赤の神紋 第10章

表現に関する作品は好きです。*1だからガラスの仮面も、赤の神紋も、大切な作品です。

演劇に対する闘いは、両作品とも熱い! いずれ、両方の感想もきちんと書きたいですが、今日は、「赤の神紋」の最新刊感想をちょっと自分的メモ。

再読して、主人公の連城には、自らがあらわしたい世界の先を行く体現者、とも言えなくはない人物が、榛原以外に二人いる、作者は彼のために3人も用意したのではないかと思えてきました。来宮ワタルと鈴木飛鳥です。この章では、本筋のライバル対決以外に、ここを読み落としてはいけないと感じました。
そこから読み出されるものは、鏡のようにも思える彼らに映る「自分」はやはり他人であって、本当の連城作品は内から発するものではないかと。
彼がこの先、どこに達するか分かりませんが、実は本当の連城には榛原作品ですら毒性の強い蜃気楼ではないか、という気がしました。三人に克ち、彼の殻が完全に破られるのは読者として愉しみとも言えます。
さて、後書きによれば、はっきりは書かれていませんが、初代の青い薔薇たる「彼」が、蛍と会う展開が予想されます。
次刊が待ち遠しい。

*1:だから炎の蜃気楼は読んでいません。