Macでe-Tax。その盲点とは。

3月15日は確定申告の締め切り日。
ということで、ようやくいろいろとひと段落したので、つらつらとMacでの確定申告について問題点などを振り返ってみようと思う。


国税電子申告・納税システムこと「e-Tax」。イータックス。
住基カード用のカードリーダーは当初はMacで使えるものが無かったし「公的認証サービスクライアントソフト」もWindowsオンリーだったが。
昨今はMacに対応するようになってきたようだ。ようやく当然の環境になってきた気がする。アートクリエーターの利用が多いMacでは、e-Taxの恩恵を大きく感じる個人事業主も多かろう。
国税庁のサイトには動画によるe-Taxの説明などもアップされているので非常に分かりやすかった。というより、この説明が無かったらたぶん出来なかったと思う。


さて、カードリーダーは今回はNTTコミュニケーションズの「SCR3310」を使用した。動作には特に問題がなかった。

接触型なのでSuicaPasmoには対応しない。
そもそも、Macに完全対応(SuicaPasmoのチャージ機能までの対応)している非接触型カードリーダーがまだ商品化されていないようなのだ。
MacはOSのデキは最高だが、対応するソフトウェアやハードウェアが少ない。シェアの狭さ故の宿命ではあるが、周辺機器メーカーには頑張って欲しいと思う。


ところで、Macに限ったことではないが、e-Taxで盲点になることがある。
それは、住基カードは10年間有効だが、ICチップにインストールされている電子証明は3年間しか有効期間がないことだ。この点について住基カードの裏面の諸注意事項に表記されていれば良いのだが、まったく書かれていなかった。確かに手続きをした時には言われているのではあるが……。
総務省の住民基本台帳カード総合情報サイトにも、トップページにそういったことの表記は無い。この時期だけでも表示しておくべきだと思う。住基のカードを取得するニーズが特に高まる時期なのだから。
国税庁の【e−Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)のトップページには「おしらせ」として一応表示されている。
今年、e-Taxを目当てに住基カードを取得したヒトは、3年間は大丈夫だが4年後に慌てないようにしたいものだ。それにしても、なぜ3年間なのだろう。住基カード自体の有効期限と同じ10年にしてしまうと、問題があるのだろうか?


それからもうひとつ。Macだけに分かりにくいこと。
e-Taxの作業中に「キーチェーンのパスワードを入力してください」と表示されることがある。
「キーチェーンのロック解除:Safariはキーチェーン“JPKI-card#2”を使用する必要があります」
ここで入力するべきは、住基カードの電子証明のパスワードである。最大16桁の大文字アルファベット+数字で設定したものだ。あくまでも大文字なので、CapsLockを使おう。
それから、Macの管理者パスワードや、キーチェーンのパスワードなどを入れてはならない。キーチェーンだからとついついそのようなものを入力してしまいがちではあるが。
住基カードのICチップは、誤ったパスワードを何度も入れてしまうとロックがかかってしまうのだ。そうすると市区町村の役所窓口で書類を書いて、ロック解除をしなくてはならないのである。ちなみに、その際には住基カードを作成したときに設定した4桁の暗証番号も必要になる。これも忘れてしまった場合、ICチップを初期化することになるので、また書類を書かなくてはならない。


最後にもうひとつ。カードリーダー「SCR3310」は動作中にLEDが点灯するタイプだ。しかし、だからこそ作業終了後にUSBを抜いて良いのかどうか判断がつかなかったのだ。取扱説明書にも説明がない。念のためにMacをシステム終了(電源オフ)してからカードリーダーを外したが、実のところはどうなのだろうか。


とはいえ、作業自体は確定申告書を手作業で書くよりもはるかに楽ではあった。住基ネットe-Taxなど、電子政府にはまだまだ問題もあるとは思うが、セキュリティやデジタルデバイドなどを解決できればかなり便利だと思う。
ただし、まったく全面的に確定申告=e-Taxとなってしまうのも問題ではあろう。
利用条件が合い、出来るヒトであればやればいいし、手書きの方がよければそちらで良いだろうと思う。