『おにいさまへ…』アニメ版

おにいさまへ… 1 (中公文庫 コミック版 い 1-43)

おにいさまへ… 1 (中公文庫 コミック版 い 1-43)

おにいさまへ… (2) (中公文庫―コミック版)

おにいさまへ… (2) (中公文庫―コミック版)

昔、漫画の方は読んだことがあるこの作品。かつてNHKでアニメ化されていて、それを今Gyao!で無料配信しています。

今、見られるのは最終回とその前の部分ですね。やっているのを知ったのが先週だったり……。
コミックの方を読んだことがあれば途中からでも大丈夫でした。
しかし、まあ、あの短い原作からよくも全39話にまで拡大した物です。たしか、アニメの1クールって13回くらいなので、3クール分。原作に無いエピソードを相当入れつつも、話の流れは原作に準じているようで。
絵柄が激重で、しっとりとした心理描写で、これは観る人を選ぶなあと思いましたが。わたしは結構好きだったかもしれないですが……でも、原作の方が正直、良かったと想いました。個々のエピソードではアニメにも良い所はあったのですが、まとまり感とテンポの良さ、心理描写の深み(薫の君が病気を奈々子に告げるシーンは原作の方が遥かに深い!!)やラストシーンの余韻など、やはり原作の方がいい。
それから主題歌とエンディングテーマももう少しなんとかならなかったのかなあと……。ちょっとイメージと違っていて。
アニメの方では、サン・ジュスト様の死をきっかけに絶望した薫の君が、宮様に彼女の分まで生きるように諭されて結婚とドイツへ行きを決めましたが。これって、よくよく考えてみるとサン・ジュスト様が事故死しなかったらそうはならなかったということにもなってしまっていて。漫画の方は絶望したのは同じですがそこから救ったのが武彦さんの愛情だというのがストレートなので、こっちの方がいいなあと。
それから、アニメの方は登場人物がぜんぜん高校生に見えなくて。全員20代にしか見えない!! 声も大人過ぎているせいもあるかもしれませんが。これも感情移入しにくい原因だったかも。頭の中で原作絵に変換しながら話を追っていくと入れましたが。
やっぱり、話を長引かせるためにいろいろしたのがかえって良くなかったのでは? 1クールでもっとテンポよくまとめた方がよかったのでは……?