理、持っている知識や資源や……マンパワー、そのほか、さまざまなリソースを今一度見つめ直し、知らなかったことは学び直し、新しい考え方で世界を再構築するのには最適な時期だと思うのです。
世界の人々が、今は危機だという共通認識があるなんて、人類史上を通してみたらめったにない……あるとすれば、世界大戦の時期でしょうけれど、今は幸いにして「世界大戦」ではありませんし……ある意味では幸せな時代だと私は思うのです。


今までの歴史では往々にして、不況や政治危機の脱却策として戦争という手段が用いられてきました。
自国の中の本当の弱さを国民が見抜く前に、対外的な敵を作ることで、需要を喚起したり重税を是とさせたり……。でも、そんなことを繰り返していては発展もないし、それは愚行であるし、だいたい、地球環境的にもまた世界大戦をしたら今度こそ地球は終わってしまうだろう、そんな認識も市民レベルで持つことが出来ています。自分自身のどこが悪いのか、そして自分の国のどこが悪いのか、何ができるのか。それを見つめ直す慎重な勇気と冷静な行動力が必要とされているように思うのです。


私が去年からこっち、自分にできるペースであらためてWebやコンピュータについて学び直したり、吹奏楽に向き合ったり、英語を細々と再学習したり、水中ウォーキングなどで運動をしているのは、この時代に対する自分なりのあがきです。
何が出来て、何が足りないのか。そして、自分の中の何を人様のためにお役立てていただきたいのか、何を商品(サービス)として、この社会に差し出すことができるのか。
毎日、のんきな顔の影で必死に考えています。