青い監獄のサッカー

最近は、マガポケで上記作品の連載を楽しみにしている。
サッカー界に究極のフォワードを送り出すために生み出された育成システム『ブルーロック』。
高校生世代のフォワードの選手を300名選りすぐり、サッカー以外何もできない監獄のような場所に閉じ込めて、強制的に競い合わせている。
県大会決勝でサイドを走る友人にパスしたがために負けた潔選手を主人公に、世界一のエースストライカーを目指す闘いが描かれる。
先頃、アニメも始まった。ピッチ上での動きはやっぱりアニメだと大迫力だ。
自分には、この作品で溜飲を下げた部分がある。
本作で改めて気がつかされたのだが、『キャプテン翼』での日向くんの扱いに、自分の中で納得いかないものがあったのだ。
小中学生時代には、立ちはだかる敵をすべて吹き飛ばしてでもゴールを奪い去る強さがあった。
サバンナにいる全ての獲物を噛みちぎる虎のような、血まみれの王者の威光があった。
しかし、その後。
ワールドユースを目指す闘いの中で、ポストプレーを覚えさせられてしまった。
もちろん、味方のために身体を張るのは悪いことではない。
しかし、本来の日向くんなら、何がなんでも自分のゴール、自分のワイルドタイガーを撃ち放つ強さがあったはずで。誰かにパスしてよしとするのは彼らしくない。
ブルーロックでは、現代サッカー理論に基づきつつ、究極のエゴイスティックなサッカー選手を改めて求めようとしている。
この閉鎖環境下、短期間で潔選手は成長し、連載の最新号では、世界ナンバーツーのプロ選手とも渡り合っているほどの強さを身につけた。
しかしながら。
彼は具体的にどうしろこうしろとコーチされたわけではないのだ。
彼は、ブルーロックの監督者からのちょっとしたヒントを元にしつつも、仲間からの示唆もありながらも、結局のところは自分の力で貪欲に武器を求め続けた。
だが、それがもっとも正しい。
ピッチの上で振り回せる武器は、自分の身体と自分の発想だけだ。
仲間を信じることと、エゴイスティックに自分のゴールを目指すことはリンクできる。どこからでも、ゴールは目指せるんだから。
こんな熱いサッカー漫画は久しぶりだ。
現実にも、サッカー日本代表が決まったが。世界のゴールをぶち破ることはできるだろうか。