日本語のチカラ。

『「日本語力」低下 4年制私大、国立さえ… 「留学生以下」お寒い大学生』
http://www.sankei.co.jp/news/041124/morning/24iti001.htm
これは、とても憂うべき事態!?
というわけで、アンケートはてなしてみました。
(はじめてアンケート記法を使います。うまくいくかな?)

【19歳以下50名様】国語の簡単なテストです。次の言葉に意味が最も近いと思うものを選んで下さい。『露骨に』

ためらいがちに0
おおげさに 5
あらわに 44
下品に 1
ひそかに0
正解は「あらわに」ですね。
【19歳以下50名様】国語の簡単なテストです。次の言葉に意味が最も近いと思うものを選んで下さい。『憂える』
うとましく思う 6
たじろぐ 4
喜ぶ 5
心配する 33
進歩する 2
正解は「心配する」ですね。
【19歳以下50名様】国語の簡単なテストです。次の言葉に意味が最も近いと思うものを選んで下さい。『懐柔する』
賄賂をもらう 4
気持ちを落ち着ける 7
優しくいたわる 5
手なずける 33
抱きしめる 1
正解は「手なずける」ですね。

解説は
http://www.hatena.ne.jp/iwashi?mode=detail&iid=31313
なお、回答途中では、各選択肢に何票入ったかは見えない形式で行いました。(50票集まると公開される形式でした)

まあ、ネットの場合、辞書検索で正解がわかってしまうきらいはありますが。
憂える、が、喜ぶ、になるのはさすがに日本語感覚が壊れているとしかいいようがないと思います。
少々オタクな感想ですが、コミックやジュニアノベルの書き手たちの責任は無茶苦茶重いなあ、と。日本語として壊れた言葉だけは使ってほしくないですね。
それから、校正や編集を経た、『直された日本語』に接する機会が、若い世代からだんだん減ってきていると思う。ネットの恐いところは、ちゃんとした『日本語の分かる』編集者がいるところが少ないこと。
個人サイトなんて、誤植と誤用の山だと思いますし。(このサイトも含めてしまいますが。注意しているものの、無いとは思っていないので)コミックやノベルならともかくとしても、こっちにどっぷりと使っちゃうと日本語感覚は間違いなくぶっ壊れます。(断言。反論歓迎です!!)
自分の文章が人の手で推敲される機会が、教育の場から減っている。日本語教育って時間がかかるものなんですけど、読む、書く、しゃべるの重要性は母国語なんだから英語以上に重要なのに、鍛えられてない。
NHKのアナウンサーですらイントネーションがおかしいと感じることがあります。いやほんと。


メールやはてなダイアリーなど、自分の手で書くことが増えたことは日本語の将来に取って見ても歓迎したいところ。しかし、こういったものは、推敲される、推敲する、構成するといった、『編集』の機会がなく、書きっぱなしの刹那的な文章であることは否めません。
そもそも、刹那的な文章、その瞬間しか命が無い文章に、用言が末尾にくる性質の日本語は向いていないように思うのですよ。日本語は用言が最後にくるので、結論は最後まで読まなくては分かりません。だからこそ、その結論に向けて、どう文脈を構成していくか。この辺りの力が試される。言葉(語彙)の力が豊富でないと日本語は使いこなせない。その辺りを考えてみて、かなりお寒い結果になったなあ、と(新聞報道もアンケートはてなも)思いました。日本語のチカラって、邪険に扱っていいものじゃないのですけれど。


ちなみに、このダイアリーはもともと長文作文能力特訓の意図もあって書いています。
アップしてから修正を入れることもかなり多いです。しかし、それでも、優れた校正者さんに見ていただきたいと、内心思うこともしばしばです。自力で客観的に見るのは限度があります。
校正されない文章を衆目に晒す羞恥を感じることも多いですね。だからこそ、自分に厳しくして書かないと、と思っています。