強弱記号は音色記号でもある……かも

『ミシェルベッケ・トロンボーンリサイタル 〜スコットランドのつりがね草〜(ピアノ:長尾洋史、BW-1003D)』のCDのトップに入っている、ギルマン作曲の『コンサート・ピース(交響的断章)』を聴いていた。このCDが高校時代の自分を創ってくれたし、トロンボーンのイメージは自分にとってはここからだったりしたから……。
打ち込みでトロンボーンサウンドを作るのは難しい、っていうのを、色々調べていて掲示板情報的には聞いていたけれど。
特に、クラシックジャンルでのソロ・トロンボーン独特の厳しくも暖かく柔らかいような響き、アレを作るのは無茶かもしれないって気がしてきた。
高校時代に愛用していたランゲイのトロンボーン教本の末尾のミニ音楽辞典で、フォルテは大きく(Loudly)、ピアノは柔らかく(Softly)と解説されていた。
日本語では強弱って訳している所を、だ。あれは衝撃的な一行だった。
たしかに、ピアノは弱い訳じゃない。
ベッケ先生のCDを聴いていても、それは分かる。
厳密に音量をデシベルで測れば、ピアノ部分は小さくもなっているのかもしれないけれど、それより何より音の性質がフォルテとピアノで違いすぎる。
曲調によっても全然違うし。まあ、自分が吹く段になったら分かることでもあるけれど、確かに音量じゃなくて音色で使い分けてたなあ、ソロの曲でのフォルテとピアノって。吹奏楽のパートの一員だったら音量で使い分けていたけれど。
すっかり忘れていたことだった。
Macでの打ち込み、ちょっとインスタントに考えすぎていたな。
反省しなきゃ。


さて。
何から始めようか。


ここまで来たら、やっぱり、自分なりに音源を完成させてみたい。
自分の中の音楽な気持ちを見つめて。
今、許されるリソースを使って。
吹かないトロンボーン曲に意味があるのか、とか、迷いは捨てよう。
まずは音源化してみたい。その欲求は正直なんだから。


でも、打ち込んでると、唇がしびれてくるんだよな。楽器を吹いている感じでさ。
本当は吹きたいって思っているんだなあ……。大学時代、あれだけ挑戦して演奏しきれなかった曲なのに(自分で創っておいてなんだけど)。