「First Class」(女子美術大学芸術学部メディアアート学科学外卒業制作展)

みなと横浜は赤レンガ倉庫に、女子美メディアアート学科の卒業制作展を見に行ってきました。明日(23日)まで開催しています。(11:00から19:00、ただし光を使ったインタラクティブアート関係の展示室は18:00まで)詳しくは以下のページで。

「First Class」(女子美術大学芸術学部メディアアート学科学外卒業制作展)

夜景がやけ〜にきれいな(失礼^^;)今晩、実際都心よりも月も星も美しく。
みなと横浜は汽笛も鳴り響き、次代のアート界を担う若者たちの門出にふさわしい趣で……って本題に入れって?
でも、本当に夜景も空もきれいでしたよ、ほんとに!


赤レンガ倉庫ってそもそも展覧会場として使えたんだというのも知らなかったのですが、(というか、今回初めて行ったし)会場の雰囲気にとても似合った展覧会でした。
エントランス含めて4ルームあって、出展組数は42組。仕事の後だったので時間がなくて映像作品は全く見られなかったのですが(すごく残念!)立体インスタレーションからアニメーション、タイポグラフィックにイラストレーション、グッズデザイン、プロダクトデザイン等々、幅広いジャンルで意欲的な作品が見られました。


そういえば、女子美術大学芸術学部メディアアート学科はこれが初めての卒業生を出すことになり、いろいろと試みたことが日々の授業などでもあったのでしょう。じつは今回の卒業生に知り合いがいて、それで見に来たのですが、ノージャンル的なこういう雰囲気は大好きですね。


こういう場所ではインタラクティブ性の強い作品が大好きなので、そこから何点かピックアップして感想を書いてみます。


もっとも意表を突かれた作品は、菅綾子さんの「便機」という作品。デュシャンの泉、じゃないですが、和式トイレを作品にしたものです。水洗レバーを押すと、便器内に映像が流れる仕組み。普通だったら後ろの下から水が出ますが、水の代わりにプロジェクターの光が入るようになっています。これはヤラレタ。トイレもスクリーンになる……。


もっとも趣深い作品は、磯山 徳沙さんの「〜水鏡〜」でした。すりガラスを使った実に日本的な美を感じる作品。すりガラスの下からさまざまな色の光が当たり、上からはプロジェクターからの映像が映ります。映像は水面の動きを模した動画にさまざまなテキストが一瞬だけ写って流れて行きます。人が近寄ると、センサーが反応して照明を揺らせて下から当たっている光が揺らぐようになっていました。ここで面白いのが、すりガラスというメディアですね。普通のガラスなら、光を完全に透過するか反射するかしかないんですが、すりガラスはその中間のような働きをして、映像を映したり、下からの光と合成できたりする。これはまず素材の勝利かと。すりガラスと光の関係は、まだまだいろいろなことができそうな気がします。


もっとも体感的な作品は、篠坂 あけみさんの「shell」というもの。人が十分寝られるような、白いバスタブ状のモノに沢山のビニールボールが入っています。それが二つあり、中に一人ずつ入って寝返りを打ったり動いたりすると、お互いへお互いの動きを伝えて床面が動く。ビニールボールの下に動きをキャッチするセンサーと動力が入っていて、片方が動いたところをもう片方に伝えて下から持ち上げるようになっていました。例えば足でボールを床方向に押し付けると、もう一方の足下が持ち上がる、と言った感じ。これはカップル向きですね。ボールに寝転がるのが気持ち良く、また、どこが持ち上がってくるのか分からないのが面白かったです。


他にもいろいろと面白いものがありました。横浜、みなとみらい線馬車道駅あたりが近い方は、明日赤レンガ倉庫にちょっと立ち寄ってこられては? なお、ここでご紹介した3作品は、18:00までしか見られないようなのでご注意ください。
また、女子美術大学全体の卒業作品展は来月あります。今回の展覧会はメディアアート学科の有志ということのようです。

2004 卒業制作展
<会場> 大学(芸術学部):相模原キャンパス
短期大学部:杉並キャンパス
平成17年3月13日(日)〜15日(火) 10:00〜16:00

交通その他は女子美術大学サイトで。
http://www.joshibi.ac.jp/news/index.html