武器屋シミュレーション大阪風味。

Nintendo e-shopのラインナップを見ていたら、あの『レンタル武器屋deオマッセ』が単品(800円)で配信されているのに気がつきました。
http://www.nintendo.co.jp/3ds/eshop/jbkj/index.html
もともと、アイデアが光るゲームを詰め合わせた『GUILD01』というパッケージソフトの1本だったのですが、バラ売りを始めていたんですね。e-Shopの配信ソフトなら、単品買いできるメリット以外にも、カードリッジ不要でどこでも思いついたときにできるので、これは良い方法だったと思います。あのシリーズでこの1作だけが妙に気になっていたので……。
ファンタジーRPGで、必ずお世話になるお店……武器屋さん。
普段はお金と商品の売買しかしませんが、そこにフォーカスを当てて、武器屋さんとしての客商売をボケとツッコミありのトークで、店の評判とか商品開発や素材管理などの経営要素、武器製造をリズムゲーム方式で、といったさまざまな要素を折り込んで遊べるものに仕上げた1本。
イデアがあふれすぎています。
しかも、材料不足なので……と、レンタル方式。歴戦をくぐってきた武器は手入れをするごとにさらに強くなる、というところも面白い。普通はレベル1のショートソードでも、がんばれば魔王を倒せるかもしれません!?
そして、武器を貸した相手がクエストに失敗すると、その武器は紛失され、報酬もないというシビアさも。
おまけに、各武器はtwitterのような音声聴取機能が内蔵されていて、武器屋でほかの武器の手入れなどをしながら、貸した相手がどうしているかが分かるという。この機能の名前『ドナイナッター』ってまた大阪のノリ。まあ、演出やったのが平井善之アメリカザリガニ)さんなので、BGMを含めてどこまでも漫才でおまっせ。
基本的にRPGでは冒険に出ない武器屋ですが、冒険者のためにしっかりした武器を開発し、その場にいなくても一緒に戦っている……ということを思うと、胸が熱くなって……来ませんかね? ほかのRPGをプレイしていて、街の中に当たり前にある単なる剣と盾のアイコンが、妙にドラマチックな存在に見えてきたりして……。
シナリオとしては、何名かの常連客に武器を貸して、彼ら彼女らがどうなっていって最後に魔王を倒すのか、というのを『ドナイナッター』で追っていくかたちになります。
ですから、どこか別の国に行くとか、ダンジョンを探検するとかの要素は全くありませんが、一つのファンタジー世界の魔王討伐ストーリーが、漫才風味で楽しめるようになっています。あるひとりの冒険者が追っていたナゾが、別の冒険者の追っていた事件と絡むような展開もあり、なかなか面白かったです。
そして。クリア後は、延々と武器開発と冒険サポートを楽しむことができるようになります。魔王はすでに倒したはず、なんですけどね。ま、そこはそれ、お約束みたいな。
こういうのもアリですね。
普通のRPGに飽きたヒトに特にオススメです。