音楽映画『マチネの終わりに』を見てきました

毎月1日は映画の日でチケットが安い。やっぱり音楽映画っていいなというのがあり、公開日でもある『マチネの終わりに』を週末の楽しみに観てきました。クラシックギタリストの男性とジャーナリストの女性の恋物語…出来るだけネタバレを控えめに書きます。
年代も作品ジャンルも全然違いますが、『スウィングガールズ』にしろ『ブラス!』にしろ、コンサートシーンが絡む音楽映画って、やっぱり映画館で一度は見ておきたいって思うんですよ。コンサートのお客気分になれるのですよね。音楽映画だとお話もコンサートも楽しめて2倍にお得です。あ、音楽コンサートってチケットが数千円はするので、3、4倍はおトクかもしれない。
で、ただでさえおトク感の強いこのジャンル、今作の主役、クラシックギタリストの蒔野さんはあの福山雅治氏。実のところ、彼のファンというわけじゃなかったんですが…いやぁ、演技がめちゃくちゃ色っぽいっていうんですか。元々、ミュージシャンだしジャンル的にも弦楽器としてのギターは分かるんでしょうけど、普段のジャンルと全然違うはずなので、エンドロールで驚きました。何曲かは彼自身がほんとうに弾いていらっしゃるようで。手タレさんとかじゃなかったんだなぁ。ますます、お得感が…(さっきからしつこい?)
ヒロイン、国際ジャーナリストの小峰さんの石田ゆり子氏もかっこいい女性って感じで、スクリーンを飛び出すような存在感。特にあのテロの最中のエレベーターのシーンは、こちらもハラハラしました。平和って、ほんとうにタダじゃないんですね。これらのシーンで思い出したのが、赤石路代先生のマンガ! 『P.A. プライベート・アクトレス』とか、『市長 遠山京香』などで描かれた、かっこいい闘う女性たち。
そんなオトナな彼と彼女が、ふとしたきっかけで出会い、惹かれあい…。
本作はある程度の社会的成功を掴んだあとの話でもあります。青春映画では、死に物狂いの努力で何かを達成するまで(甲子園で優勝してプロになる、など)がよくテーマになりますが、本作はそのずっとずっと先のことを描いています。ギタリストとして世界的に認められた…その先は? 国際的な取材もこなせるようになったし、フィアンセもいる…この先は? 
人生自体の燃え尽き症候群といいますか、誰も教えてくれない領域に入る怖さ。感性の合う誰かといたいというのは誰にも責められないでしょう。特に今作のシチュエーションは浮気っていうのとも少し違いますし…。
そういう時、仕事をちょっぴり休んでみるもよし。旅に出るもよし、かなと。
ただ、今作では、色々あってせっかく惹かれあえたのに、とある人が思わずしてしまったことをきっかけに、2人は大きくすれ違っていってしまいます。スマホやメール、動画での通話すらできるようになったのに、それでも恋愛にすれ違いってあるんですね。どうなってしまうのかは劇場で。
その劇場の雰囲気ですが、女性が多かったように思います。やはり女性ファンが多いのだそうな福山雅治氏なので…ですかね? しかし、本作は男性にも勧めたいです。目先の成功をおさめるだけが人生ではない、というのかな。色々、考えさせてくれるんじゃないかと。
ヒーローが世界を救うシンプルな作品も嫌いではないですが、こういう静かな感動も、また、よし。
映画って、ほんとうに良い物ですね!