『としまえん』閉園後のことを自分なりに拾ってみた

4連休がひと段落したが。
例の『としまえん』の閉園がいまだに残念で仕方がない。都内近郊の屋外遊戯施設や公園などに人が結構出ていたようなので、としまえんもひと仕事できたと思え、行楽地のニュースにため息をついている。正直、としまえんは閉園している場合ではないのではないか、とすら思った。コロナに比較的強い、貴重な屋外遊園地である。この事態だからこそ、できる仕事がたくさんあったはずなのだ。
ところで、としまえんといえば、FRIDAY digitalにて下記の報道があった。

としまえんの唐突な閉園の印象について語られ、またその後の工事について地元住民の皆様向けの説明会が行われたとのこと。ただ、記事からはどうもハッキリとしたことが分からないような印象を受けた。
とはいえ、東京都が絡む事業なので、こうしたことはある程度はパブリックな情報公開があるだろう。私が調べてみた範囲でまとめてみたい。
東京都の公園事業について話し合う公園審議会というのがあるようで、その資料や議事録はインターネットで見られるようになっている。
今年度の第1回目では、としまえん跡地にできる予定の『練馬城址公園』についても議題になっていたそうだ。

詳しくは上記の議事録や資料を確認していただきたいが、私がポイントと思ったのは下記である。引用ではなく自分の言葉での要約だが。

そして、今年こと令和2年の第2回の審議会でも、練馬城址公園について話し合われたらしい。

まだ議事録はないが、令和2年9月8日に実施されたとのことだ。
とりあえず資料を見てみると、どうやら30年後にできる予定の公園、つまりスタジオツアー閉鎖後の跡地を含んだ公園全体のイメージ図などが載っていた。
さて…。
正直なところ、お客様をおのずから選ぶであろうハリーポッター施設が、乳幼児から高齢者まで楽しめた*1としまえん』ほど人気を集めるとは私には思えない。としまえんが90年を超えたからって、同じ土地で3分の1でも続くだろうか。
また、下記にて、令和2年8月27日から周辺の地域に配られたという資料『としまえん関連施設解体工事ならびに土地利用計画について』の概要が掲載されていた。

上記によると、スタジオツアー施設の概要は、

  • 本体建物 建築面積約30,000㎡。高さ19m、2階建て
  • 立体駐車場(メイン・サブの2棟) 建築面積約8,000㎡。高さ14m、2階建て

とのこと。相当高く、相当広い。
また、令和2年度第1回公園審議会の資料では、本施設は練馬城址公園の一部に作られるという表現になっていたが、実際には今のとしまえんのプール以外のエリアの大半がスタジオツアーに当てられているという大きな矛盾がある。あの広さを一部と言い切ってしまうのは噴飯ものである。また、これだけの施設ができるなら、当然、道路なども相応に造られるはずで、実態としてはやはり一部ではなく、かなり大半となってしまうのではないだろうか。
この建設のために木々が伐採されたり、90年以上かけて育てられたさまざまな自然がなくなってしまう。この状況で水と緑の公園施設に生まれ変わると言えるのだろうか。
スタジオツアー建設に寄り道せず、最初から、第2回公園審議会の資料にあるような全面的な公園施設にするのではダメなのだろうか。
個人的には、上記の資料の公園設備に加えて、木馬の会事務局のあたりの古城や、井戸施設、カルーセル・エルドラドや、ハイドロポリス・流れるプール・波のプールを含めたプール施設などを残してほしいが!(緊急時には近隣の火災を消すための水源などにもなりそうであるし、単純にレジャープールは楽しいので)
それにしても、やはりとしまえんの閉園は唐突であったし、その後の流れも不透明すぎている。そして失ったものが多すぎる。
現場では着工しているのに、パブリックコメントが来年1月予定など、疑問に思わざるを得ないことも多いのだ。着工しているのは現施設の撤去だけなのだろうか? 例えば、既に木を切ったりはしていないのだろうか? 外からではわからない。
この先、東京都や西武鉄道、そしてワーナー社は、都民への説明責任を果たすことができるのであろうか? オープンな話し合いの機会を設けるべきではないだろうか?

*1:端的な例として、今年の夏、私の友人の娘さんが生まれて初めて浮き輪を付けて浮くことがこの地で成功したという事実を書き添えておきたい。また、あじさい園など、アトラクション以外のお散歩コースとしても年代問わず楽しめるようになっていた。同じことは、スタジオツアー施設にできるとはとてもとても思えない。