「ノー・ウォー美術家の集い横浜展'04」のレポート

先日終了した「ノー・ウォー美術家の集い横浜展'04」のレポートです。

139名が参加するかなり大型の反戦美術展でした。私達はグループ参加で、職場(情報系の大学)の先生と、そのご友人のデザイナーさんたちとで、計5名のグループでした。
作品構成はかなり話し合い、現代をまじめに風刺しながら、今の日本が危ない方向に進んでいるというメッセージを正面から伝えるものにしました。


正面から撮った全体が分かりやすい写真が手元に無かったので、2階から撮った写真です。かなりの大型展示だったのがお分かりになると思います。作品名は赤紙が来た日』です。

  • 写真が表示されないときは、説明文にあるリンクをクリックすると、新しいウインドウで写真のページに飛びます。申し訳ありませんが、そちらの写真をご覧下さい。

展示上からの構成写真
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作品構成は以下の通りでした。


フォトコラージュの写真

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  • 2枚の大型フォトコラージュ(約3メートル×1.2メートル)
    • 左が第二次大戦の象徴、右が現代戦の象徴

大判赤紙の写真

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  • 赤紙(B3サイズのパネル)
    • 戦時中の召集令状の本物をもとに現代風にデザインしたもの。宛名は創作キャラクター『小泉純二郎』氏。差し出し人は米国防総省司令部、という設定。召集側の運賃支払いルートは、国会議事堂前駅からワシントン駅(あるのか?)まで。旅費は4219ドル。到着地はワシントン第四十二部隊、召集部隊はイラク第九十九部隊。

赤紙のシステムのパネルの写真

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  • 赤紙のシステム(B3サイズのパネル)
    • 日本の戦時中の召集令状の配布システムを図示したもの。

ミサイルオブジェの写真

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  • ミサイル(Liitle Cowboy号)の上に乗った創作キャラクター『ジョウジ・プッシュ』氏(左)と『小泉純二郎』氏(右)の人形。(オブジェ)
    • ミサイルの形状は、広島型原爆を参考に。また、写真には写っていないが、彼らの機上でのセリフを書いたパネルも掲示した。赤紙で呼び出された『小泉純二郎』氏と呼び出した『ジョウジ・プッシュ』氏は、仲良く某国を狙ってミサイルで飛んで行ったつもりが、なぜか自分の国の上に飛んでしまって『ヘルプ・ミー』と叫ぶという内容。とある映画をもとネタにしている。また、『小泉純二郎』氏が持っている旗は、某国の旗よりも星が一個ずれた位置に描かれ、赤い丸印が星の中に加わっている。何を象徴しているかは……。ご想像にお任せします。

地図オブジェの写真

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  • 米国と日本だけの地図(オブジェ、幅&高さ80cm)
    • ミサイルがここを目指して飛んでいて、いまやまさに自爆に近い、の暗示。また、地図には憲法9条の解説も。
    • 9条解説文は子どもにも分かることを目指した。とくに「戦争をする権利を、国として永久に(これからずっと)持つことはできない」という下りを分かりやすく書いた。

iMacの写真

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  • 戦時中の様々な実物資料写真のスライドショーをiMacでエンドレス放送。(1回5分10秒)
    • 実際に当時のもの、当時の写真、スケッチなどを、縁あって、戦争を体験なさったご高齢の方々から御借りできました。本当にありがとうございました。

現代版召集令状の写真

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  • 現代版の召集令状の配布(B5、iMac下の机に)
    • 実際の召集令状をもとに、できる限り近い紙色を用い、文面は現代風。宛名は空欄で、来館者の方が記名できるようになっている。色上質紙の薄紙、赤を使用。全日程で500枚以上は配付された模様。



私が担当したのは、赤紙関係(現代版のデザイン、赤紙のシステムの調査)と、地図のデザイン、写真資料のスライドショー編集などでした。
調査するに従って、あのころは、本当に国全体が戦争に向かって突き進み、また、国民も、戦争に押し流されていった時代だったということが分かって来ました。そして、現代のゆがみも。詳しいことはまた書きますが、日本国憲法の9条は、普通に素直に読むと絶対に改正(改悪??)できない条文になっていましたし……。
ご覧頂いた皆様からは、ご好評を頂きました。多かったご意見が、「意図がストレートで分かりやすかった」とのことでした。作った甲斐がありました。
今回のために制作した、資料の一部は当サイトで配布しようと思っています。
その時に、詳しい感想はまた書きたいと思います。今回は取り急ぎ、写真報告まで。