録画でナイル川の話を見た

地デジ化してテレビを買い替えて、格段に録画と鑑賞の機会が増えたと思う。
HDに録れるのはやっぱり便利。


録画でナイル川の源流をたどる番組を見た。

昔々の大昔、ナイル川は雨も降らないのに勝手に氾濫し、エジプトに肥沃な土をもたらしたという。
日本で川の氾濫といえば、台風などの大雨が関係している。だが、エジプトで生まれて一生を終えた古代エジプト人は、地元で雨を見たことなどなかったのだそうだ。だというのに、あの広大なナイル川が、年に一度、ある時期に氾濫していたらしい。そして、その濁流は黒く濁っていた。ミネラルたっぷりの土をあるところから運んできたのだ。


その不思議な出来事は、人間が途方もなく大きなダム=アスワンハイダムを造るまで続いた。
今はエジプトが氾濫に襲われることはない。ダムでせき止めてしまったからだ。と、同時に、豊かな土がエジプトに届くこともなくなってしまったが...。


さて、雨が降らないのに川が氾濫する。この不思議な現象はなぜ起きたのか。
結論から言えば、雨が降るから氾濫したのだ。ただし、雨はエジプトで降っていたのではない。もっともっともっともっと源流にさかのぼり、エチオピアにまで行かなければならない。
エチオピアにあるタナ湖(ナイル川の2つの支流のうち、黒い土が混ざってくる「青ナイル川」の源泉)の地図を載せておく。南に、西に、そして北に辿って、ナイル川沿いにエジプトを探してみると、その長さがよく分かる。


雨が降り、また肥沃な土が混ざり込んだのはエチオピアだった。
非常に大きなスケールの話だ。
実際、交通の発達した現代でも、2週間以上かかるロケだったらしい。
他にも、その泥水が栄養たっぷりだったのはなぜなのか(火山性の土で、プレートテクトニクスと関係している)など、非常に興味深い話だった。


地球は生きていて、我々はその間隙に活かされているにすぎない、ちっぽけな生命体だ。
地球がちょっと咳払いでもしようものなら、たちまちマグニチュード8、9クラスの地震が起き、大変なことになってしまう。現にマグマは生きている。活火山は富士山を含めてあちこちにある。


そのちっぽけな生命体が、地球の命運を握るレベルの兵器を、あるいは兵器ではないにしてもエネルギー装置を作り出してしまったのが現代だ。
そして、それを自然の猛威に対して制御しきれなかったから、今もまだ。
あと1ケ月で1年経つというのに。
一度外れてしまったら、数百年単位で考えなければならない事故になる。


人間には、まだ早かったんじゃないだろうか。過ぎたチカラだったんじゃないだろうか。


たしかに、エジプト文明時代には解明できなかったナイル川の氾濫の謎は、現代文明では解くことが出来た。同じように、現代文明のチカラでなら、世界の謎をいろいろと解明できるだろう。私なぞが知らないことがたくさん。
でも、ある領域から先への畏れのようなものは、持っていないといけない気がする。
まあ、その文明の恩恵でテレビを見て、インターネットを利用しておいて、何を言ってるんだ、というのも事実なのだが。