もっと、個人メセナしてもいいんじゃないかな?

日本では、仕事、生活、創作活動を、分けて考える考え方がどうも主流みたいだ。
それでいて、多分、一般的に言われている優先順位は
仕事>生活>創作活動
の順。
特に、アマチュアでやっていると。
あと、創作する方ではなく、受ける方(コンサートを聴くとか)だと。
でも、例えば自社の従業員が、あるプロオーケストラをチケットを買って聴きにいってくれた……となれば、間接的な意味では企業メセナに近い意味を持たせることも出来るだろうに。
あるプロの楽団のファンになり、いつもチケットを買って聴きにいくことは、ひとりメセナみたいなものかもしれないな。


プロのコンサートは、チケットが売れなければ成り立たない。
そのためには、企業がもっと、演奏会を聴くために早退する社員のことを、柔軟に認めてあげなくては行けない。
チケットを企業が買ったり、冠コンサートをするのも大事だけれど。
大阪市音楽団がつぶれるかも、の件を思い出す。
市運営のプロ吹奏楽団が大阪にあるということは、吹奏楽文化が大阪では充実している、ということを表していることでもある。それを予算の問題でつぶすということ。どうやら、今後は一般社団法人設立を目指すということになっているみたいだけれど……。


チケットが売れる売れないは、もちろん、公演が充実した企画で成り立っているかどうかも大事だ。
でも、それ以前に、演奏会を聴きにいく時間を作れるような、作りやすいような企業文化があるかどうかも、大事なのではないだろうか。
チケット代以前の問題で。


会社員をしているから、演奏会をなかなか聴きにいけない……!?
これを変だと思うのは、自分が変なんだろうか?


日本のコンサートホールは、法律や運営上の問題で、だいたい夜9時くらいにはクローズしないといけない。
特に公民館のような、自治体運営の会場では、18時から21時枠(長くても22時枠)のように決まっていることが多い。
(これは経験則。都内、豊島区や八王子市の公民館的な場所を借りた時の経験則)
そこから逆算し、2時間半のコンサートを開催するとなると、どうしても18時半〜19時には開演しないといけない。
そこから考えると、退勤は17時頃でないと難しい。その時刻に終了できる企業は、今時それほど多くはない。
会場のレンタル費用は平日の方がどうしても安いし、予約も取りやすい。だから、多くの集客を見込めないようなあまり有名でないプレイヤーや、新人のコンサートは、平日開催が多くなってくる。休日などに広く一般のヒトに来ていただいて、プレイヤーの腕を磨くということは、日本ではなかなか難しいようだ。
ヨーロッパでは、夕食を食べてからでもゆっくり楽しめる時間帯に演奏会が始まる、と、よく聞く。真偽は不明だけれど。


もっと、演奏会を聴くことも、認められやすくなればいいのにな。