近藤さんと梅田さんの対談を聞く。

上記論文の参考にするため、週刊はてな バックナンバーで放送中のPodcastingid:jkondoこと近藤さんとid:umedamochioこと梅田さんの本の出版記念対談)を聞いていました。司会はid:reikonこと近藤令子さんです。
以下、心に響いたことのメモ。
言葉はそのままではないです。あと、全部良かったんだけど、特にってことを自分の後学のためのメモとしてです。小見出しも便宜的なものです。書き間違いが沢山あると思うので、ちゃんとした言葉を聞きたい人は上記リンクから放送を聞いてください。声で聞くのが一番!!)

  • 15分ごろ:人に説明すること
    • 梅田さん「……自分がやってることをお父さんやお母さん、理解してくれない人に説明できるか?……」「……この本で説明していることをどうぞ盗んで、説明するときに使って欲しい……」
  • 18分ごろ:こちら側とあちら側
    • 近藤さん「……こちら側とあちら側の答えはあきらめ? どうなる?……」
    • 梅田さん「……橋はかけたいけれど、完全に融合はしないでしょう。……たとえ、新聞が全部ネットに掲載されても、新聞は売れるだろう……紙で受身の情報を得ることと、ネットの世界で能動的に情報を得ることは、同じ情報でも違う行為……」
    • 梅田さん「……この二つの世界は並列する……」
    • 近藤さん「……インタビューの音声ネット公開では売れ行きは落ちない……紙の閲覧性……」
  • 20分ごろ:長い時間をかけた変化
    • 梅田さん:「……まず世代、次は種類で分かれる……長い時間をかけてゆっくりと変化する……」
  • 25分ごろ:アドセンスからみえる言語大陸という感覚と、それを超えるためには?
    • 近藤さん:「……言葉が新しい世界の大陸になりつつある……日本語ではお小遣い程度のアドセンス……英語なら収入が多い……言語大陸……グーグルの言語の壁を越える取り組み……」
    • 梅田さん:「……これから映像などが流れていく、言葉がセカンダリー、イメージがプライマリーに……誰かが勉強して日本語アニメに英語の字幕をつけてくれれば、みんなが言語の壁をこえられる……」
    • 近藤さん:「……集合知のアプローチはブログのテキストも対応可能か?……人間の力は……ロボット検索対人力検索……」
    • 梅田さん:「……ネットの世界の向こうの人たちが凄い存在感……人が一人生きていることは、実は本当に凄いこと、その蓄積の凄さが表に出て、それをテクノロジーが……」
    • 近藤さん:「……言葉の壁がないとすると世界平和につながる……ブログでの交流に敵対的感情を持ちうるか……人間の翻訳で解決できるか……新しい方法はあるか……」
    • 梅田さん:「……全部を対象に翻訳は非現実的……何がしかの意味があるものを抽出し、それを翻訳する……いいテキストは翻訳があったりする……超えている部分は超える……自分の時間の制約……労力との……」
    • れいこんさん:「……外国の人とはてなキーワードでつなげれたらいい……」
  • 37分ごろ:梅田さんとはてなのなれそめ
    • れいこんさん:「……去年の3月28日に取締役に就任されて、そのときは社員7人……あれから1年で17人に増え……」
    • 梅田さん:「……ここにくる時間が一番楽しい……若くスピリッツのいい人たち……慌てて走っていく必要は、はてなの場合ないと思う……本当にやりたいコンシューマ的なことにシフトしたのが2005年だと……」
    • れいこんさん:「……シリコンバレーでいろいろとベンチャーに投資をしていて……はてなだけゆっくりでいいっていうのは?……」
    • 梅田さん:「……ベンチャーキャピタルには多分はてなのよさは分からないだろうと……じっくりじっくり良さが成長するプロセスにかかわりたい……」
    • れいこんさん:「……(近藤さんに)この時期……ベンチャーキャピタルの声を断っていたなかで、外部の方の参入を受けようと思ったのは?……」
    • 近藤さん:「……東京に行くと色々な人に会えて……会社を大きくするための人にも会えるだろうと……梅田さんにお会いして、どっかにこういう人がいないかなと思っていた人にようやく会えた……」
    • れいこんさん:「……はてなの今後にこうなって欲しいものは?……」
    • 梅田さん:「……成長はして欲しい……自己満足で組織がよどむのではなく……ある程度ビジネスはきちんとやる……成長は志向する……」
    • 近藤さん:「……僕もそう思いますね……」
  • 45分ごろ:予測市場はてなアイデア
    • 梅田さん「……僕が予測市場を近藤さんに勧めたら1週間か10日くらいではてなアイデアができた。これがすごい……ベンチャーキャピタルに言わせれば価値があるのか? といわれそうだが……そういう不思議なものを出していく……」
  • 47分ごろ:トライアンドエラー
    • れいこんさん:「……ユーザー振り回し?……」
    • 梅田さん:「……どんなものは最初は小さいし、沢山トライしないと成功するものは生まれない……」
    • 近藤さん:「……新しいアイデアを出したとき、全員が良いといったら僕は残念だしそれは駄目。それは他でやっている人がいる……」
  • 49分ごろ:ユーザーの質問:置き換えについて
    • れいこんさん:「……西小倉さんから質問が……(近藤さんと梅田さんへ質問 - パンデイロ惑星を説明する)……」
    • <<上記URLにこの部分のログがあります>>
    • 近藤さん:「……これは『こちらとあちら』にも似ている……」
    • 近藤さん:「……こないだNHKの人がきていて、ブログで就職活動……NHKの人は『就職活動の面接の対策をブログでする』みたいな話をしたかったみたいで……面接が苦手で就職が決まらない人が、ブログで面白いことを書いているから就職できたという話のほうが面白いっていったら分からなかったらしい……」
    • 梅田さん:「……(さきほどの質問のように)アナロジーで考えるのは面白い……置き換えというか、ネットの世界でしか起こりえない特徴を生かした新しい仕組み……」
    • れいこんさん:「……ネットの国っぽいものとしたらはてなでの豊かな生活、住みやすさはよくなっていくように私たちもサービスを良くしていきたい……」
    • 近藤さん:「……住みやすさは大きな問題になる……安全な社会のために、ルールがちゃんとしていて、悪いことをしたらきちんと罰せられるとかが、おそらくすみやすさにつながっていくんじゃないか……そういうことをないがしろにしない……」

感想など

質問をした西小倉さん、ありがとうございました。自分から言い出しておいていい質問が思いつかなかったのですが、素晴らしい質問でしたよ。ポッドキャストで近藤さんが指摘した「言語大陸」みたいな概念もありうるし、この質問にある「はてな国」みたいなことも考えられる。Webの世界には実は「国家」ではないにせよ「ネットの中の国」みたいなものはあるし、これからそうなっていくことは色々あると思います。


それから、そもそもこのメモを作ろうと思ったきっかけは、15分ごろで梅田さんがおっしゃっていた「ネットの世界で起こっていることを、非ネットユーザに説明すること」は、今、まさに、自分も論文でしようと思っていることだったからです。(自分がこれだけタイピング早かったのに改めて驚いてみたりもしましたが)
昨日、うちの仕事場の学校*1の先生方に論文タイトルのご相談をしたら、どなたもWeb2.0のことをご存知なくってびっくりしました。ネットがご専門というわけの方にお聞きしたわけじゃなかったのですが、それにしても、やっぱりこういう学び舎でもデジタルデバイドはありうるのかなあと……。
なぜあるのかが未だ良く分かっていないけれど、差があるのはもったいないです。この世界には人間味にあふれた人たちが沢山いる。そういう人たちの学びのために、Webでこれからできることを、自分なりに伝えたいという気持ちが、改めて高くなりました。Webは生涯学習に役に立つはずです。


今日、論文の参考にするためにも「梅田本」を帰りに買ってきます。5週間の入魂ぶりをしっかり読ませていただきます。

*1:都内の情報系な短期大学部