「ダイナミックインフォメーショングラフィックス」(多摩美術大学 原田泰 助教授)

さて、DIGと略してDynamic Information Graphicsのこと、だそうです。いきなり何? と思いましたが、言語だけでもなく、絵だけでもない、コンピュータならではの視覚表現により、動的・対話的に情報を伝えるメソッドのことだそう。
ある情報があったとして、それを勉強した人が、誰かに伝える、というフローがあったときに、まずテキストを読み、脳でそしゃくして、自分の言いたいことをまとめて改めてリライトしますね。『文章』だけでは一義的で単視点、『映像(絵)』にすると多義的・多視点になりますが、その両面を持つ『図』で情報をリライトすると一義的多視点になれる。
最近、WebではFlashAjaxによる動的なナビゲーションコンテンツが豊富になってきていますが(講義ではこう言った具体的な技術名には触れませんでしたが)そういったものによって情報を伝えるときに、いかに分かりやすく設計するかのメソッド、といったところのようです。講演ではそのデザイン形状サンプルと、さまざまな事例が紹介されました。
自分が学んだ過程、自分が分かるための表現ではなく、初めて見る人に伝わる表現をDIGでできるということ。

感想

今までの印刷・映像などによる情報表現・情報発信ではできないことが、Webでは可能なんですね。
たとえば、「和食の料理法基礎」というコンテンツがあったとして。書籍では包丁の持ち方、野菜の洗い方から魚の三枚下ろし、本格的な料理まで、鍋から丼ものまで網羅しなくてはいけない。映像でも大量になるし、なにより見てるだけで作った気になりがち。(三分間クッキングとかで「そして焼き上がるとこのようになります」と、下ごしらえできたものがいきなり出てくるのはやっぱり良くない気がします。簡単にできると思わされがち)
しかし、webでなら……。直接操作感のあるコンテンツとして料理サイトを作ることも可能かもしれないです。三枚に下ろす、というのをマウス操作でやってみたりとか。
あと、三枚下ろしの達人が、次に煮物を覚えたい、といったときに、検索したり目次から選べたりする。その人には三枚下ろしのコンテンツは不要なので、その分無駄が無くなります。その、料理ジャンル選択画面とかで、台所の包丁を選ぶか鍋を選ぶかで探せるようにしておけば、かなり直接操作感が感じられるかもしれないですね。言葉で「三枚下ろし」と書いても、なんだか分からない人には分からない。でも、例えば魚と包丁を合わせたようなアイコンを置いておけば、「三枚下ろし」は知らなくても、魚を食べられるようにする切り方だと言うのはダイレクトに伝わるかも。
こういう工夫がこれからの時代、大切になってくるということなんでしょうね。