ウイルスには、桜は関係ない

いろんな施設が再開したこの連休。桜も咲き、公園にも人が集まったようです。
どうやら例の三つの条件(密集、密閉、密接)を満たさないようにすれば再開できると判断された様子ですが……。
それでは、そこそこ広く、散歩道が整備された公園での桜散策を想像してみましょう。
時節柄、敷物を敷いてのお花見は禁止です。
しかし、公園のそばにコンビニがありました。
持ち歩けるドリンクとかホットドックなどを買って、つまみながらの散策をしたくなりませんか?
そうして食べる前に、石鹸と流水でしっかり手を洗うタイミング。屋外散策であり得たでしょうか。公園のトイレに液体石けんの設備まであり、定期的にメンテナンスされているかどうかは不確定です。
持参するにしても、エタノール系のウェットティッシュエタノールスプレーが手に入らない昨今です。非エタノールのウェットティッシュでちょちょっと拭いたり、最悪、シャツの裾で手を拭いてごまかしたりなりかねません。
また、食べたり飲んだりしている間に、公園の柵やベンチの手すりを絶対に触らないって断言できますか? こうした物は、電車のつり革と同じように、不特定多数のヒトが素手で触っているはずです。また細やかな消毒もなかなか行き届かないでしょう。

新型コロナウイルスは桜が咲いたからって手を緩めてくれるような人情派ではないと思うのです。
似た症状の季節性インフルエンザが暖かくなると発生しにくくなるからって、新型コロナウイルスも同じような特性を持っているかはまだまだわかりません。いつ終息するか、専門家であればあるほど、はっきり言い切るのは難しいでしょう。海外から持ち込まれる危険もあります。
このところの抑圧感で疲れ切ってしまったのは分かります。
しかし、人間は、自分だけは安全だと思いたい生き物です。そうして油断した人には、あのウイルスは遠慮なく牙を突き立てて来るかもしれません。
正直、今年の桜見物は諦めた方が良いと思います。
こんな病気、自分が罹患するのはもちろん、他人にも移したくないものですよね。みんなで来年まで生き延びる方が、はるかに大事です。