定刻の帝国

出勤の電車で。車内アナウンスは何とはなしに聞いているものだ。
「痴漢は犯罪です」とか「お出口は右側です」などなど。
今日は「この電車は定刻通り***駅に到着致します。お客様のご協力、ありがとうございました」というのがあった。
途中で遅れでも出たのだろうか?(そうは見えなかったが)それとも、混雑しやすいこの時間には珍しく定時運行できて、ドライバー冥利に尽きたのだろうか?
かのJR福知山線脱線事故以来、電車の運転士さんの過酷な職場環境がさまざまに報じられている。今朝のこの一言も、定刻であれというルールが支配する鉄道帝国の中で、思わず滑り出た一言だったのだろうか。
ともあれ、微妙に喜びをにじませた一言に送られ、今日も人々はそれぞれの職場に向かう。
誰かの仕事を支える仕事場。それが運転室だと思った。