何事もコツコツと積み重ねるのが上手な友人Aがいる。傍から見たらのんきでのんびりしているようにしか見えないかもしれないが、本人がどれだけ必死かは私が知っている。
幼い頃からすごい手腕を発揮して、一足飛びに進み、若くして大志を実現した友人Bもいる。彼女は常人の何歩も先を歩いている。
コツコツと努力できる友人Aは、人に優しく、自分に厳しい。
一足飛びの友人Bは、自分にも厳しいが人にも強く当たってくる。自分が出来るからと、人にもそれを要求してくる。
……友人Bのことは、正直、息苦しくてかなわなかった。
もちろん、そうした姿勢が進歩的で刺激的で良い、とする人もいるだろうが……。
時代を作るのは、ああいう人間だろうが……。
私自身は、自分をやたらと責める傾向を乗り越えたいと思う。そして、友人Aのように、コツコツと生きていけたら、素晴らしいと思う。
ちょっと前まで、友人Bのようになりたいと自分を誤解し、背伸びして苦しかった。
今は、少し冷静になれたと思う。
足元を見つめると、楽になれる。
現実を変えるのは難しいけれど、少しリラックスした方がいいだろう。
