Apple Vision Proという魔の入口

AppleさんのWWDCの基調講演で最後の最後に恒例のワン・モア・シング。
今回のおまけ、というより、超目玉製品や技術を公開することが多いのですが。
仮想現実というか、拡張現実というか、もうひとつの視覚を体験できるデバイスが色々出てきていますが…体験談を読むにつけ、Appleさんが本気で作ったらこうなった、という感がありあり。
多くのデバイスは、仮想空間での体験に全力を傾けてしまうのに、Appleさんはそれだけでなく。
現実世界の人に声をかけられた時にどうやったら自然に対応できるかまで考えて作っているようで。この視点はあまりなかったと思います。仮想空間は仮想空間で閉じちゃったらダメなんですね。実際の使われ方を考えたら、人は仮想空間にいるわけじゃないんだし。
この代物は、仮想空間の入口を開くアイテムであって、その中で何をするかは人次第。そして、人は現実世界にもいる。そこを忘れちゃいけない。
この点、仮想世界でドラッグの様に酔わされて戻って来られなくなる、ということはなさそうに思えました。
結局、Appleさんはフィールドは作れるけどそこでどうするかはユーザー次第なので。
で。何十年かして、この種のデバイススマホの様に割と一般的になったとして。ウイルスとかクラッキングのトラブルも出てくるだろうなーと。今でいうフィッシング詐欺とかの仮想空間版。偽空間に誘き出してもっと痛い目に遭わされる様なやつ。ただでさえ今のフィッシング詐欺やサポート詐欺は心理的に追い詰められるのに、もっとえらい目に遭わされそう。
私の様なICTサポート屋の仕事も変わるかもしれないです。それこそ、体験が立体的になる分、ICTの知識だけではなく、心理学的な知識や見識が必要になるかもしれない。
ともあれ、これは単なるデジタルガジェットのワクに収まらんな、と。
まだまだ高嶺の花ですし、もちろんそれはAppleさんも織り込み済みで、長い商売になると考えていると思いますが。
インターネットが商業解禁されたのが1990年代の終わり頃。
それから四半世紀強でここまできましたから。ネットの世界が単なるホームページとかだけではなく、とんでもなく広いフィールドだったと広く知れ渡るまで。今はポケットの中のデバイスで世界に映像で連絡が取れる時代。
それに。多少高くなろうがなんだろうが、ともかくある程度量産できる範囲で最強のデバイスを世界に提案して風穴を開けて、安くするのは後でいいっていうチカラワザ。今の日本でやろうとする企業が思いつかなくて。相当自信がないとこんなことできないと思いました。
このデバイスが高値すぎてAppleの株価は少し下がったと言いますが、これからこれから。
ちなみに、ニンテンドーさんはこういうのは作らないんでしょうかねえ。スプラトゥーン3をやっていると密集戦で時々スローになることがあって、Switchのハードウェア的な限界を感じざるを得ないことも増えたのですが。
マリオとかこういうのでやれたら楽しそうですけどもね。