偽作曲者事件の会見がありました

http://live.nicovideo.jp/watch/lv171589211
なんだかなあ……と。会見は2時間45分。1時間5分頃に、筆跡照合のために書き物をしていますが、その場面の様子を見ていると耳がかなり聴こえているのではと思いましたね。


それにしても。自分が迷惑をかけておいて(N氏は大学の職を失う事にもなっている訳で……署名運動で白紙撤回されたとも言われているけれど……)名誉毀損で訴えるっていうのは無いだろうと。恩を仇で返してますよ。ひどすぎる。ゴーストライター契約を反古にされたということと、事実ではないことを言っているからということなんでしょうけれども、正直、逆転裁判流に言えばサイバンチョの心証ゲージは最初から9割真っ赤状態なんじゃないかという気がします。


S氏の言い分が正しければですが、最初はシンセで曲を作ってNHKに楽曲提供、その後の依頼内容(というか作らねばならない作品の形)が難しいものになったため、プロを雇って書いてもらった、というようなことのようです。楽譜を読めなくても軽音楽の世界であれば作曲は出来るかと思いますが。クラシックの語法バリバリの曲は無理かと。


古典的な手法を活かし、現代と融合させた聴きやすい大曲がクラシック音楽界に必要ではないか、というような意味の指摘にはそれなりに意義があるとは思うのですが。それを実現させる方法があまりにもねじくれていたわけで。
だから最初からユニットとしてやっていればまだしもと。……あの作品群、今後どうなって行くのやら。


それと1曲、N氏が知らない作品について、自分の手で作曲して楽曲提供したということを言っていましたが……。仮にシンセ作曲にしろ、昔はともかくとして、今の耳の状態でできるものなのかとかなり疑問です。実は別の人に依頼していたり……なんて、ないか。どうでしょうねえ。


あとそれから、三善晃先生の死去に伴ってのN氏の公表だったのでは、というようなことを言ってましたね。文庫版で自伝が出たことでN氏がそれをたまたま読めた事と、ほぼ真実を言い当てていたあの新潮45の記事と、恩師の死去と、五輪と、あのバイオリニストの少女の問題と。タイミングが色々重なったという所でしょうか。


……なんでしょうなあ。
本人は髪を切ってサングラスも外して杖も使わないで。
それで何度も頭を下げていたのですが。
何に対してどう悪いと思っているのかとか、あれだけ長い時間の会見だった割には……伝わってくる物が無くて。
「これだけ謝れば叱られないだろう」っていう気持ちがあるというか、子どもがそのまま大きくなったような人だなあと(悪い意味で)。
この人には耳が聴こえる聴こえないの問題ではなく、『日本語』が伝わらないのだなあ、と。


多大な迷惑をかけてしまったことを謝るとか非を認めるときに、些細な反論はしてはいけないというか……できないでしょう、普通は。事実説明とか事実補足ならまだしも、反論というかそれで訴えるというのが。


で、こういう人にこそ、本当に反省する機会とかきっかけがあって欲しい、改心というか回心(キリスト教の用語ですが……たとえば宗教により悔い改めるという事もあると思うので)というかのきっかけが、何らかの形で起こって欲しいと思うのです。まあ、もう何度もあったとは思うんですけれども……。
なんというか、暗闇の中に光という言い方自体が尊大で、自分がえらいと思っている人間の言い方で、謙虚さなんか無いなと。ある人を見て、不幸な人だと思うので救いたいみたいな考え方、私は好きではありません。そんな幸不幸なんて他人に決められる訳が無いのに。
旧世紀版のエヴァンゲリオンにありましたな。雨の日は憂鬱とは限らない。雨の日だって良い事はある。
これ以上、訴訟沙汰でN氏に迷惑をかけずに、氏を音楽の世界に集中できるように配慮して欲しいものです。N氏の会見で、音楽を作っている時が幸せみたいなタイプだなあと思ったので。
少なくともそこがまずひとつの誠意になると思うのですけれど。なんか、N氏をコマのひとつくらいにしか感じていなさそうな感が……。そうじゃなかったら訴えるなんて発想自体が出てこないんじゃないかと。修正とか反論くらいならいいとしても。
彼を人として尊重していたら、絶対にあり得ない発想。
あの、実名を出してしまったのでカットしてくださいっていうのにしても、この会見がテレビ放送、ネットの放送(アーカイブで好きな時間に見られる)に流れているという事の意識がなかったわけで。こうした記者会見での発言は消去できないわけで。
それもこれも、自分が中心という発想の元でないとあり得ないなと。

それから、障がい者手帳は返したらしいんですが、認定基準とかいろいろ問題があるのかないのか。障害者年金をもらったにしろもらわなかったにしろ、手帳に付随するサービスはそれだけではありませんし。けっきょくそれは税金が元になるので。同種の詐欺の再発防止、とかいうと、本当に困っている方が手帳を取れなくなったりする事があり得そうですし難しい問題です。


なんというか、すべてがどこか「謝るから○○すればいいんだろ?」みたいな感じでした。ふてくされた子どもみたいというのが感想です。何度も頭は下げていましたけれども。


それと、不幸を背負った作曲家として売ったマスコミも反省して欲しいです。そういうことでないと曲が売れないというのは思い込みでしかないのでは、と。


なんか、N氏が辞職を申し出た理由が少し分かったような……。こういう種類の人間なら、何をしてくるか分からないから、母校でもある職場に今後に迷惑をかけたくないから、なのかもしれないなあと。
N氏のピアノ習得履歴を自分の事として自伝に書いた事を、共謀してやったことだとか言っていましたし(開いた口が塞がらなかったです)。
言葉遣いや態度は丁寧なようでいて、自分に不利な事となると牙をむくというか。これは怖い……。