映画『ファンファーレ! ふたつの音』

世界的な指揮者のティボはある日、白血病で倒れてしまう。ドナー探しで分かったのは、自分が養子だったということで、なんとか生き別れた弟ジミーを見つけた。ティボは彼を説得してドナーになってもらい、一命を取り留める。弟ジミーもアマチュアながら音楽をやっており、炭鉱の吹奏楽団でトロンボーンを吹いていた。彼にはかなりの音楽的才能があることを見出したティボは、彼に指揮法を教えるなどのサポートを買って出る。
そんな折り、ついに炭鉱の工場が閉鎖されてしまい、楽団も事実上の解散状態に。彼らの音楽の行き着く先は?


人生はままならないことばかり。
でも、音楽があるさ。

なんかそんな映画だったと思います。雑にまとめてしまうと失礼かもしれませんけど。


さて、トロンボーン経験者としては、やっぱりジミーの演奏っぷりが気になってしょうがない。
ティボがドナー提供のお礼もあってジミーに贈ったのは、なんとクルトワのプロ御用達レベルのトロンボーン
そう、この映画はフランス映画でした。だからキングとかバック、ホルトン、ヤマハじゃないんですよ。お国の楽器でね。
実際、いい楽器ってそれだけで腕前が1級上がる感じありましたからねー。ある程度吹けるようになったら、それなりのものを持たないとね。
これを持ったらマジで音質が変わった。そういう描写がしっかりしていました。
だからこそ、ジミーは人生を賭けた無茶な挑戦をしてしまうのですが....。
ちなみに自分が使っているのは今はあまり日本では売っていないみたいですけど、ホルトンの当時30万円クラスの楽器。
クルトワはもっとしてましたが、今調べたら中古で60万円とか。新品のいいやつだと100万円以上。
トロンボーン通販 クルトワ・ヤマハ・バック【管楽器専門店 永江楽器】
まー、それくらいするよね! これでもトロンボーンはクラシックでプロを目指せる楽器ジャンルの中では安い方です。ホルンとかびっくりするほど高いですよ。
ジミー、かなり良い音をしていました。アマチュアであれだけ吹ける人もそういないくらいには。だからこそ、だったんですけどねー。

最後のコンサートのアンコールで思わぬ乱入をするシーンは、本当に感動的でした。勢いでサントラ買ってしまったくらいです。
こんなボレロ、そうそう聞けないだろうな。


ちなみに、ヨーロッパの炭鉱吹奏楽団というと、やっぱり『ブラス!』を思い出しますね。
昔見たのですが、まだはてなダイアリーをやっていなかった1997年に日本で公開された作品なので、日記には感想を書いていませんでした。
公式サイトとかも今更ないのですが、配信情報は下記の「映画.com」から探せます。

ヨーロッパの炭鉱吹奏楽団の実情に興味がある方はこちらの方が参考になるかも(古い映画ですが)。
おすすめです。


さて、「ファンファーレ!」の方の話ですが。
この作品、音楽で何か生産的に変わったか? というと、答えはノーかもしれません。
しかし、白血病をおして、あるいはままならない生活をおしてでも、音楽にはやる価値があると。
そういう人たちだっているんです。


なんか最近、音楽は地球を救うとか、人を救うとか、そういう系の作品ばっかり見ている気がしてきた。
シンフォギア」、「プリンセッション・オーケストラ」、「神椿市建設中。」、「ベートーヴェン捏造」、そして「ファンファーレ!」。
救われたがっているのは、自分かも???