第23回PCUA(パソコン利用技術研究集会)でのほかの講演感想

午前中の自分の発表が終われば、あとは気軽にほかの方のお話を聞くことができました。午前中でラッキーです。
拝聴した中からいくつか、感想を書きます。(敬称は省略させていただきます。また、論文集を参考にしつつもマインドマップで走り書きしたノートから概要を書かせていただいているだけなので、ミスがあればご指摘いただければ幸いです)

  • 「医療情報とネットワーク」
    • いわゆる「電子カルテ」の現状報告と今後の展望。日本は非常に遅れているが、なぜなのかを考察。電子カルテをネットワークに乗せるに当たってはコストやセキュリティ的な問題、患者側のコストへの理解などなどなどなど問題点は山積。「1人生涯1カルテ」の実現へは、まだまだかかる。
      • 【感想】本講演が気になったのは、実は少年マガジンで連載している「ゴッドハンド輝」(医療漫画)が好きだったため。漫画の中にある電子カルテ(ネットワーク参加医療機関と患者側ですらカルテを共有、調剤処方箋作成や医療点数まで診察終了からあっという間にデータ処理、病状についてホログラムやCGで解説する電子事典つき、患者の状態すらもCG化可能、患者が担当医にメールで質問や病状報告ができる……など)って、まさに医療界の鉄腕アトムとかドラえもんみたいなもの。ネットワーク対応の見込みが立つのは2010年くらいというお話も……。いつか「1人生涯1カルテ」が実現したらすばらしい。
  • 「携帯電話ウイルスに対する意識と問題点」
    • 携帯電話ウイルスは外国では80例以上報告があるが日本ではほとんどない。その理由と今後の展望、また携帯電話ユーザアンケートから携帯電話ウイルス問題の啓蒙について考察。
      • 【感想】学生発表。非常によくまとまっていて好印象。話し方も落ち着いていた。また、内容についてもわかりやすかった。携帯電話ウイルスが日本で少ない理由は、PCウイルスで言うWindowsMacの違いと似た現象ではないかと思った。日本の携帯電話は独自のOSを積んでいるのも、ウイルスが少ない理由といえるそうだ。ただ、今まではウイルス的実害が発生し得なかったので、ユーザーアンケートでは「携帯の不可解な添付ファイルを開く」ということが「架空請求の原因」を想起させても「ウイルス」を想起した人はあまりいなかったそうで。(複数回答可能なのに)今後、日本の携帯も海外の規格に合わせていく方向で行くので、こういったことの啓蒙も重要なのがよくわかった。
  • 「人の演奏に合わせるための演奏速度制御」
    • 人はコンピュータの伴奏音を聞いて自分がテンポを合わせて演奏することができるが、逆にコンピュータの側が、人の演奏音のテンポに合わせて伴奏することはできないか。プログラムを作成して研究。
      • 【感想】デモ映像(人がベースや電子ピアノを演奏し、プログラムが伴奏する)を拝見する限りでは、演奏者のテンポの変化にきっちり付いていっている印象を受けた。非常によくできていると思う。会場で質問もしたが、カラオケに応用できたらもっと面白そうである。まだ人間の声についてはまったく考えていなかったようだが、そういった可能性を感じさせて面白かった。


この研究会は比較的テーマ制約がゆるく、わりと何でもいい感じなので、幅広い研究が聞けて面白く思いました。また、学生でも気軽に参加できるので、PCを使って何か面白いことをやっている学生さんはちょっと腕試しに出てみても良さそうです。(こういった場所で発表したことは履歴書に書ける実績になります)3000円の論文集が学割ですと1000円で買えますよ。毎年春休みにやっているようなので、時期的にも悪くないかと思います。