神椿市建設中。REGENERATE、落ち穂拾い完了……!!

『神椿市建設中。REGENERATE』Switch版。
ようやくすべての隠し要素を拾いました。約40時間というところでした。
以下、ネタバレ全開でクリア後の感想を書きます。好きに書くので長いです。
あ、『逆転裁判』序盤のネタバレとかもあるので、やってない方は回れ右でどうぞ。

バトルシステムについて

本作は、基本的にはテキストアドベンチャー。しかし、いわゆるバケモノ退治モノでもあるので、バトルシーンもあります。
ほとんどの戦いはリズムゲームライクなシステムでしたね。しかし中には、選択肢を選んで対処していく、ストーリー重視なバトルもありました。
特に此処ちゃんの章は選択肢式のバトルが多く、かなり難しかったですね。一応は通せたのですが隠し要素解放は自力では無理でした。なお、この章だけはマップ式のバトルシーンもありまして。あれは1体だけ相手するために横から攻撃すれば突破できます。
あとは通常のリズムゲームライクなバトルですが。ほとんどのシーンはそんなに難しくはなかったです。ただ、一部に変拍子というか、掴みにくい戦闘はありました。まあでもそれも2回・3回やればなんとかなる程度。
やっていて思ったんですが、テセラクター諸氏も魔女の娘さんの歌声に絶対聴き入ってますよね。歌のリズムに合わせて攻撃してくるので合わせて防御・反撃すれば良いわけで。こっちのペースに巻き込まれてくれる戦闘、考えてみれば面白いなあ。ラスボス様ですらそうだったんですから。魔女の娘さん5人分のフルパワーボイスにはかの方も形無しだった! おまけに、設定上は「歌えば魔力が回復する」「歌で戦いながらテセラクターをだんだん浄化でき、バトル終了でHPがなくなったら消滅させることもできる」…………うぉ、鬼か。
この状況、ドラクエライクなRPGだったら相当強力です。戦士に常時バフ(味方強化)をかけながらMPも同時にリジェネ(だんだん回復)し、場合によってはHPも自動回復。こんなバケモノのような勇者パーティに勝てるモンスターはまず居ない! そりゃあ、ラスボス様は魔女の娘チームを全員絶望させようとするわな。心をかんっぺきにバッキバキに折っちまえばテセラクター側の味方になってくれるかもしれないんだし。

各章のバッドエンド

狸眼ちゃん、派流ちゃん、世界ちゃん、此処さんの4つの章では、特別なバッドエンドがあります。
発生条件は、後にファミリアになる各テセラクターとの戦いで、体力残り1くらいで勝利することみたいです。もしかしたら残り2とかでもいいのかもしれませんが。ともかくボロッボロのボロになりながらギリギリで勝った形にする。全身打撲待ったなし!
ワザと負けそうになる。これが結構難しかったです。とくに「あねもす」戦では撃たれすぎるとあっという間に全ダメージ喰らってしまう感じでした。パーフェクトやランクSを狙うよりむしろ難しいかもしれません。ともかくペースをわざと崩しながらでも瀕死で勝利することです。
実はこのバッドエンドの存在は、派流ちゃんの章の初回プレイで、全力で戦ったのに「あぐに」にギリギリまで追い詰められて終わったので気がつきました。まだ慣れてなくて難しかった。さすが「あぐに」です。
他の章の終わり方と、この章の終わり方は随分違いますね。他の章はボスに道連れ攻撃を喰らってその流れで終わる感じでしたが、派流ちゃんの場合はそこで終わらない! 彼女は本当に諦めない!
でも、アニメ版で復興課長から言われたことによれば、『魔女の娘』が「これ」をやっちゃうと確実に神椿市が終わる(全員いないと「まくすうぇる」に勝てない、ってことか?)ようでしたから、画面の向こうでこればっかりは止めたかったんですけどね……。
確かに、この章では「あれ」にはあと1つ空きがあったのですが。瓦利欺(ヴァリス)の皆さんを合わせても。
他の章の流れも夜中にボロ泣きしました。やっぱりこの「流れ」だと最終勝利は無理だってわかってるとはいえ。わざと負けたからとはいえ。
やっぱり化歩ちゃんがいないと危機的状況にハマった時にどうにもならなくなります。ヒーラーってマジ大事! みんな頑張ってくれたのはわかってますが、彼女がMVPだと思う。主人公の最初からの相棒な分、一番酷い目に遭った回数も多いわけで。メタな見方をすればシナリオの都合上としか思えませんが、各章のラストでは彼女が気絶させられてたことが本当に多い! 考えてみれば、彼女は普通の高校生さんですよ。人より歌が好きでめっちゃ上手いってだけの。本当によく走りきってくれたと思う! 表には出ませんが、精神的にかなりタフなところがあるので、本作のシナリオライターさん自身、それに救われた部分は大いにあるかと。
化歩ちゃんは、あの数々の絶望的状況の中で、本当に、本当に、よくがんばってくれました。絶望のあまりに現実との境まで来てしまった時だって、ある意味そうで。あの時、彼女の本質的な「音楽を聴く耳」がなかったら、どうしようもなかった。他の、理性がぶっ飛んだテセラクターとはそこが違った。あんな状態でも本質は失っていなかった。それが化歩ちゃんの本当にすごいところです。
あの時、TVアニメ版のおかげで、少しデザインは違う気もするけど顔にある模様が似ているし、このテセラクターは実は化歩ちゃんなんじゃないか? とプレイヤーの知識的には思い、彼女ならもしかしたら音楽を聴いたら少しはおとなしくなってくれるかもしれない、と、思いついたのでした。それでカセットプレイヤー機能を試したらビンゴ。かなり辛いシーンでしたが、今思うと彼女らしい。ですけども、やっぱり。あんなのは、もう懲り懲りです!

塔の60階のQ(謎)

残された小さなQはありますね。
市の中央にある、あの塔の60階にある部屋のことです。
あの部屋の不思議な椅子には、復興課長さんもお心当たりがないらしいとか。
隠し要素をクリアしても、ここに椅子が置かれる流れはなかったようなので(そもそもこの部屋に来られる個別の章は狸眼ちゃんの時くらい)、謎が残りました。
一応、狸眼ちゃんや最後の章のときの両方をチェックしなおしたんですが、狸眼ちゃんの章ではお話をするだけ(調べることはできない)で、最後の章では時間がないため詳しくは調べられないようです。
もしかしたら他のメディアで何か設定があるのかもしれません。今や伝説となった最初の1ヶ月のときとか、TRPGボードゲーム版とか、音ゲー版とか。アニメ版で今後とか。
また、設定上、あの部屋の棚には、魔女の娘の歌の楽曲集があるそうです。今回は出番なし。みんなのレパートリーだけでどうにかラストまで走り切りました。それでも40曲とかあるもんなー。すごいぜ。

最後の最後のエンディングの選択肢「すべての想いを送る」について

「まくすうぇる」をどうにかこうにか打倒し、神椿市を救った後、主人公は消失します。
その前に、隠し要素を解除していた魔女の娘がいれば、その人と過ごすことができます。
で、そのエンディングを1つ見た後で、もう一度選択肢が現れて、そこには「すべての想いを送る」……とあります。それを選ぶとファイナルエンディングともいうべき流れに到達します。
この選択肢の意味を考えていたのですが、あの最後の最後のフェノメノンを起こさせるためのものでしたね。2回、ファイナルエンディングを見た時にその意味に気がつきました。
いやねー、あの主人公くん。行動も内心も全てがイケメンなんだよね。元々からナイスガイだったのに、なんらかの事情でテセラクターに堕ちてしまった。本当に何があったのかなと。シナリオには語られていませんけど、相当、不幸なことがあったんだろうなぁ。なので、新しい人生は全力でエンジョイしてほしい。君には神椿市の誰よりもその権利がありますよ。
ところで。彼の「記憶の卵」がどこかに落ちていないか期待したいですね。
というのも、やっぱり、いかに化歩ちゃんが説明してくれたり、復興課長さんが秘蔵映像を駆使してかつての戦いの記録を見せてくれたとしても、やっぱりそれは見る記録であって、自分の記憶ではないんじゃないかと思うんです。
実感の違いというか。その辺のこと、ゲーム内で誰か教えてくれたと思いますし。
想いは残る、とはいえ、記憶の卵こそ実感力最強なので。話を聞いてそんなこともあったかもねえ、ってなるより、自分の記憶を復活させた方が良いと思う。
もし余力があれば、あの最後のフェノメノンついでに、市内全域を対象に彼の記憶の卵をさがす「スペシャルQ」を出したいところですね。
例えば、彼らはあの後、復興課に挨拶に行くと思う。どのみち、復興課長には復活がバレてるはずですし(エンディングの締めでしっかり見てますからねぇ)。彼の市民証カードを改めて作ってもらわないと生活に困りますし。やっぱり挨拶しないのは変でしょう。
それで再会したら復興課長はおおいに喜ぶでしょうね。その際、かの方のちゃめっけから、この【Q.XXX:主人公くんの記憶の卵を探せ!】が出される……とか。
やっぱり、あの復活劇で「再会」した時に、
「この人たち、かわいらしいけど、なんか見覚えがある…」
っていうのと、
「5人の相棒と再会した!(しかも全員可愛い!)」
っていうのでは、全然違うと思うんですよね。熱が。
特に前者の場合、なんとなく覚えているくらいのかつての自分の行為で、ある種の英雄のように思われる重さに耐えられなくなったりしないか、心配になります。特に狸眼ちゃんあたり。彼女の愛は良くも悪くも重いので。劇的に。
個人的には嫌いじゃないですよ、ああいうのも。っていうか、個人的には5人の中で一番気持ちがわかると思う。愛って重くなる。うん。でも、それだけだと生きていけないんだよね。

ま、愛の生き方はともかく、何巡もの1ヶ月を共に過ごした仲間たちとの記憶……。
やっぱり実体験としてあった方がいいと思います。
復興課長さん、功労賞としてこのQを出題してあげてください!

個別の章についてもう一度振り返ろう

敢えて、正式名称は使わずに書きます。その方が筆が乗るので。

序章

ゲームスタート。謎の青い鳥により神椿市に行き、化歩ちゃんに出会うところから...。
エリカねいちゃんとの出会い、その悲劇、主人公たちの「魔法」の覚醒、「L」くんとの邂逅....。そして、その彼ですら歯が立たなかったという、超強敵との戦い。
このゲームのシナリオとシステムのチュートリアルの章ですが。序盤からハードでしたね。この飛ばしっぷりは『逆転裁判』(1作目)のあの事件もかくや。
一応、テレビアニメ版でエリカねいちゃんが...っていう心の準備はできてはいたものの。そして「らぷらす」とも別れてしまうので、つまり、本作ではテレビアニメ版の彼の仕事を主人公がこなすのか! ってなりました。それってめちゃくちゃ荷が重いぃぃぃぃぃっ....って思ったのを覚えています。ファミリアの糸が結ばれるシーンがありましたから、やっぱりそういうことかと。

派流ちゃんの章

最初の頃はこのゲームのシステムを把握しきっていなかったので(ドラクエ2みたいに、だんだん仲間が増えると思っていた)。
狸眼ちゃんの頭脳も捨て難いけど、まずは戦闘能力があの3人の中ではピカイチな弐番街コンビを当たってみるつもりで最初に選択しました。まずは攻撃力があればどんなバトルもやっていけますからね。
そしたら派流ちゃんはまだ「あぐに」とコンビを組んでいないし、それどころかまだ魔女の娘の力はないし、「颱風眼」のことも把握していなかったという...。小説版とは別の形でまた関係を作っていく流れなんだな、と、理解したのはこの頃ですね。小説版の彼女は魔力のことは知らないものの、「颱風眼」は仕切ってましたから。
あのお店『瓦利欺』(ヴァリス)の皆さんがキュート! しかしあの曲って、さぁ妄想世界に生きていこうってこと?
嬉しい誘惑だが....キケンすぎる!
そして、派流ちゃんの曲をちゃんと聴いたのは初めてかもしれません。ラップというのかな、言葉の使い方が面白い。そして東洋的なかっこよさがある。いいなぁ、彼女の音楽。
弐番街は、やっぱり義理と人情の街でしたね。そして「あぐに」は強かった。ファーストプレイではバッドエンドになりましたから。
派流ちゃんがああなっちゃった上でゲームが続くので、大丈夫なのかな、と心配したものです。まあ、あとでやり直しさせられるんですけどね。

狸眼ちゃんの章

彼女の父上のこともありますし、彼女自身の知的能力も現状を知るために役に立つだろうと思い、次に選んだ章でした。
最初から残酷なシーンがありますが、プレイヤーとしてもショッキングなのに、ふと目を離し、次の瞬間に母上に声をかけたらあんなことになっていた、なんてキツすぎます。
狸眼ちゃんの印象はアニメ版以上にとっつきにくい性格でしたね。でも、ちゃんと話せるようになると頼りになるな、という。わかりにくい子でしたが、わかってくると助けてあげたくなる。
ゲーム版ではアニメのように化歩ちゃんと狸眼ちゃんの完全同居はなかったのですが、やっぱり仲良くなると名コンビって感じになりますね。とくに「まほう」のデュエットシーンは良かった! そのすぐ後の悲劇がきつかっただけに余計に(このゲームこんなのばっかりだな)。
そして、やっぱり(小説版でも出てきたと思いますが)あの足枷のシーンとか、お父様がおかしくなってしまったというのはキツいなと。
このゲームのシナリオは、本当にキャラクターたちに容赦しない。覚悟を改めて決めさせられた章でした。

世界ちゃんの章

あの教会エリアでのエピソード。ゲーム版の世界ちゃんに見えている未来を知るために進めていきました。
派流ちゃんと世界ちゃんの友情関係は出てきませんでしたね。やっぱり何かが違うんだな、ってなりましたが、どうして違う話になっているのかも、ゲームで語られない自分だけの伏線だと思って進めました。
アニメ版には出てこない、二人の魔女候補。この子達の隠れた能力の実力を知らされた時、本当に怖くなりました。とくにアルちゃんの能力は、精神を破壊しかねない。攻撃された方もですが、彼女自身にもハネ返りそうで怖い。
しかし、説得して彼女らが仲間になってくれた時はうれしかった。みんなでご飯食べに行ったりしてね。こういうシーンがずっと続けばいいのに……って思いましたけど、そうは問屋が卸さない。
やっぱりシナリオに容赦がない。
まさか、彼女の保護者たちが牙を剥くなんて。しかもそれを正しいと思い込んでいるんだからタチが悪い! さらに「あねもす」の本性露呈も…。
信頼って何なんだろう。
そういえば、派流ちゃんの章で参番街に退避した時、大量のテセラクターや見たことがない丸いテセラクターにも襲われましたけど。
その理由がこの章で一部わかりましたね(「あねもす」の作戦だった)。
でも、この参番街の章での主人公たちは、派流ちゃんとは関わっていない。
なのに事態は進行している。
どういうことなのかな、ってなりました。
このシナリオの巧妙な仕掛けは、今思っても感心しきり。そして、後から思えば、派流ちゃんの章では世界ちゃんを派流ちゃんが倒したということでもあり、派流ちゃんは何も知らなかったとはいえ、巡によっては幼馴染だったこともある世界ちゃんを派流ちゃんの歌で浄化したことになるんです。
もしかしたら、世界ちゃんはテセラクターとなってしまっても、派流ちゃんの歌は心のどこかにひっかかったのかもしれないですね。せめてもの救いです。

此処さんの章

序盤の展開の早さには驚かされました。
あっという間に此処さん自身のあの氷結魔法が覚醒した。
それから、TVアニメ版のキャラクター紹介ページに「何かとギャップのある娘」って書いてあるんですが、この章をプレイするまでイメージがわかなかったんですよね。
これ、見た目はクールなお姉さんなのに、大食いだし感情豊かだし結構面白いってことなのかなと理解。
でもこれ、魔女の娘さん全員そうだと思う。
化歩ちゃんはああ見えて図太いし根性キマってるし運命に負けない。
狸眼ちゃんはクールというか冷たい感じを受けますが、主人公のために泣いてくれたシーンもあります。
派流ちゃんは意外に脆いところもあります。TVアニメ版でテセラクターになったのは、世界ちゃんの死(だと思ってしまった)からあっという間に。
世界ちゃんにしても、可憐なお嬢様に見えますし事実そうですが、それだけなら世界崩壊を未来視したら精神的に折れてしまったはず。あの智将「あねもす」が、彼女を絶望させるのに相当に骨を折っていたのは、世界ちゃんの予想外な心の強さのためでしょう。
それにアニメ版10話では、世界ちゃんは「まくすうぇる」自身のことすら心配していました。神椿市をぶち壊したラスボスなのに。自分を含めてみんな酷い目に遭わされているのに。
あれには驚きました。
世界ちゃんマジ聖女。まあそうだよね。世界観が世界観だから忘れていたけど、職業はカトリックのシスターみたいなもの。
ともかく、このことが、今週の11話での展開のカギにもなったんですが……まあこの件は別に書きます。あの11話はまた改めて語らねば。
さて、ゲームの話に戻りましょう。
此処さんといえば「くーげる」との姉弟(?)コンビ。もちろんゲーム版でも彼と出会えます。プレイヤー知識としてはTVアニメ版での復興課長とのことがありますので、彼に相当警戒していましたが、そんなの、画面の向こうの主人公くんには伝わらない。
むしろ警戒しすぎるとゲームオーバーになる選択肢すらあった。あれにはやられた。
また、順番は前後してしまいますが、この厳しいエリアの中で出会えた復興課員の詩得(シエル)さん。彼女の新社会人っぽさには和まされるものがありました。それに、なんだかんだ言っても魔法が使えるのは強い。ちょっと意外な移動魔法でしたが、使い方次第で人の生命を救うことができる素晴らしいものです。敵に囲まれそうになったその一瞬でバックアタックに状況を変えられる。これ、スプラトゥーンで考えたら相当強いなってなりました。スプラトゥーンの新スペシャルにこのショートテレポート術が欲しくなるくらい。決まったビーコンの位置に爆発しながらジャンプとか。設定方法が難しそうですが。
さて、閑話休題。シナリオを進め、ゲーム版ではくーげるは裏切らないのかな、このままゴールまでいけそうだな……と安心していたらアレでした。やっぱり彼はこうくるのか。きてしまうのかよ。あんなに仲良くなったのに。詩得さんたちの歌に感動していたくせに……っ!
でも、この章でやっぱり彼ら『5人の少年』は仲間にできるんじゃないかという可能性も垣間見られましたね。ただ、それが叶うのはもう少しだけ先の話。
やっぱりこのゲームのシナリオには、本当の本当に容赦がないんです!

化歩ちゃんの章

この章の前半は、やっぱりエリカねいちゃん生存につきます。
テレビアニメ版ですっかり死にキャラだと思っていたので、生存させてあげられた時はマジで画面の向こう側でガッツポーズを取りました。本当に生きていてくれてよかった。あの時、本当に悲しかったから。
しかし、ホッとしたのも束の間。
まさかの魔女の娘たちのテセラクター化。
運命の歯車の掛け違い。
彼女たちの心の悲鳴…。
例えば派流ちゃん戦では、プレイヤーが銃弾を撃つようにコマンドを入力するシーンまであり、撃たないわけにいかなかった。
そしてあの「らぷらす」も、本気で牙を剥いてきた。プレイヤー知識では、化歩ちゃんの無二の盟友だったはずの、あの彼が。
そしてバトルの末に、主人公は彼を討ってしまった……。
もうこの違和感。不可解感。吐きそうになりました。
しかし、この状況をひっくり返すためのウルトラCはまだあった。それは「現実」から祈りを集めてくること。歌を通して、次の世界を始めるために。
あの写真は渋谷と新宿とかでしたかね……。道玄坂っぽいところとか、バスタ新宿付近とか。知っている場所だけに、リアリティがありました。
闘いは、まだ終わらない。

最終章

最終章の前半の見どころは、大人も含めての神椿市の戦力終結と、5人の少年たちの説得にあると思います。
まずは改めてのエリカねいちゃん生存。
そして、魔女の娘集め。
今度はエリカねいちゃんが物理学の教員だというのが色々と効いてくる。例えば谷置室長の説得シーンは地味ながら世界を救った快挙です。アレがなかったら室長も狸眼ちゃんもテセラクター化して世界が終わっていたはずですから。高校の先生からという、学問的見地からの説得は同じ科学者として効いたでしょう。やっぱり頭のいいお姉さんっていいなぁ。
思ったんですが、ゲーム内では描写はありませんが、最終決戦の時など、彼女のアイデアも相当生かされたと思うんですよね。市民を効率的に守るための人員配置とか詩得さんといっしょに考えたりしてそう。あと、例えば効率的なバリケードの組み方を物理学の観点から設計とかやってるんじゃないかと。市民の誰かがテセラクターになってしまったら連鎖が起きてゲームオーバーなので、彼女のアイデアと実行力で守られた生命は多くあったと思います。
それは彼女の魔法なのかもしれません。高度に発達した科学は、魔法と見分けがつかないのですから。
さて、人間たちの戦力が集結しました。
今まで、我々は負けていたけれど、負けるべくしての負けだったと思います。
なんとかやり過ごしてラストバトルまで到達できても、「まくすうぇる」やその眷属が強すぎる。そしてあの頃は味方の戦力は壊滅的。化歩ちゃんと狸眼ちゃんだけではどうにもならんだろ……とか、本当に色々ありました。
現実にやってる世界陸上とかもそうですが、勝つ選手は負ける戦をしていません。勝つべくして勝っています。私は陸上は素人ですが、短距離走の各決勝での最下位選手と金メダル選手の差とか観ても、ばっと数秒もない一瞬の差ではありますけど、その一瞬がどうしようもないというのは分かります。
今回ばかりは世界の復活はない。
負けたら終わり。
終戦争。
絶対に勝たなくてはならない。
そうなると……「くーげる」同様、ほかの少年たちを説得して仲間にしたい。
ようやくこの流れが来ました! もう、待って待って待ちまくって30時間!
あとはどうやって仲間にするか。
結局のところ、彼らが本当にやりたかったことを彼ら自身に見つけ直させることがポイントでしたね。
「あねもす」の世界ちゃんへの想いとか。
「あぐに」の闘争心とか。
「はすたー」が一番大変でしたが(なにしろ狸眼ちゃん自身の気持ちの整理も必要だった)。親の仇を味方にするなんて、生半可な覚悟では出来ません。よく言う、「清濁合わせ飲む」なんて軽々しく言えるものか!
どうするんだろうと思っていたら、「はすたー」が滅私奉公していたあの上司が切り捨ててくるという流れが。悪役あるあるといえばそうですが、やっぱり理不尽この上ないですよ。
さて、最後の戦力「らぷらす」。
彼の説得シーンはQとなりました。
シニカルでありながら、愛に飢えている彼。テレビアニメ版では、幼い頃(最初のブラックアウト直後)の化歩ちゃんの歌が気になってテセラクターの群れからはぐれるシーンがあります。ひと目惚れというより、ひと聴き惚れってやつですね。
本来の彼は化歩ちゃんのことが好きだったはず。何でこんなにひねくれてしまったのか。
その理由は、いわば前世と今生の化歩ちゃんの決定的な違いにありました。人と仮想世界人という、埋められない差が。
それでも、その違いを我々がわかってあげたとき、彼は変わってくれた。
戦友となってくれた。
そう、人は変われる。
敵だって味方になれるんです。そこに本当のこころがあるなら。

本稿の終わりに…

このゲーム世界での神椿市はひと段落しましたが。このあと、この箱庭のような世界はどうなっていったんでしょうか。
人が恐怖と絶望感で暴走した姿がテセラクターだと言うのなら、また発生してしまう可能性は大いにあると思います。
しかしそれは、世界が終わりつつあることをいきなり知るからでしょう。
この後の復興課は、おそらく、精神衛生に気をつけながらも、市民に外の状況と今後の市外開発計画を告知するのではないでしょうか。
なにしろ、最恐のテセラクター「まくすうぇる」はもういない。
あるのは荒れた大地というフロンティア。
そして、外の世界にテセラクターがいたとしても、魔女の娘とファミリア達なら対応できる。
人には夢という行動先が必要なんです。
現実を生きる私もまた、夢を抱かない訳にはいきません。
さもなければ、テセラクターになってしまうかもしれませんからね。