トロンボーン殺音事件。

なんだかいろいろな方がご覧になっていてびっくり。
せっかくなので、トロンボーンをやっていての失敗談をいくつかご紹介します。
笑ってやって下さい。




【ガラガラガッシャン第1事件】

スウィングガールズ」の作中でも、最初に吹奏楽部から借りた楽器をもって……みんなが遊んでしまうシーンで、(シャボン玉は飛ぶは、サックスでカマキリするは……)たしか、関口さんがスライド落っことすシーンがあったと思います。それで崩れたレコードがころがって、ビックバンドジャズの発想につながる、というような展開だったと……。(違ったかも?)


スライドを落っことす。これはトロンボーン吹きが必ず通る道です。(断言!)
落っことしたことが無いトロンボニストがいたら、会ってみたいです。
しかし、学校の階段の上から落として階下まで飛ばすとか、本番の演奏中に落としてひんしゅく買うとかする人は、多分珍しいと思います。
はい、私はやりました。当時のバンドメイツの皆さんごめんなさい!
あのとき、よく演奏が止まらなかったなあ……。




【ガラガラガッシャン第2事件】

映画では使いませんでしたが、トロンボーンには「ミュート」を使って音色を変える演奏法があります。


これは、ストレートミュートです。音が出るメガホンみたいな部分(ベル)にはめ込むと、音が弱くなったり、金属っぽい細い音に変化します。
曲のどこで使うかは楽譜に書いてあります。しかし、やはり装着と脱着には、ある程度時間が欲しいです。殺人的な曲だと、1小節でミュートをはめろ、という指示もあります。
(openで吹いて、mutedまでの休みが1小節しか無い)


こういった時は、さらに前の休みが長い部分などで、左足のももとすねで横に挟んで準備し、左手でさっと着けるのです。しかし、百発百中とはいかないものですが。
楽器のことをもっと知って曲を書いて欲しいものです。慌て者で小心者には、曲そのものよりも難所となります。
なぜなら、ミュートを落下させて、しかもそれが隣のトロンボーンの方の所まで転がってしまい、みんなにはその人が落っことしたと思われてしまうこともあり得るからです。
はい、私はやりました。当時のバンドメイツの皆さんごめんなさい!
あのとき、よく演奏が止まらなかったなあ……。




【ガラガラガッシャン第3事件】

吹奏楽コンクールともなると、緊張は高まります。
ある年のコンクールで、とても難しい曲をやりました。
幸いにも、トロンボーンは休みが多かったのですが、変拍子の山に閉口。
16分の5拍子とか8分の7拍子とか(数字は違うと思いますが、そんな感じです)、どう数えろっちゅうねん! という変な曲。
まあ、でも、唇に血がにじむような練習の末、何とか曲としてできるようになりました。


迎えたコンクール本番。トロンボーン的には前半のメインとなる部分を無事に終わり、スライド内の水分を放出しつつ(スライドの一番下の「ウォーターキー」っていうレバーを押すと、内部の水分が穴から流れ出る)休拍を数えていました。
今回はミュートも落っことさなかったし、あとはクライマックスを吹くだけだ〜〜。
しかし、自分が間違え無くても……………………。
くれぐれも、妙に難しい曲を、コンクールのような大舞台に持ってくるのはやめましょう。
なぜなら、指揮者が振り間違えて、演奏者の大半が音を落っことすことがあるからです!
はい、私の先生はやりました。当時のバンドメイツの皆さんごめんなさい! って言ったかなあ?
あのとき、よく演奏が止まらなかったなあ……。


ちなみに、一拍でも落としたらアウト! というこの殺人的現代曲をつないだのは、ティンパニーの方の音でした。ちょうど、合図的にティンパニーが入る部分の切れ目だったのです。
ちなみに、賞は、なぜだか金賞をいただきました。絶対審査員の方にはバレバレだったのですが、この奇跡的なつなぎが賞を頂けた理由じゃないかと思います。講評用紙は見ていないのですが、たぶん。


以上、トロンボーンやってて、本番中にガラガラガッシャンと落とした3大事件でした。
楽器は大切にしましょう。はい。