正しい情報でもソースがないなら回さない

新型コロナウイルス関連で、これがコロナに効くとか、予防策とか、エタノールジェルの作り方、〇〇病院でコロナ発生だとか……回したがる人が出てきていると思います。
しかし、ソースがハッキリしていない、科学的エビデンスがない、そういった情報は、たとえ実は正しいことであっても、むやみに他人に回さないことが重要です。
情報って、発した最初の部分では正しくても、人づてに伝わるウチに往々にして変質してしまいます。
子どもの頃、レクリエーションで『伝言ゲーム』というのをやったことがある人なら何となく分かるかもしれません。
無責任に情報を回さない勇気は、回り回って自分を護ることにつながると思います。
こんなことを今さら書いたきっかけは、身内ですが、父親からのメール。
それは知り合いの知り合いの知り合いの…と、私の手元に届くまでに、おそらく最低でも5人くらいは介したと思われるもの。
内容は、とある誰でも知ってる有名な大学の医学部教授の見解(実名あり)と、称する、コロナ予防対策メールでした。
もともとの発端は本当にその教授だったのかもしれませんが、こうして意図しない人にまで出回ることは教授にご迷惑にならないでしょうか。また、こうして廻るうちに、余計な文言や編集が入り、最初の意図とはちがうものになってしまうかもしれません。それがちがっている、という立証は末端からは立てられません。
それよりも、こうした情報を誰かに回さなきゃ、という父の使命感の方が怖かったです。せっかく廻ってきたのだから、ということだと思いますし、本人に悪気が全くないからやっかいです。
正しい情報でもチェーンメールを回してはいけない。さまざまな情報事故のすえにできた、情報取り扱いのルール。これを納得してもらうのは、説明するのは初めてではありませんが、毎度大変なのです。
極端な話、内容がいくら正しくても、ソース(情報源)を受け手から検証しようがないN次情報は、情報として無価値なんですよ。内容とソースが揃ってやっと1本の情報として立つことができる。
学生時代、レポートを書くときに、引用に関しては出典元を併記しなければ、どんなに優れていても書き直し、だったのと同じことです。
日常の噂話程度ならともかく、ことは健康や医療に関することなので、ここはセンシティブにならざるを得ませんでした。
これ、分かっている人、どれ位いるんだろう。新型コロナ対策の引きこもり生活って、正しい情報が命綱なのになぁ。