トロンボーンが好きなわけ

……恐ろしく単純な楽器だからかな。
駆動系って言えそうなのはスライドだけだし。
音程も音色もごまかしが効かない楽器で、吹き手の個性がモロに出る。あまりにも、シンプルだからこそ。あったかい。
あと、変なヤツだからな、トロンボーンは。オケの標準メンバーになってる位メジャーなクセに、ひとつだけスライド楽器。
そんな、個性的過ぎる構造なのに。
つまり、それは純正律に強い構造でもあり。
四人集まれば、倍音も狙えるくらいに完ぺきなハーモニーを創ることができる。
和で他の楽器を助けてあげることも、一本立ちしたソロも。
両方の仕事ができるから。
愛なんだろう。
トロンボーンは、きっと、人を愛する気持ちで出来ている楽器なんだろう。
そんなあいつに、何度も助けられた。
就職口を失ったあの年。
トロンボーン吹奏楽が、生きるキッカケを与えてくれた。
マイ ファースト 自由演奏会で。
今だって寄る辺なき不安定な立場。
でも、どんなに盤石に見える生活基盤を得ても、大災害などがあれば、壊れてしまう。
大局から見れば、みんな同じ星に乗っかっているだけだ。
リスク管理上の差異でしかない。
それなら、自分を失わない生き方を得るために、手放してはいけないものを持っているべきだろう。
だって、その方が。私が楽しい。


みんなのまことのさいわいのためならば、ボクなんか十ぺん焼かれても構わない……?


そんな、献身的な覚悟なんかは出来ない。
でも、サポーターとして役に立ちたいし。
作品ももっと創ったり吹いたりしたい。
MacBookを使って出来ること、やりたいこと!
トロンボーン吹きでいたいんだ。
楽器を吹く人という意味じゃなくて。
本質的に不器用なのに人のためには万能にもなれちゃう、アイツに、なりたいんだ。
どうしようもなく、切ない。
だが、泣いても始まらんのだよ。
今は行動を!
iPhoneから送信