ファーレ立川で私は太陽を待った

ファーレ立川アートエリアに、夏至の日の正午にだけ『ある現象』が起きる面白い作品がある。
今年の夏至、2020年6月21日の立川は天候が曇りであるとの天気予報に急かされ、前日ではあるが行ってきた。少しばかり角度はずれるだろうが、1日違いくらいなら大きな問題ではなかろう。
その作品は、壁面のオブジェと、床面の車止めが対になっている。それぞれに『私は太陽を待つ』という言葉が彫られている。ただし、壁面のが日本語で、床面の車止めはカナダの原住民のアニシナベ語だ(作者のレベッカ・ベルモアさんはカナダの原住民のアニシナベ出身なのだそうだ)。
そして、夏至の日の正午に、床面の車止め(鏡になっている)に太陽光が当たって反射すると、ちょうど壁面の日本語のオブジェに当たるようになっている。いわば、カナダと日本の友好のような作品なのである。
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ただし、日本の夏至は梅雨時。この現象を見るのには運もいる。また、個人的には土日でないとなかなか来られない……。実際、去年は雨でダメだった。

さて、1日早い鑑賞であったが、せっかちな我々に太陽は果たして……微笑んでくれたのであった。
我々、と書いたのは、同様の目的の方々が何人か来られていたからだ。誰も募ってはいないのだが、やはり土曜日が夏至の前日で天候も悪くないということで。つくづく、良い作品が持つチカラを感じた。
正午近くになると、一時的にとはいえ雲に太陽が重なったりして、ちゃんと見られるかドキドキさせられた。
そして、今回は1日前ではあったが、ほぼほぼ定位置に太陽光が当たってるのを見られた!
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くどくどと書いているが、こんなのは何年かに一回だってことだ! 私はこの太陽を1年待った!
実際、オブジェに光が当たってるのに、オブジェ自身が発光しているようでもあり、実に感動的なひとときだった。
この状態になるのには、天候、そして日時=太陽の角度という条件が必要だ。
まさに宇宙的な奇跡だったのだ。
作品についてはこちら。今回の日記を書くのにも、非常に参考にさせていただいた。

*1:車止めに映り込んでいるのは近くにある街灯の柱だったかと。