図書館で本を頂いた

このところ、地元の図書館にハマっている。図書館って、クラシカルな物事を調べるのには最もありがたい施設だ。なにせ、読み放題、CD借り放題で無料だ。ありがたやありがたや。
そして、たまに「リサイクル資料」といって、古くなったりして除籍扱いになった本を無償で貰えることがある。
ちょうど今はその期間のようで、図書館のエントランスにいろいろな本が山積みになっていた。ジャンル不問なのが楽しい。滅多に読まないジャンルの本をしげしげ眺めたりできる。それに、図書館の本なのだから、きちんと補強されビニールカバーがされているのも良い。ちょっと古びているのは、多くの人手に読み継がれた証拠ともいえる。ちょっとCD探し*1に来ただけだったのに、リサイクル資料の前で延々1時間くらい、どの本を頂くかで悩んでしまった。せっかくなので、どんな本を失敬したかを記録しておく。

  • 倒産の実学―会社が危ないときの指針
  • 社長への階段
    • 結局、この資本主義社会で生きていくのには、『会社』というシロモノと無縁ではいられない、というのが失業してやっと見えて来た事だった。自分はそういうところが、箱入りというかヒトより10年成長が遅いと思うんだけど、気が付かないよりはきっと多分ましだろうと思う。できることなら霞食ってMacや楽器で遊んで生きていけたらいいなあとは思うんだけど、いちおう自分は人間なんだし、そういう物じゃないからね。それに、もしかしたら将来的に事業立ち上げを手伝うとかする可能性もありそうだし……。*2それやこれやで、失敗学じゃないけど、会社がつぶれるというのにはどういう道筋とか要因とかがあって、あと、逆に会社が成功するというのにはどういう事例があるか、知っておいて損はないと思ったわけだ。『倒産の実学』は戦後の倒産事例から丁寧に辿って対応策を検証した本。『社長への階段』は、いわゆるヒラ社員から社長にまで上り詰めた皆様のインタビュー集である。どんなに歴史がある会社でも、対応を誤ればつぶれるのが今の日本。逆に、成功への道筋も多かれ少なかれあるわけで……。大成功! はいらないけれど、死ぬのも嫌だなって感じで頂いたけど、思っていたよりも勉強になるようだ。両方とも、経済学関係の知識が乏しい自分には難しい部分も多々あるみたいだけれど、そういうのは少しずつ調べればいいと思う。『倒産の実学』にあったヤオハンジャパン倒産の実例と検証は、実情を見据えず、打つべき対策をきちんと打たないことのツケの恐ろしさがよく分かると思う。
  • クリスマス・デコレーション (フローリストの本)
    • いろいろなクリスマスの飾り付け(クリスマスリースなど)とその意味を概説した写真集。うちはクリスマスは結構派手にやる方なので、資料になると思って入手。クリスマスをテーマにしたデザイン、というのは恒久的に需要がある物なので、Webデザイン上の資料にもなりそう。こういうのはずっと役に立つ。サンタさんの実在は今でも信じているんだけど*3、やっぱり素敵なヒトだと思う。それと、この本の写真は質が良く、見やすい。装飾物をどのように生き生きと撮影するかの見本とも言えそうだ。
  • へんしん衣裳 (シリーズ・子どもとつくる)
    • 幼稚園とかのお遊戯とかで使う、着ぐるみとかコスプレ……じゃないけど簡単な衣装の作り方。作者は舞台衣装も手がける絵本作家である。最近、なんか身の回りでやたら子どもが生まれるので、そのうち誰かに役立ててもらえそうな気がして入手。彼ら彼女らのお遊戯姿はいつか拝見したい物だなあ。
  • 『第九の流れる家』/五谷 翔/北海道教育社
    • なぜかISBNコードがなかった。表題作は「小説推理」の1981年第3回小説推理新人賞受賞のようだ。ミステリーの短編を17本集めた小品集。これは、やはりベートーヴェンの第九のCDをBGMに読むべきなのだろうか。カラヤンあたりのを探してみるかな。頂いた理由は、第九っていうタイトルに惹かれたから。日本の年末の第九フィーバーはどうかと思うし、チューバ奏者とかは半失業状態になるそうなので(楽譜上、第九にはチューバは無いらしい)大学オケの恩師がチューバ奏者だっただけにその辺同情もしているんだけれど。第九っていう曲自体は好きなんだな。で、第九で殺人なんだろうな。たぶん。あの合唱をバックに殺人シーンなんてやったらすごい迫力になりそうだ。


それから、今日借りていった本。思いのほか結構IT関係も揃っていたので助かった。Illustrator CS2の書籍があるとは思わなかったし。改めてOffice SuiteもWebデザインも初心に返って分かるところから勉強し直したいし、Mac OSに比べてWindows XPの知識がものすごく少ないので、基礎的なところをきちんとさらえる本を借りた。いま自分に必要なのは、無知の知と行動や実習だ。パソコン歴は非常に長いんだけれど、身になっているかというと……かなり甘い。だから検定も2級レベルで止まっちゃうんだな。資格に1級レベルの物がないのは、この年じゃかなりマズい話……。いい加減、中途半端は卒業しなければ。

  • 色彩ガイドブック―配色の基本がすべてわかる
    • ポケットサイズの色彩入門。かなり雑学的だから、コレ一冊でどうにかするという気持ちはもちろんないけれど、色の可能性を広く見直すために借用。基本的な118色のカラーシートが付いていて、CMYK換算もされている。安い本なので網点が見える荒い印刷だが、それなりには使えそう。
  • 今日から覚えるIllustrator CS2ビギナーズ・レッスン (パワー・クリエイターズ・ガイド)
    • Illustrator CS2の本は持っていなかったので(古いバージョンの本はあるけど)。このアプリケーションは本当に素晴らしい。DTP自体、このソフトから始まったフシがあるし。諸事情でWordでページデザインをやらされたとき、「Illustratorなら自在なのに!」と思う事が多々あった。色々な形で、モノを描くことはこれからずっとついて廻るスキルになりそうだから、一通りを押さえ直しておきたいところだ。フリーのIllustratorみたいなツールってなかなかない……。PhotoshopにはGIMPがあるのに。
  • Webデザイナー1年生―プロになる前に知っておきたい!仕事の中身と進め方 (WORKFLOWプロになる前に知っておきたい!仕事の中身と進め方)
  • DTPデザイナー1年生―プロになる前に知っておきたい!仕事の中身と進め方 (WORKFLOWプロになる前に知っておきたい!仕事の中身と進め方)
    • なりゆきでDTP&Webデザインのスキルを身につけてしまったが、今、自分がちゃんと動けないでいるのは元々やりたかった事と剥離が生まれて来てしまっているのが原因。また、デザイナーとしてコンピュータ以前の基本スキルが無いのも痛い。デザインは「創りたい」「描きたい」という気持ちがなければやっていけないキツい仕事であることは間違いない。本当にその道に進みたいか、自分に確認しなければ……。デザイナーの現場に立ち、ワークフローからコンペでの服装、実際のラフなど、幅広くトーク形式で紹介している本。前から気にはなっていた本なんだけれど、図書館で見かけたのは天啓かも。
  • ずばり!EXCEL&WORD完全解決700連発! (タツミムック)
  • 人におしえたくないWindowsXP快適設定 (Sengen Books)
    • 決して良い事だとは思わないのだけれど、多くのヒトがITと言われて思い浮かべるのはWindowsとOfficeである。この現状は、そうそう変わらないと思う。しかしこのスキルが自分には圧倒的に足りない。MacDTPソフトが使えれば生きて来られてしまったので。個人的にはExcelはしょうがないとしても、WordよりはIllustratorInDesignの方が人間的だと思うのだけれど。こういったビジネスソフトは、スキルというよりも、基本的な事を押さえたら、あとは「知ってるか」「知らないか」だけが必要なことなのだ。だったら知ればいい。いずれにせよ、避けて通れないソフトではある。WindowsとOfficeの修得がIT修得そのものだとは絶対思えないんだけどね。ITに関してはゼネラリスト的な修得方法が好きだから、始めてしまえば多分それなりに楽しんでしまうだろうとは思うけど。でも、M社の手先にはなりたくないなあ……。Linux的なPCが一般化したら面白いのにな。色々な職場で、予算を決めている側にそういう発想がないから、それが家庭に波及して現状のような状態になっているんだろう。M社に創造的な未来があるとは思えないんだけどな。WindowsとOfficeが使える事よりも、MaciLifeが使える事の方が、どれだけヒトに感動を与える機会に恵まれるかと思うと……。

*1:例の……組曲『惑星』の『冥王星付き』、だ。さすがに冥王星を含む盤は所蔵されていないようだった。先月発売になった物だけでなく、何枚かCDになっているみたいだけれど。

*2:ITの教え方がそこそこうまいというのは、どうもそういうののお手伝い的な声がかかりやすい属性のようだ。

*3:子どもにクリスマスプレゼントをくれるのは両親だとしても、そうさせているサンタさんという観念上のファンタジー的存在は、空想の世界に実在するでしょう、という意味で。