『AKB0048』という、変わり種のとあるアニメ作品について

しばらく日記を書いていないで何をしていたかというと……。
まあ、こっそりしていました。生存していて、シゴトもしていて。
ただ、日記を書く、という気になかなかなれなかったんです……。



こっそりしている間に、2012年度が終わり。
実はひそかにハマっていたとあるアニメ作品が終わり。
エイプリルフールが終わり。
4月も上旬が終わり。



で、その、上の段落の2行目。
それが『AKB0048』という、SFアイドルアニメ。
今時、自分がアニメにハマるとはま〜ったく思ってなかった。
ですが、今時あまりにも熱血ストレート過ぎるストーリーと、華麗なCGやダンスの動き、そして、現実のアイドル、つまりAKB48とリンクするという時代性。
CGに興味があり、少ないながらも資格や指導経験がある私には、ダンスや背景のCGが非常に興味深い、ということもあって。


声優さんを9人、現役AKBグループから選抜。プロの声優さんと一緒に演技し。声優としてどんどんうまくなって行く過程が声だけで分かるという。
新人声優さんを迎える作品はいくつも例がありますが、声優としての成長すらも番組の面白さに取り込んだ作品はあまり例がないんじゃないかなと。


2月にあった、その声優選抜さんたちのファーストライブで、初めてアイドルの生のライブを見ました。
すごかった。あの熱気は何なのだろう。カオスそのものです。


声の演技ってすごいです。本気の本気で「ここは宇宙空間です」と言えば、聴く人の目の前が宇宙になる。
歌も同じ。生の歌には、世界を変える力がある。
ビートルズがどれだけ世界を動かしたか。
美空ひばりさんが、どれだけ人の心を支えてくれたか。


まして、本作の場合、アイドルを志望する研究生の役を、かつて研究生だった現役アイドルが担当しているので、真に迫っていますし。
厳しいセレクションを経てきているので、全員それなりに素質がありました。その素質を現場で磨き、シーズン1の中盤からは本当に聴かせるようになっていました。
プロではないからこその体当たりの演技があり。例えば、シーズン1の終盤、とあるキャラクターは精神的ショックから失声症にかかり、歌手としてアイドルとしても危機に陥るのですが。そのシーンの演技では自分で思いついて首を絞めながらやったとか。
たぶん、『ガラスの仮面』が好きな人は、このアニメも好きになるんじゃないかなあ。なんか空気が似ている漫画があったなあ……と思ったら、ガラスの仮面ですよ! あの熱さ、表現に懸ける生き方の描写が好きな人なら、一度見てみて欲しい作品です。
ちなみに、Gyao!で1期の第1話を無料で配信しています。
→こちらから。


これからの日本、コンテンツ産業は重要な輸出品。
そして、良質なコンテンツはファンが育てるもの。
若きアイドルたちが、あの『マクロス』スタッフとガチで組んで、2クールのアニメを実現させる、というビッグプロジェクトに果敢に挑戦した、ライブの記録がここにある。


ストーリーは、近未来、宇宙に人類が進出したころ、とある鉱山の星から始まります。
サマースクールでたまたまこの星を訪れた少女は、3人組の少女と出会い、4人はすっかり意気投合。
何故かこの世界では芸能は禁止されているようですが、もともとアイドルファンだった少女は、秘密のライブがあるから見に行こうと3人を誘い、4人でそのライブに感動、アイドルを夢見るようになる……というところが出発点。
そのアイドルは、近未来のAKB48、『AKB0048』だったわけなんですが……。彼女たちは立派なアイドルになれるのでしょうか!?


芸能活動が禁止されている状況。まあ、このストーリーにはこのストーリーなりの理由がありますが。話の核心なので書きません。
しかし。日本が開放的なだけで、現在進行形でこのような施策が取られている国はたくさんあります。また、日本でもアメリカのコンテンツは戦時中は見ることも放送も禁止されていました。
それに、今の日本でも時々、青少年保護とか著作権保護といったことを理由に、あまりにも理不尽過ぎる表現制約をかけようとする動きが出てきています。いわゆる、非実在青少年問題ですが。
表現の自由を失った世界は、人々の目から精気がなくなり、経済もまわらなくなる。そんな描写が作品内にもたくさんありました。
歌うことが鼻歌程度でも禁止されたら、ストレスがたまりまくって世界がおかしくなる。
芸能や表現に生きる意味を見つけようとしている人、そう大げさではなくても、芸能、絵画、音楽といった何かの表現が好きな人は、本作は一度は見て損は無い気がするんです。現実の表現を守るためにも。


この番組、AKBだから見ない、という人が結構多いんじゃないかなあと。
偏見なしに見てみれば、かなり面白いですし、ドラマとして良く出来ている。
若者が一生懸命にやることの全面肯定。
熱く生きることの何が悪い!


まじめに聴いてみたら楽曲もいいですし、映像の迫力も素晴らしい。
難点と言えば、話の風呂敷を広げすぎて2シーズンでは回収しきれなかった伏線が大量にあることですが(主目的については完全に回収しましたけれど)。
これはシーズン3を期待して欲しいということなのでしょうか……。


というわけで、ブルーレイの他、2シーズン目の主題歌収録したCDが昨日発売に。4種あるんですが、ライブのDVD付きのと、ドラマCDにもなっているものと、予算に合わせて。どのタイプでも主題歌とエンディングの2曲は聴けます。おまけにサウンドドラマも入っていたりするし、普通のアニメのドラマCDで考えたらかなり安いので。

この涙を君に捧ぐ (Type-A)(メーカー特典なし)

この涙を君に捧ぐ (Type-A)(メーカー特典なし)

この涙を君に捧ぐ (Type-B)(メーカー特典なし)

この涙を君に捧ぐ (Type-B)(メーカー特典なし)

この涙を君に捧ぐ (Type-C)(メーカー特典なし)

この涙を君に捧ぐ (Type-C)(メーカー特典なし)

この涙を君に捧ぐ(TYPE-D)(メーカー特典なし)

この涙を君に捧ぐ(TYPE-D)(メーカー特典なし)

2曲とも、非常にドラマチックです。
あと、個人的にはこちらの方が楽曲は好きなのですが、シーズン1の主題歌CD。
希望について(type-A)(通常盤)

希望について(type-A)(通常盤)

希望について(type-B)(通常盤)

希望について(type-B)(通常盤)

PVと衣装はシーズン2の方が好みかな……。
シーズン3、いつか来ることを信じています。