ういろう売りのおばさん?

妙な夢を見た。
仕事場メンバーで合宿をしていたのだが、ある朝、東京に震災が起き、ニュースを見た後でその場で解散となってしまう。
荷物を勇んでまとめてそれぞれ同方向の人と帰るのだが、私はどうしても青いスニーカーをサブで持って帰らなくてはならないのに見つけられず、帰り道は他の人の靴を間違えて履いてしまっていた。ダンロップの黒スニーカー、履きやすかったが自分は使わないはず。
それはともかくとして集団帰宅。鉄道は止まっている。道は震災で崩れている。
鉄道が動くとかまでどこかで待つ方がいいかもとかいう話になり、そういえばこの辺りに知人の絵描きで自宅生産のういろう売りさんのアトリエの家があるはずだよね、ってなって。震災で心配もあってみんなで訪ねた。
夢の中の人物なのに、会った記憶がうっすらある…そのういろうさん、まだこの辺りに住んでいた。その家も無事で、立ち寄ると「いらっしゃい」。
「ご無沙汰しています」と自然に挨拶して、またういろうをご馳走になるところで目が覚めた。めざましも待たずに。
どなたなのかよく覚えてない。けど、絶対に会ったことがある確信が夢の中ではあったんだけど、起きたら曖昧。
大学の時に……うーん、会ったかなあ。ある社会人入学の先輩がイメージ近いけど……。あの人ではないし。
でも懐かしい人だし、会った気だけはある。ホント、誰なんだろな。
こんな妙な感覚に陥ったのは、最近、小説版の『裏世界ピクニック』を最初から読み直しているせいかもしれないけど。
アニメ版はとっくに終わったし。コミックス版は順調に連載中だけれど、肝心要の原作は。巻を重ねて大きな山を越えてひと段落……この先どうするのかな、というところでヤキモキして待っている感じだ。
主人公の女子大生の空魚(そらを)が昔会った『赤い人』が、もしかしたら今の自分が感じている『絵描きでういろう売りのおばさん』に近い感覚かも。
夢の中のような、でも確かに会った優しい人ってあたりが。
赤い人はとんでもないことをして空魚を宗教にかぶれた毒親一家から救ってくれたらしいのだが。
あのおばさんはそんなイメージはないんだけどね。お茶とういろうで歓待してくれる、一生に数度しか会わないけど懐かしいひと。
でも、夢の人物っぽいかなあ。家の場所、現実の人ならあった場所とかある程度はおぼえているものだけど。多摩エリアっぽいなぁとかしか記憶がない。
学生時代、クリスチャンの友人に連れられてカトリック教会を何度か訪ねたことはあって、その時にシスターたちとお話したり、お茶をご馳走になったりとかはあったんだけど。あのシスターさんたちとかも、イメージが少し違うしなぁ。そういえば、あの教会のことこそ現実にあったはずだけど、場所の記憶がちょっと曖昧……うーん。今度、あの時の友人に聞いてみるかなあ。
ともあれ、不思議な人ではあった。