今日は半日吹奏楽三昧!

ラジオの録音と編集について

昨日のエアチェックをちょこちょこしていました。
ところで、ああいう長時間のラジオを録音取るには……。CDコンポからライン出力でPCに接続して取り込み。カット編集などをして最後にAACなどに変換、という流れです。
録音と編集はフリーソフトのお世話になりました。ケータイで聞きたいのでAAC変換はSD-Jukebox
今回の作業はWindows XPです。最近、iMacの調子がイマイチなので。

  • 『超録』(フリーソフト版)
    • http://pino.to/choroku/
      • 録音+ラジオと平行した簡単なカット用に。フリーウェアの制限で、1回で区切り8個、最大で合計で90分録音。長い番組では途中のトーク部分とかを適当に切る必要も出てきます。しかし、ラジオ放送を聞きながら波形を確認しつつその場で区切れるのと、Wave形式だけでなく、いきなりMP3に(ID3タグの作成も出来る)録音できるのは秀逸。英会話等を録りたい人にもオススメ。後の編集のことを考えたら、適当に区切る(1ファイルをある程度短めに)こととWave形式で録音することに注意。また、ライン入力レベルは結構低めにしておかないとあとで音が割れて泣くはめになります(涙)。一部の録音で音を割ってしまいました。
  • 『SoundEngine』(フリーソフト
    • http://www.cycleof5th.com/products/soundengine/
      • Waveの波形編集ソフト。正直、MacのPeak Express、YAMAHAのTWE、オープンソースAudacityより使いやすいと思いました。各種音加工だけでなく、他の音源を前(後)につないだり、ある部分を選択して別ファイルとして切り出したりできる機能がすばらしい。波形を確認しつつ切ったりつないだりするだけであればもう十分過ぎます。ユーザーインターフェイスはこなれていませんが、慣れでカバーできる範疇かと(つまり、どこに何があるか迷ってしまうと言うことでもある。場所さえ覚えれば悩まず作業できるということで)。これって初心者には厳しい話? 長い間動かしているとだんだん動作が重くなるので、自分自身の休憩の意味も含めて適宜PCを再起動していました。しなくても使えるとは思いますが、した方が快適です。


上記はかなり自分向けのメモです。分かりにくいと思いますが。まあ、この2つのフリーソフトであの名演の数々をカット編集できて。あとはオーディオCDにするなりiPodやケータイに取り込むなりは然るべきソフトで、ってことですね。

第4部・ギャルド・レピュブリゲーヌ吹奏楽

それで、今日は第4部のギャルド・レピュブリゲーヌ吹奏楽団のところを中心にエアチェックしていたのですが。
ラジオだし、自分が生まれるより前の録音だし、音が悪いのはしょうがないわけですが。それを補ってあまりある……この気品と熱気ってなんなのでしょう?
プログラムをおさらいしましょう。

1
ラ・マルセイエーズ」(フランス国歌)
2
序曲「ローマの謝肉祭」(ベルリオーズ
3
ハンガリー狂詩曲第2番(リスト)
4
行進曲「大空」(須摩洋朔)※須摩洋朔 指揮*1
5
交響詩「はげ山の一夜」(ムソルグスキー)※須摩洋朔 指揮
6
交響詩「ローマの松」(レスピーギ

(休憩)

7
イタリア奇想曲(チャイコフスキー)※録音無し
8
アルルの女組曲第2番から「田園曲」「間奏曲」「ファランドール」(ビゼー
9
ボレロラヴェル
アンコール
歌劇「ウィリアム・テル」序曲(ロッシーニ

【1961年11月11日、東京文化会館、フランソア・ジュリアン・ブラン指揮、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団】

音源が残っていなかったと言う「イタリア奇想曲」も聞きたかったですね。
この時の「ローマの松」は急な追加曲だったらしいです。つ、追加?……メインじゃなくて?
正直、国歌と行進曲以外はどの曲も演奏会のメインに持って来られるような大曲ばかりなんですが……。演奏はしっかりしてました。いったいどういう体力をしているんですか?
ここの皆様はオケ用の楽譜を見てすぐ読み替えて合奏が出来てしまうとかそういう感じらしいです。アレンジの必要が余りなさげ。その分音作りに集中できるし、ハーモニーというか、まとまりの良い楽団だからアレだけピアニシモで響く音が作れるんですね。
なんて書いていいか良く分かりませんが、弦楽器が鳴っているような、でも弦楽器ではないようなまろやかさがありました。ボレロなんてもうもう……。あのトロンボーンは……。


ともあれ、この演奏会をきっかけに、日本の吹奏楽に「オーケストラサウンドを目指す」ような指標が示されたわけです。吹奏楽というより、ウインドオーケストラブラスバンド(直訳すれば金管合奏団)といっているわけではなく吹奏楽というか。

第5部から見える現代吹奏楽事情

そして、放送の第5部で現代吹奏楽事情が音とリクエストとトークで語られて行ったわけですが。
私が高校の頃(10年前)からその方向性は顕著になりつつありましたが、ヨーロッパのウインドサウンドが盛んになっているということと、日本の作曲家もそうですが吹奏楽オリジナル曲が盛んになっているということ。
クラシックからのアレンジとして皆が知っている曲だけではなく、吹奏楽としての曲。マーチやジャズ、ポップだけではなく、吹奏楽編成のために書かれたウインドオーケストラ曲、と言ってもいいかもしれません。
日本って色々な情報や文化が混じる国なので、アメリカの吹奏楽もヨーロッパの吹奏楽も入ってきて面白いですね。


で、ギャルドからクラシカルな音を目指す吹奏楽が始まり、そのために実際的なハーモニーや楽器の使い方、曲を用意する方面でのアレンジ技術やオーケストレーションなどが発達したという下地があって。これがまあ、概ね1960〜1980年代中盤から後半くらい? の話でしょう。
そこへヨーロッパ方面から吹奏楽のための曲、という流れがやってきて。1990年代から世紀をまたいでオリジナル曲がだんだんと盛んになっていっている、と。また、ラジオの第6部にあるようなジャズ、ポップやロックの流れもあり。


今回の放送を通じて、吹奏楽の歴史の概観のようなものが見えてきたような気がします。
問題は、吹奏楽曲というのが基本的に現代曲である、ということですね。
吹奏楽が好きな人なら、曲の面白さが直感的に分かると思うのですが。
一般の人がオーケストラを聴きに行くような文化的な意味で、吹奏楽を聞きに行くというようなことまで、日本はまだ届いていません。
映画「ブラス!」で炭坑労働者のレクリエーション活動としてブリティッシュスタイルのブラスバンドがあり、そのコンテストはまるで町興しの祭りのようなものでしたが。(無理矢理当てはめるなら青森のねぶた祭みたいな物)日本ならではの吹奏楽の盛り上がり方、というのはまだまだ見えてきてない気がします。
ただ、個人的には……参加&交流型の演奏会、という形に、日本の吹奏楽文化が発展して行きそうな予感だけはしています。何って、自由演奏会みたいなもの、ですけれど。
あれ、現場に行くと本当にスゴいですよ。朝、楽譜が配られて、音出しやって合奏やって、午後が本番。でも、この日記で何度かご報告していますが、一応それでなんとなくコンサートになっている。約4ヶ月で40曲越えてたときは自分で驚きました。これって、自分の中学時代の2年分くらいの曲数ですよ。


コンクールが盛んなおかげで、共通言語としての吹奏楽というか、定番みたいなものが日本の吹奏楽経験者には成り立ってる感じがあります。だから、楽譜が配られてある程度やればなんとなく通せる。あと、楽器も最近はかなり安くなってきましたし。街を歩いていて管楽器を持った人にすれ違うことが年々多くなってきている気がします。


そうそう。
日本にはカラオケという文化がありますが、吹奏楽もカラオケみたいに手軽にできるようになって行くといいのですが。
正直、自由演奏会とかって吹奏楽のカラオケに見えるし。


演奏会、という枠を越えて、その辺の人が寄り集まって合奏する国、になって行けたら面白いです。
住宅事情からどうしても学校、ホールや練習スタジオで、となりがちですが、吹奏楽は野外でも出来るのですし。
野外で演奏できる場所が増えたら面白いなあと。


映画「スウィング・ガールズ」で、交差点の音からジャズを見つけたみたいに、面白い音楽はそこら辺にあるんです。
あとは可能性に気が付くかどうかだと思っています。いろんな人が、いろんなアイデアで。


そんな兆しさえ見えてきた昨今。
種をまいてくれたギャルドの皆さんには本当にお礼を言いたいと思いました。
今聞いても素晴らしさが分かる名演でした。

*1:当時の陸上自衛隊中央音楽隊長さん。ローマ五輪の視察でギャルドと縁ができたそうです。