派遣のオスカル、最終回。

うわ〜、終わってしまったぁ!! 最後の一分まで飽きさせないドラマだったなあ。


バス・トイレタリー商品の「MIZUKI」の入社資格は、ズバリ「ベルサイユのばらが好きであること!!」……なんて、ね。
でも、あれだけ熱い「社員」が居てくれる会社は幸せですよ。きっとあのエンディングのあと、「和風美人」が当たって、「MIZUKI」は立ち直るんじゃないかと思います。これだけつらい社会になっているから、お風呂くらいはゆっくりしたい、そういう需要ってあると思うし。……この国がお風呂にも入れないような国にならない限りは、「MIZUKI」は永遠に不滅……だといいな。


さてさて、ヤシロ女史(^^;)の計画は、結局は破綻してしまいましたが、実際に今の日本の縮図のようでもありました。
国内に元気が無いから外資を導入し、結果としてブランドを売り渡して製品だけ残る。さらに、社員もカットされ、もとの会社でよかったものは、技術の一部しか残らない……。
この構図、よく聞く話じゃないですか?


今回、一部を他社に譲り渡しても、その会社の本分は守り抜くことで再生を図ることにした「MIZUKI」ですが、根底にあるのは「愛」のため! やっぱり、このドラマはこうでなくっちゃね!
でも、大事なことだと思うんですよ。大切なヒトのために守るものは守る。
こういうこと、ヒトとして社会人として忘れてはいけない。


結局、あのような会社が大変な状況で、ナニを捨ててナニを守るか。この判断が経営者にとって難しく、試されるのだろうと思いますが。守りたいものがあるなら、ナニを捨てなくてはいけないか。でも単純に捨てるといっても、それを持っていた時代に培ったものは、きっと新しい会社にも残ると思う。当該部署の作った商品の権利やノウハウ、場合によっては知的財産権(特許とか?)は譲らなくてはいけないことがあるとしても、経験そのものは残るのではないか。それは、MIZUKIのような日常のアイテムを販売している会社なら、社員や会社の経験だけではなく、消費者の経験もなくなることは無いでしょう。
まったくなくなるものではない。それを考えて、切る判断をする。そして、切らざるを得なかった社員には、頭を下げ、状況を説明し、できる限りの理解とサポートをする。会社は組織であっても、社員はヒトだから。血の通ったヒトだから。
そういうことができる経営者が、この厳しい時代に生きていける会社を運営できるような気がします。ヒトは、誰であれ、大切なものです。


そして、もうひとつ。大切なヒトのために……新しい気持ちでペンを走らせることができるようになっていった俵あん先生のことも忘れちゃいけません。
ついつい忘れそうになっていたのですが、勝子とあん先生のつながりは、女友達であるだけではなく、読者と漫画家でもありました。
だから、読者として名作に夢中になる勝子の姿が、作者としてあるべき制作姿勢、心構えを教えてくれた。


原作では「漫画の神様」に教えてもらったこの気持ち。
ドラマでは「読者」に教えてもらえたわけです。
両方とも暖かくすばらしい展開だったと思います。


ちなみに、多分あの書店はジュンク堂書店、池袋店じゃないかと。見覚えがありすぎる。違っていたらすみませんが。


ともあれ、本屋さんに行ったら、一作一作に作家が、漫画家が、そして編集者が込めた気持ちを大切にして、本を選びたいものですね。
なかなか本が売れなくて、最近では著者が一部を買い取る契約で出版が決まるなんてこともあるみたいですけれど。
それでも出したい人はいるのです。自分のこころを、世に問うために。


そうそう。
勝子が込めて放った弾は、ミゴトに社長ジュニアと全社員のハートを撃ち抜いちゃった! あの演説シーンは最高でした! いよっ! オスカル、大革命っ!!


勝子は、最高のオンナですよ! いいドラマをありがとうございました!