「竹鼓舌」ライブ2005(@護国寺・同仁キリスト教会)

仕事の後、大学時代の先輩と「竹鼓舌」(ちこたん)という竹創作楽器合奏団(?)のコンサートにいってきました。竹の響きってやっぱり素晴らしい。自分が原始に還っていくみたいで落ち着きます。今回は教会でってこともあって、広がりのある深い響きを堪能してきました。打楽器が多く、笛などもあるのですが、ほとんどの楽器が自主制作。京都やインドネシアから竹を取り寄せたり、こだわりのある楽器たちです。創作楽器を超ホソボソとやってる身としては、結構うらやましい話でもあります……。良い音をしていましたよ。竹で2弦のギターまで創ってしまったのは凄いと思いました。構造上、90度に切り込まなくては行けないので私がやったら割れる事必至です。これも、ピック、手、弓、あと打弦でも音を出していたりして、ザックスの楽器分類法から言ったらルール無視ですけど、いいんですいい音の為には!
ステージトークで色々と苦労話をお聞きしました。私も竹が割れてしまうことには悩まされていますけど、やっぱり、プロの人たちでも同じらしい。良く乾いた竹を使う事とか、湿度変化が大きすぎる扱いをしないようにするとか、いろいろあるみたいで。どうしようもない時はボンドでどうにかしているらしいですけれど、さすがそんな事を感じさせない。音に違和感がなかったです。自由な音ってこういうことかと。


このバンドでは「チコ」と呼んでいたベトナムのパー・プン(太めで長めのモウソウ竹の節を抜き、何個も並べて口をゴム板で叩く竹琴楽器の一種)を叩いていたのは、何とスリッパで。でもスリッパって確かに材質的にパー・プンに向いてる。表現力はものすごくて、ある意味でティンパニ並みでした。竹を節抜いただけの代物が、オケのティンパニと肩を並べられる表現力を持てるって、目から鱗


あとスライドホイッスルを見ていて、竹のトロンボーンの製作構想が思いつけました。あれをでっかく創ってマウスピースを受けるようにするとか、伸縮自在ブンボン(竹の側面に直接穴をあけて吹く竹製ホラ貝のような楽器。歌舞伎とかで使ったりする)とかを創れれば竹トロンボーンっていえるかもしれない? リップリード式で管の伸縮で音程を創れたらいいわけですよ。竹製金管楽器(竹のリップリード楽器という意味)は一度創ってみたいです。大学で竹製アルペンホルンを創りましたが、あれってバンドピープル掲載記事のパクリですし。オリジナルで。
インタラクティブアートとしての創作楽器の可能性をまた一つ見た気がしました。やっぱり、素朴が一番。それが訴えてくる表現って、なんだろ、生命本能ダイレクトな感じがして凄いパワーを持っています。元気をいただきました。終わってから楽器をちょっと見させていただいたり、お話を伺えたりして勉強になりました。竹琴の本物を生で見させていただいたのが最大の収穫の一つ。どうやってつり下げるのかなと。ヒモを通す穴は、管の叩く部分の節を超えた向こう側なら穴開け加工してもそんなに違和感がないようですね。やむを得ない時は叩く側にも穴が空いていましたけど。


帰りに飲んだビールがすっごくおいしかった。いい演奏会の後の一杯は格別です。ステージに乗る側でもそういうものだけれど、客としてもそうでしたね。竹鼓舌の皆さんの今後のご活躍が愉しみです。