出来ない人の気持ちになる

時々、友人のPCサポートやってます。たいていは1回につきご飯1回おごりとかで。
まあ、分かんない&手に負えない、ときはヘルプの使い方を案内して終わりですが。
(メール&電話でサポートする時の限界は、自分が知っているor調べられるアプリケーションまでだといつも思う。セキュリティソフトなんて星の数ほど出ているし……メーカーのサポセンと違って、個人サポートの場合は小回りは利くけど情報量やスキルに自ずから限界があるような……)


で、まあ、昨日も某氏からの電話サポートやっていたわけです。しかし、あまりにも不可解な症状につき、メーカーのサポセンへ電話して解決してもらいましたが。
不可解な症状が出た時の解決策って、どこが悪いのか的確に表現できることとか、エラーメッセージでなんて言ってるかとか、スクリーンショットを送信してもらえるとか、そういう情報共有から始まる気がするのですね。


出来ない人の気持ちになると、全てのエラーメッセージは「なんか変な言葉が表示されててパソコンがいつも通りに使えない」になるわけですよ。たとえ「ウイルスソフトの更新時期です」といったわりとありふれた告知でも、パソコンが壊れたんじゃないかとかって、思う人は思うわけで。
それが英語もののメッセージだともうたいていはお手上げです。色々と日本語化が進んだとはいえ、一部のドライバとかでは無くは無いです、未だに。
アップデートって何? っていう人も多いと思います。家電品と違って、パソコンのソフトは完成品では出荷されていないです。色々と不具合が見つかり、それが治るような……お薬、とか注射、みたいな物を後から送って来ることがある、と伝えることが多いですが。もっとも恐ろしいのは、それがたとえパソコンそのものといってもいいOSレベルでもやっているのが当たり前であること、ですね。


でも、家電品とかは普通に安全に使えて当たり前。パソコンソフトの完成って、家電品の安全基準を仮に当ててみたら、遥かに危険な状態で出荷している事が多い気がします。車ならとっくにリコールされてて当然レベル。
それでも使わなくては行けないのがつらいところ。


家電並みに使わなくてはいけないのに、いまだに初心者を置いてきぼりにしているのがパソコンの悪いところ。
自分自身、分からない人が好きで「分からない」をやってるわけじゃないこととか、どこが悪いのかを断片的な情報から的確に類推する洞察力とか、初心者の方からエラーメッセージの内容を的確に伝達してもらう会話力みたいなものは、もっと磨かなくてはダメだと思ったのでした。
それに、どこに気をつけたらエラーや不具合に合わなくて済むのか、とかも伝えられるようになっておかなくては。
知っている、と、伝えられる、は別物!


風邪引いて内科に行ったら、インフルエンザではないそうで、聴診器や喉などの問診で薬を出して頂けました。たしかに、今回の不調は喉から来たと思います。こういう風にどこが悪いからどうすればいいかっていうのを的確に指示できるのって、ある意味では医者と同じだけの実力がITサポーターには求められる気がしてなりません。


ITサポートは医学と同じです。奥が深いしジャンルは多岐に渡ります。
そして、その箱の中には、生命と同じくらい重要な個人情報が入っていたりするので。
人間が知性を伝達することを目的とした生命体であるならば、パソコンの中にある情報は命と同じ価値がある。
それのサポートだから、ITサポートは医学だと思う……。


勉強は沢山して、あと、わかる言葉で伝えられることと。
風邪なんて引かないで済むならその方がいい(適度な運動とうがいや手洗いなど、簡単に気をつけられることでかなりの病気が防げる)、でも、かかってしまったら専門家にしっかりとしたサポートをしてもらう。
IT機器自身への健康法も、そろそろラジオ体操みたいに確立されてもいい気がします。
コンピューターを使う、全ての人のために。