必ずプラスアルファする

シゴトの話。
学生さんからのPC操作系の質問では、必ず質問されたこと+10%の知識を伝授するようにするのが、いまのところの自分の理想だ。
まあ、学生さんが急いでなければ(次の時間にこのレポートを提出しなくちゃいけなくて……! とか、ぱにくってる場合は別)。

でも、+20%とか+30%とかはやりすぎになる。すぐに覚えられるものじゃないし。身に付かないんじゃ意味がない。教えすぎは良くない。このあたりの塩梅の目安としては、使うコマンドの前後にある2種くらいの意味だけを教えておく、というくらいかな。実際に操作するのは使うコマンドだけにしておいて。



たとえば、IE7のリンク部分を右クリックで「対象をファイルに保存」を教えるときに、同時に「新しいウィンドウで開く」と「対象を印刷」をさらっと教えておくと(あとでやってみてくださいね、くらいの感じで)、右クリックの機能がなんとなく身についてくる。今開いているページに対して何かをするのではなく、マウスポインタで指さしたリンク先のものに対して何らかのアクションをおこなわせるものだ、ということが、言葉ではなく体感で理解できる。あとは、必要に応じて試してみればいいのだ。


まあ、何を隠そう、自分が大学時代にパソコンを習得したときに、ひとつのアクションを覚えるときに類似のアクションをいろいろ試したことが身になっている、という経験則なだけの話なんだけど。


実際、いわれたことしかやらないヒトは、PCスキルが伸びないと思う。言われていないことも勝手にいたずらする方が伸びる。PCに関しては教科書やマニュアルに書いていないことをやる方が本当は正しい習得法のような気がする。でも、できないヒトのために、自分自身学生向けにマニュアルを書いている。……あれこれ書きながら、ほんとうはこんな窮屈な作業をしていないで、自由にいろいろやった方が楽しいって書きたいといつも思う。


本マニュアルに書いていない操作で以下の表記を実現しなさい、とかいう練習問題を出したい気分になる。自分で考えざるを得ない状況に追い込むというか。


ちなみに、自分の場合、エクスメディア社のフォトショップ3.0(当時はソフトバンククリエイティブから出版されてたと思う)やイラストレーター8.0の「メニューマスター」という、全部のメニュー操作を丁寧に解説した本を最初から最後まで読破した。それから、掌田 津耶乃さんのMac OS 9解説書を読破した。全部数センチ単位の分厚い本だったけど、新しい知識が見つかるのはひたすら楽しかったな。そういった、分からなくていいからともかく通読、とやることで、全体やポイント部分が見えてくる。そういう経験を学生時代にやったことは今に生きている。


ひとつの操作方法に関して、プラスアルファして覚えることは、PC習得の最短距離だと思う。ただ、これ、自発的にやってみたいって思うことが大事で、どう導いたらやってみたくなるのかは……分からない。教える方はいつも影武者で、実は導いているんだけど学生の立場からすれば自分からやった、という風に思っている状態になること。本当はそういうのが一番いいんだよな。数分の一問一答的なサポート業務ではなかなか難しいんだけれど。