ケンコーコムなど、ネットで医薬品販売OKに(承前)

昨日書いた、ケンコーコム等のWebショップでの医薬品販売解禁の続きです。
薬を使うのに一番良いのは、やはりお医者さんにかかって、きちんと処方してもらって、それを正しい用法で使用することです。
お薬屋さんにいる薬剤師さんの監督の元に対面販売する場合、お薬は詳しいですが医者では無い分、どうしてもやはりある程度の限界が出てきます。
お医者さん+調剤薬剤師、のダブルプレイ、さらにお薬手帳を提示して、普段利用している他の薬剤や栄養剤を調剤薬剤師さんにチェックしてもらえるトリプルプレイを加えること。本来は、これが出来れば一番良いのです。
お医者さんは薬剤師さん程にはお薬に詳しくない可能性はあります。
しかし、薬剤師さんはお医者さん程は病気に詳しくない可能性もあります。
ですから、今までの記録、他の薬を使ってみての患者さん自身の感触やアレルギー経験などを加えて、トリプルプレイで使用するのが、本当は一番いいんです。
薬は、体にとってはやはり異物ですから、慎重に使用するのに越したことはありません。
ただし。それはホントに理想論。
今は、どうしてもなかなかお医者さんに行けないヒトたちや、離島や僻地などの医療過疎地などの問題もクローズアップされています。そういう人たちにも、なんとか医療を届けることは出来ないか。
インターネットをうまく使い、適切な医療を届けるための方法論を、医療人(医師、薬剤師、看護師その他)の皆様だけではなく、行政も、そして医療を受ける患者たる市民自身も、みんなで考える。
その道筋を閉ざすようなことを、行政はしてはいけないと思いました。
たとえば、ちょっと強めの湿布薬があれば、少しでも早く腰を治して、また元気に働けるだろう……とか。そういった場合にインターネットで第1類の湿布薬が買えればきっと楽になれます。


ただ、もうひとつ、気がかりではあることがあります。
あまりインターネット薬局が広まってしまうと、地方の薬局が廃業したりすることになりかねないこと。
大店法がやらかしたような地方商業破壊、ショッピングモールの進出で商店街がなくなってしまったようなことが、薬局の世界で起こりかねない、そんな懸念です。
また、薬剤師の就職先の確保の問題もあります。
そういったことは、おそらくバランスの問題です。
過度になりすぎないような意味での規制も、時には必要かもしれません。
ただ、インターネットならではの情報力を生かした、地方での薬局ステーションのような物とか、新しい形での薬局、地域密着型でWebとリアルのハイブリッド薬局が出来る可能性もあります。
そういった雇用や商業の問題は、みんなで話し合っていけばいいかと……。完全に地方商業が破壊されて誰もいなくなるようなことが、日本では今まで何度も起こってきましたが、多くの原因は、バランスをとるように努力するべき立場の組織が機能しなかったり、話し合いもせずに強引な方法を取ったことだと思います。もう、そういったことは改めなければいけないでしょうが……話し合いもせずにいたずらに規制ありきにするのは問題です。
私は今回の判決を支持します。その上で、国民的な議論や、企業への要望をすればいいと思いました。