DTPを学ぶ上では非常にややこしい「行間」「行送り」の違い。正確なところをきちんと学んでおきたいものですね。
今回の参考文献とサイトは以下。
Wordの「行間」
Microsoft WordでのDTPを解説している「Microsoft Wordレイアウトデザインガイドブック―Microsoft Wordによる自由で読みやすいレイアウトの作成」の4-7ページによれば、Wordでの「行間」は商業DTPでいう「行送り」のことらしいです。以下当該ページより引用。
行間とは、ある行から次の行までの距離のこと(商業印刷物の世界では「行送り」と呼ばれます)。基本は文字サイズの約1.5倍の行間値にすると良い……と覚えておいてください。
※Wordで行送りを数値設定する場合、「行間値」という項目を使用します。
DTPの「行送り」
しかし、商業印刷物の「行送り」って、厳密に言えば場合によってどこを指しているのかが違うようです。「図解DTP用語辞典より【行送り】」よりそれぞれを引用します。
- 写植の行送り
- 「文字の中心から次の行の文字の中心までの距離」のこと。
- QuarkXPressやPageMakerの行送り
- 「行のベースラインから次行のベースラインまでの距離」のこと。
- InDesignの行送り
- 「仮想ボディの上辺から次行の仮想ボディの上辺まで」のこと。
DTPでの「行間」とWordでの「行間」の定義比較
- 「[http
- //www.japanlink.co.jp/dtpjiten/ki/gyokan.html:title=DTPでの【行間】]」:「行と行の間の距離」のこと。*1行送りが同じでも、文字のサイズが違うと行間は変わる。
- Wordでの【行間】
- ある行から次の行までの距離のこと。*2
と、なると。DTPの入り口としてWordから学ぼうとすると、「行間」については間違った知識を身につけてしまうことになります。Wordの各種用語やコマンドを日本語訳するときに、おそらく日本語組版用語との兼ね合いを考慮しなかったのでしょう。やっぱり、日本語組版について考慮して開発されたInDesignあたりから入った方が正確に学べそうです。