早く起きすぎる

2月が始まった。きちんと朝は定時に起きてだらだらしないようにしないと、大学勤務である=2月は入試シーズン、というこの出勤日数の連続は乗り切れないだろう。
というわけで、昨日は大音量目覚ましを買ってきたり、早起きを前向きに考えられるようなポスターを家の中に掲示して、いろいろ自分にプレッシャーをかけまくっていたら。
朝4時起きしてしまった……。変な夢を見ていた気がする。そして、布団の中で悩みごとをしていて頭が痛く気分も悪くなり、二度寝もできなかった。
そのまま起きていて、今朝は始業の40分近く前に仕事場へ着いてしまった。まあ、雪で電車が止まらないかどうかの用心もあったのだけれど。15分前に着いていれば十分過ぎるくらいなのだが。


実は自分の場合、早く起きすぎて眠れないことが本当に多い。医学的には早朝覚醒というらしい。
平日でも休日でも、他人から見たらたぶん大したことがないと思われるようなことでいちいち悩み、考え込み、早めに床に就いても悪い夢を見たりして、結局数時間程度しか、しかもかなり浅くしか眠れていない。12時に寝て2時に起きてそのまま朝まで起きっ放しだとかは結構あったりする。家の付近で道路工事をしているために眠れない日もある(音は耳栓でどうにでもなるけれど、強い振動や大型機械の気配を感じると眠れない*1)。


そっち系のお医者さんには定期的にかかっているので、また相談はしようと思っている。だが、お医者さんにアドバイスと薬剤処方をしていただいても、患者を回復させることはできない。
回復するのは自分の仕事、ただ手伝っていただくだけの話だ。これは自分がPCサポーターだから実感として分かる。初心者の皆さんに情報提供はするけれど、勉強して理解するのは学生さんの個々人しだい。こちらとしては手をさしのべたり見守ったりするしかないんだ、ということだ。


臨床心理士精神科医の違いは分かっている。まあ、松岡圭祐さんの『千里眼』シリーズの受け売りに多少毛が生えた程度ではあるけれど(心理系の一般人向け解説書は高校時代から何冊か読んでいるので)。
ただ……、臨床心理士って……保険治療外。これはかなり大きい。相場も調べてみて諦めが入った。


精神科の処方薬は普通の内科等に比べたら実際、高いし、専門療法の保険点数もあるし、医療費と給与のバランスを考えると、これ以上はちょっと厳しい領域に入ってくる。本当は薬なんか飲みたくないし。飲んだ当初の反射作用(めまいやふらつき)を思い出すと、どれだけ不自然な物質を体に入れているのかが分かる。この薬のメカニズムや、厳しい臨床試験を経ていて安全な薬であることは分かっているけれど、本能的には怖い物質だと感じて仕方がない。


風邪を引いて自分で治せなかったら耳鼻咽喉科に行くように。心の不調を自分で治せなかったら精神科(心療内科)だっていうのも分かっている。睡眠異常とか、コントロール不能な内向きのプレッシャーとか。
そして、自己管理、自分だけでどうにかしろということも。自己責任で何とかしろ。ちゃんとできなかったら自分が悪いということも重々承知している。これ以上失敗は許されない。


早朝覚醒で早起きしすぎて、家を出発する時刻前になると、変なプレッシャーで着替えたり準備したりに異常に手間を取ってしまい、かえってぎりぎりに出勤してしまう。目覚まし時計で起きられないんじゃなくて、目覚まし時計の1時間とか2時間前に起きてしまって、そのまま布団の中で起きていたりする。朝ご飯を食べているときに自分で目覚ましを止めに行くこともよくあるくらいで。


自分のことだから自分で何とかしないと。でも、どこまで努力すれば自分で自分を許せるんだろう? 何を達成すればよいのだろう? 常時、責め立てているから眠れない。眠れていないから失敗をする。全部分かっている。
悪循環を断ち切るにはどうすればいい。


お医者さんにはリラックスすればいいんだとか、言われたりするけれど。それを自分に許すことができない。
できるくらいならやっている。だいたい、基本的には自分で自分の存在を許容していないから、何かで成功しても喜べないところがあって。自分の部屋にいても内省的になりすぎて何もできなくなっている。


こんな自分だけれど。将来もパソコンで人助けができるようなことをしたいと思っている。


解説情報として、いろいろと使い方を文章に書いたり映像化したりして提供していても、分からない人にはマンツーマンで対応しないといけない部分があるのを、大学1年生のころから痛感している。学生時代、情報科目の課題は自分のを後回しにせざるを得なかった。頼まれて友達のを手伝ってばかりいたから、自分のに時間をかけることができなくなり、場合によってはぎりぎりで単位をもらったり提出できなかったりしていた。本当は自分のワークフローを自分で守りながらサポートをしなければならなかったはず。当時はそれがぜんぜん分かっていなかったのだ。


ただ、初心者にとってのパソコンという存在の厄介さ。
それが分かるから、自分はデジタルデバイドを放っておけないのだ。


PC環境が限られていて、ある程度質問が予想できる大学内ならいざ知らず。一般サポーターとしてお役に立つことが、こんな弱気な自分にできるのだろうか? 失敗も怖いけれど、それ以上に、内圧に加えて外圧でおかしくなる気がして。
大学では学生さんが素直に感謝してくれるけれど、一般のサポーターは基本的に顧客から罵声叱責を浴びせられるということも頭では分かっている。それが当たり前だ。つながらない電話、分からない説明、高いお金を出して購入した自分のものなのに言うことを聞いてくれない、理解できない代物。直ってくれなくちゃ明日の仕事に、就職活動に支障が出る。イライラはサポーター窓口にぶつけられる。商品開発が怠慢だとかも。パソコンという商品特性として、パソコンハードの販売企業が悪いというよりは、マイクロソフト社が悪いようなことも、一般的にはそんな区別なんて付かないから(付くくらいなら問い合わせずに自分で調べるだろう)、罵声叱責。それで当たり前なのが現状だ。ユーザの使い方がパソコンの処理能力を超えていたり設計想定外だとしても、ご自分が悪いとは思わない。それで当然だと思う。そういうことを客観視できるような人はサポートにそうは頼らないだろうから。そして、サポート業界の流れとして、商品を低価格にする代わりにサポートを有料にする流れができている。有料だからこそ、完璧に懇切丁寧にしなくてはならない。有料だからどんな苦情、クレームにも耳を傾けなくてはならない。当然。それが仕事。PC業界は不況だ。サポーターが心理カウンセリングを受けるような費用まで折半してくれる企業はそうはないだろう。たぶん、サポート部門は社全体からしたら、あまり重視されていないだろうから。家電なら説明書で事足りることが、パソコンはそうはいかないのに。経営サイドからしたら、商品開発部など収益につながる部門と異なり、サポート部門を削るのは経営のスリム化につながる*2と思うだろう。今の日本の企業なら。だからサポート部門の実働部隊は派遣が多く、正社員が極端に少ない。本当はサポート部門に来た苦情情報は新商品開発への宝の山、ヒントだらけだと思うのだが。


……また眠れなくなりそうな、気が、する……。

*1:脱線するけれど、昨今のニュースを見るにつけ、沖縄みたいに、基地のある町ではさぞかし大変だろうと思ってしまう。自分だったら道路工事どころではないような……戦争の道具が空を舞うような……町に住むことになったとき、夜、眠れるだろうか?

*2:DELL社の電話サポート部門が、中国へ移転して、サポートのクオリティが大幅に下がった一件は、端的に経営者のサポートに対する考え方を示していると思う。ただでさえ何がどうなっているか電話越しには伝えにくい仕事なのに、人件費が惜しいから、と、安易な移転でかえって日本語が伝わるかどうかという大きなリスクを増やしてしまった。それまではDELLのサポートセンターは業界随一だったのだが。