ガイアの夜明け

オンライン授業がテーマだったので「ガイアの夜明け」を久しぶりに見ていました。
時々書いてますが、自分の本業は都内某大学のPCサポートなので、思いっきり業務が関連するので。
うちの大学のオンライン授業は、どうにかこうにか。元々大学内にあったWebサービスは普通の授業のフォロー役だったわけなんですが(Wordで書いたレポートを出したりとか…)今や大活躍。
流石に通信制大学みたいな先進的設備には敵わないでしょうが、あるものを生かし、足りないものは工夫で回しています。
この事態が、世の中にweb会議システムとスマートフォンが普及した時期でよかったと思っています。この2つがなかったら全然違うことになっていたはず。本学だけでなく、日本全国の大学で。
これは自論ですが、スマホは小さなパソコンです。ある意味、携帯できる電話ではないです。まあ電話もできますけど、みたいな感じです。
今の学生さんはスマホなら持っているので、とりあえずのガイダンスをスマホで聞いたり、スマホから通販で安いPCを買って、とかもできたわけで。スマホがなかったらそういう動線もつなぎようがなかった。4月の段階で、リアルなお店は営業していないってこともあったわけなので。
あと、レポートの必需品、Officeがオンラインで導入できる時代であるのもかなり大きかったです。昔みたいにメディアをお店で買って、とかやっていたら、それこそ大変なことになっていました。
で、そんな日々の思いを振り返りつつ、番組を見ていたわけです。
中国のオンライン授業の様子とか見ていましたが、やはり国で音頭とってガッてやらせられる分、強いって思いました。上に理解があると早い。それが自治体や国家の方針なら本当に強い。何年も前の古い端末でのテストを欠かさないというのは、やはりこういうジャンルの開発でのあるべき姿です。
番組にはありませんでしたが、日本の場合、教育委員会が止めている部分がかなりあるみたいで、全員に端末が揃わない限りオンライン授業に踏み切れない、みたいな話は、はてなブックマークあたりで何度か読みました。
番組の最後の方で最後に教育委員会の方が出ておられましたが、貸し出し端末の整備などは、おっしゃっていた今年度中ではなく、今学期中にやっておかないといけない話(それでも遅いと思う!)です。正直、見えている時間軸がちがう感じを受けました。コロナの第二波、第三波とかありうるわけですから。
教育委員会が二の足を踏んでいたら、教育に投資できたり、親がこの種のツールに理解があるようなご家庭と、全く対応できないご家庭との格差がもうどんどん広がる気がするんですけど。
あと、こういうツールが得意な先生と、苦手な先生の差もありそうですし。そういうのが得意な先生が担任のクラスと、そうでないクラスの格差とか。
それで気になるのは、以前、義務教育や高校に情報科目ができたときに、情報の先生が、自分の授業の準備だけではなく、学校のICTサポートセンター役までやらされている、というのを複数のソースで読みましたけど。こういう事態になるとますますそういうことになりそうで。せめてサポセン手当みたいなのは当然……ないんでしょうね。出来る人に負荷が集中するのは今に始まったことではないですけど。
大学でも小中学高校でも、先生がもっと教えたいことがあるのに、システムやリソースが追いついてなくて(番組でもサーバ負荷を超えてしまうのでテレビ会議的な授業を全コマではできない、というのがありましたが)。
そういう、お金やリソースを出せば何とでもなるようなところのフォローは、教育委員会なり、自治体、あるいは国なりががっちり攻めの前向きさで行って、現場の先生にはもっと学生たち、子供たち自身を見てもらう、本当はそうなればいいと思っています。たまたま新型コロナウイルスの年に小学生だったから貧乏くじ引いた、みたいになるのはホントにやめてほしい。生まれ年の巡り合わせでの不幸というか、ある種の就職氷河期みたいな思いは今の子供たちにして欲しくないですよ。
現場の先生方も、色々ともどかしいと思います。あれがあればいいのに、これが許可されればいいのに、みたいなのは、きっとどの先生にもおありでしょう!
正直、サポートする側としても。仕事の範疇では決して言えませんが、もどかしいお気持ちだけはめちゃくちゃわかるんですけど…ね。色々と色々と追いついてないです。元々が通信制大学ではなく、急に決まったオンライン授業という以上、仕方のない面は多々ありますが、やっぱり思う分には思ってしまいますね。
ともあれ、番組で他の大学や小学校などの様子を拝見できて、明日からの仕事に刺激になりました。それがいちばんの収穫かな。
いちばん大変なのは先生と学生さんです。
サポートする方は、粛々とやるべきことをやるだけ。
それから、日々の業務で授業のこと以外にこっそり思うのは、いずれ彼ら彼女らを新卒採用する側の企業様に、コロナ世代の受け皿と働き方をしっかり用意して欲しいな、とも思っています。我々就職氷河期世代が日本のインターネット黎明期と重なっていたにもかかわらず、企業側の人材活用についてはかなり限定的だったのと、今までにない苦境を経験させられている彼ら新型コロナ流行期世代の姿が重なって見えるんです。企業側にいろんな余裕がなく時代に追いついていなかっただけで見えない損失を出しまくった、あの時代の轍をもう踏まないでほしいものです。この国にそんな愚行をやれる余裕はもう無いですもの。