第23回PCUA(パソコン利用技術研究集会)参加 with 高橋メソッド

最近、論文がどうしたと時々書いていますが、ようやく本日終わりました。PCUAについてはこちら。また、この日記での第23回PCUA参加関連記事はこちらから3日分ずつまとめてお読み頂けます。


講演題目は『マルチメディア教育支援の現状』ということで、学生のマルチメディア技術習得のための教育支援者としてどのようなことをしてきたか、授業中の支援と授業外の支援にわたって報告するものでした。


このところ妙な緊張感でなかなか原稿が手に付かない&寝付けない日々も続いていましたが、1度やってしまうと気が楽になるものですね。仕事5年分のまとめだと思うから緊張しすぎるんで……。もっとクールに淡々といけるようになりたいもんです。こういった研究会的場所でのプレゼンテーションは実は今回が初めてです。(今までは機会がなかった)そのため、無意味にプレッシャーを感じすぎたきらいはありました。(反省)


今回は急な演題変更となり、授業や学生作品の写真が使えないこともあったため、ネットで話題の「高橋メソッド」というプレゼンテーション技法を自分なりの解釈で使ってみました。高橋メソッドについてはこちらに提唱者による実例があります。要は画面いっぱいに文字を表示して、テンポ良く進めていく技法です。


さて、会場である立正大学(大崎キャンパス)総合学術センターのPC設備はかなり充実しています。パソコン教室の各机、PC2台のモニタの間にプロジェクタ内容を写すモニタがあって。教卓はデュアルモニタでしたしこの辺はうらやましい環境です。ただ、ほかの方の講演で少々効果を盛り込んだパワーポイントで、各机側の画面が表示がやや遅れ残像が残ることがありました。(高橋メソッドでやる分には表示速度に関する問題はあまり発生しないみたいです。まあ、データ量が少ないですし)USBメモリでデータ持込で発表可能だったので、非常にスムーズに行えました。
私としては「各机のモニタでプロジェクタ内容を写す事ができる」という環境は完全に予想外でした。「高橋メソッド」でプレゼンテーションを作ると、あんまり目の前にモニタがあると文字が大きすぎるきらいがあるんですよね。遠距離で特に効果を発揮する印象を持っていますので。

実際はこんな感じでやっていました。


↓画面切り替え↓

講演の中盤、DTP授業中支援のありかたのまとめです。普通は「マンツーマン」と書くべきところですが、ありきたりなのと高橋メソッド的には文字数が多く感じられたので、「1 on 1」と表現しました。由来はバスケット漫画の「スラムダンク」です。指導側も学生も1対1で真剣に教育に向かうっていう姿勢のアピールにはよい言葉だと思います。教育は勝負事ではないにしても。


時間は一人10分で、8分経過で1ベル、10分経過で最終ベルが鳴らされます。自宅で練習していたらどうしても10分を超えるきらいがあって、よっぽどテンポよくしゃべっていかないと終わらない量になってしまいました。10分ですと、前置き部分+事例2個+結論、くらいでジャストなのかもしれません。今回は結論の部分に提案的内容を含んだ構成で持っていったのですが、その提案的事項をお話しするところまでいけず、強引に結論に持って行ってしまって残念しました。ちなみに、予定したパワーポイントスライドの枚数は147枚。10分でしゃべれたのは121枚でした。もっとスライドの枚数を減らすべきですね。(発表論文集もあるので、本当に大切なところにもっと絞ったほうがいい。せいぜい80枚以下くらいにすべきかも?)


しかし、不慣れゆえの計算外があったにせよ、目を引くプレゼン技法であることは間違いがありません。画面いっぱいに多くて15文字程度、時間のなさから4秒でどんどんめくっていく位のテンポを目標に行ったので、画面に集中してみていただけたのではないかと思います。自分としてはめくる方に振り回されてて、お客さんの反応を見つつ、までいけるにはまだまだ場数が必要そうですが。
高橋メソッドはかなり映像的なプレゼン技法ですね。そういえば映像制作の基本のひとつで、5秒くらいでカットを切り替えると視聴者の注意を引き続けることができる、というのがあると聞いたことがあります。同じスライドを見続けると眠くなるけれど、テンポよくめくっていく(しかも全体が見やすい)と眠くならないんじゃないかと。ただ、今どの話題をやっているのか、を把握する工夫がほしいというご感想もいただきました。難しいところですね。全体を把握する「論旨チャート」「パンくずリスト」のようなものを画面の端に表示するといいのかもしれませんが、余計な情報が多いとテンポが鈍ってうまく伝わらない怖さもあるかも知れません。今後、考えておきたいことのひとつです。


あとは話術とか構成を磨けば面白いことができそうです。また、しゃべっていて何を言っているか内心微妙にパニックが入ったのですが、とりあえず読み上げめくり続けることでなんとか立ち直れたりして、緊張しやすいタイプの人にはいいのかもしれないなあと思いました。「すごく落ち着いて堂々としゃべっているように見えた」そうなので、よっぽど高橋メソッドに助けられたんだろうなあと。内心はもう心臓バクバクでしたから。


タイポグラフィというか、漫画的なテキストの楽しさも追求できそうです。今回のプレゼンではテキストカラーに意味づけを入れて、基本は黒、強調したいところを赤、マイナスの意味の部分で水色を使ってみたのですが、フォントをうまく使うともっと面白いことができそう。面白ければ印象に残ります。フォントは可読性と汎用性の高さからMSPゴシックのボールド、サイズは120Ptでやりました。(会場で間違いなく表示される確実なフォントを選択)


スライドをただ読み上げるだけのプレゼンはつまらないですが、高橋メソッドだと自分の言葉でどんどん説明していけます。躍動感のあるプレゼンをしたい人は一度くらい試してみてもいいのではないかと思いました。(それで自分に向かないと思ったら次からやめてもいいですし)
スライドつくりに手がかからないのも利点です。あれこれ効果やレイアウトに凝る必要がないので。(むしろ白地にデカ文字がよいわけで)
話題の切り替え部分が見た目で目立たないので、枠をつけてもいいかもしれませんが、それよりも言葉遣いと間でつないだほうが効果的かもしれません。いろいろ考えるところがありました。


拍手を沢山いただけました。本当にうれしかったです。ご清聴くださった皆様に感謝します。